日本HPは1月18日、2024年の事業発表会を実施した。本発表会では同社の2024年の展望や、AIテクノロジーを搭載したプレミアムノートPC「Spectre x360シリーズ」など新製品が発表された。
冒頭、代表取締役社長執行役員の岡戸 伸樹氏が登壇。2023年は成長の年であったとし、続く2024年は飛躍の年であると語る。
ChatGPTなどAIが大きな注目を浴びた2023年であったが、岡戸氏は2024年は「AI PC元年」となり、AI PCという新たなジャンルをHPブランドとしてしっかり築いていきたいとコメントした。
AI PCの幕開けとなる2024年
では、AI PCとは具体的にどのようなことを指すのか。それはパーソナライズされた体験、レイテンシーの改善、優れたセキュリティー&プライバシー保護、コスト削減を指すという。
AIは現在、ほとんどのものがクラウド(オンライン)ベースで動いているが、レイテンシー・コスト・セキュリティーなど様々な課題がある。
それを今後は、エッジAIとして直接PCに内蔵することで解決できる時代がくると岡田氏は話す。
岡戸氏は、AIをローカル上で運用することで、処理スピードがクラウド経由よりも5倍ほど早くなり、ローカルで運用するためセキュリティーも強化され、コスト面においても最大で80%ほど削減できるデータも出てきているとのこと。
こういったことから、岡戸氏は2024年はAI PCの年になるとして、普及率も全体の40%~50%になると見込んでいるという。また、AI技術を活用することで、PCを「パーソナルコンピューター」から「パーソナルコンパニオン」に変えていきたいとも話していた。
AIPCのスタートに立つ新製品も発表
本発表会ではそんなAI PCの先駆けとなるべきAIテクノロジーを内蔵したプレミアムノートPC「HP Spectre x360 16」「HP Spectre x360 14」も発表。同日より販売も開始した。
本シリーズは推論演算に特化しているNPUを組み込んだ次世代CPU「インテルCore Ultra」と、一部モデルに搭載の「GeForce RTX 4050 Laptop」による3つのエンジン(CPU、GPU、NPU)により、現在利用可能な最新のテクノロジーを実装している。
AIテクノロジーとインテルCore Ultraによって、AIのポテンシャルをフルに活用、操作時の遅延などを削減し、マルチタスクでも十分に能力を発揮できるとのことだ。
また写真やビデオ編集なども、さまざまなローカルAIワークロードを実行して、より高速で効率的なコンテンツ作成とコラボができる。
機能面でも、扱いやすく大きなハプティック(触覚)タッチパッドを搭載するほか、ハードウェア実装されたナイトモード機能付き9メガピクセルカメラにより、昼夜を問わずクリアなビデオ通話が可能。
AI機能を利用することで、ユーザーが立ち去ったら画面を自動ロックし、戻ったらスリープを自動解除する機能なども装備するほか、屋外で本製品を使用しているとき、誰かが画面を覗いていたら警告するといったプライバシーアラートも内蔵する。
スペックはメモリーが32GB(6400MHz、LPDDR5x)まで対応、ストレージが1TB(PCle Gen4×4 NVMe M.2)まで搭載可能となる。
インターフェースはHP Spectre x360 16がThunderbolt 4 with USB4 Type-C×2、HDMI 2.1×1、USB Type-A×1、ヘッドフォン/マイクコンボを、HP Spectre x360 14はThunderbolt 4 with USB4 Type-C×2、USB Type-A×1、ヘッドフォン/マイクコンボと搭載する。
価格はHP Spectre x360 16が33万9900円~、HP Spectre x360 14が27万9400円~。
あわせて本発表会では、CES2024でお披露目されたゲーミングノートPC「OMEN Transcend 14」も販売開始となることが発表された。
OMEN Transcend 14はOLED(有機EL)ディスプレー、スリムな筐体、革新的な冷却機能を備えた14型ゲーミングノートPC。
最大でインテルCore Ultra 9 185HプロセッサーとGeForce RTX 4070 Laptopまで対応し、最新ゲームや、CPUの演算負荷の高いクリエイティブアプリのタスクを快適に処理可能という。
コンテンツや電源モードに応じてリフレッシュレートを自動的に切り替えるダイナミックリフレッシュレート(DRR)にも対応し、バッテリー駆動時間を最大7%改善できることも大きな特徴だ。
さらにOMEN Transcend 14は、モバイルワークステーションなどで用いられる冷媒を使用したベイパーチャンバーや、底面から吸入する空気を従来よりもおよそ4倍加圧することで、背面への排熱効果を高めるインテルDual Channel Flow Technologyを採用することで強力な冷却機能も備えている。
バッテリーは最大8時間駆動。ゲーミングPCとしてはおよそ1.63kgの重さで持ち運びにも便利となっている。価格は27万8300円~。
HP Spectre x360 16-aa0000TU | HP Spectre x360 16-aa0002TX | |
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プロセッサー | インテルCore Ultra 7 プロセッサー 155H | |
カラー | アッシュブラック | |
メモリー | 16GB オンボード (6400MHz, LPDDR5x | 32GB オンボード (6400MHz, LPDDR5x) |
ストレージ | 512GB SSD (PCIe Gen4x4 NVMe M.2) | 1TB SSD (PCIe Gen4x4 NVMe M.2) |
内蔵無線LAN | IEEE 802.11ax (Wi-Fi 6E)、 Bluetooth 5.3 | |
グラフィックスタイプ | インテルArc グラフィックス (プロセッサーに内蔵) | NVIDIA GeForce RTX 4050 Laptop グラフィックス |
ディスプレー | 16.0型・2.8K ブライトビュー・OLEDタッチディスプレー(2880×1800/16:10/400nit/DCI-P3 100%/120Hz) | |
インターフェース | HDMI 2.1 出力端子×1、SuperSpeed USB Type-A 10Gbps×1 (電源オフUSBチャージ機能対応)、Thunderbolt 4 with USB4 Type-C 40Gbps×2(Power Delivery、DisplayPort 2.1、電源オフUSBチャージ機能対応)、ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポート×1 | |
製品サイズ/重さ | およそ幅356×高さ19.8×奥行245mm/およそ2.07kg | |
バッテリー駆動 | 最大13時間 | 最大10時間30分 |
ACアダプター | 100W USB Type-C スリムACアダプター | 140W USB Type-C スリムACアダプター |
消費電力(最大時) | 最大100W | 最大140W |
HP Spectre x360 14-eu0006TU | HP Spectre x360 14-eu0007TU | |
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プロセッサー | インテルCore Ultra 5プロセッサー 125H | インテルCore Ultra 7プロセッサー 155H |
カラー | アッシュブラック | |
メモリー | 16GB オンボード (6400MHz, LPDDR5x) | 32GB オンボード (6400MHz, LPDDR5x) |
ストレージ | 512GB SSD (PCIe Gen4x4 NVMe M.2) | 1TB SSD (PCIe Gen4x4 NVMe M.2) |
内蔵無線LAN | IEEE 802.11ax (Wi-Fi 6E)、Bluetooth 5.3 | |
グラフィックスタイプ | インテルArc グラフィックス (プロセッサーに内蔵) | |
ディスプレー | 14.0型・2.8K ブライトビュー・OLEDタッチディスプレー(2880×1800/16:10/400nit/DCI-P3 100%/120Hz) | |
インターフェース | Thunderbolt 4 with USB4 Type-C 40Gbps×2 (Power Delivery、DisplayPort 2.1、電源オフUSBチャージ機能対応)、 SuperSpeed USB Type-A 10Gbps×1 (電源オフUSBチャージ機能対応)、ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポート×1 | |
製品サイズ/重さ | およそ幅313×高さ16.9×奥行220mm/およそ1.44kg | |
バッテリー駆動 | 最大13時間 | |
ACアダプター | 65W USB Type-C スリムACアダプター | |
消費電力(最大時) | 最大65W |