リメイクで塗り替えたい場合や、錆を落として塗装をやり直したい、といった場合に必要となる作業が、塗装はがし。
もちろん、上から重ね塗りするだけでもそれなりに満足できますが、乾いた後で塗装が浮いてはがれやすくなってしまうことがあります。また、錆がある場合や、元の塗装の一部が剥がれ落ちていた場合は、塗装面が凸凹になってしまう点も気になるところです。
塗装をはがす方法は?
塗装をはがす方法はいくつかありますが、手軽なのは紙やすりなどで削ってしまうこと。ある程度塗装が残っていても凹凸は削れているので、上から塗ってしまえば目立ちません。
ただし、作業に時間がかかること、削った粉が飛び散ってしまうこと、半立体の装飾があると作業が大変になることを考えると、二の足を踏んでしまいます。
また、どうしても下地に傷が付いてしまうため、印刷されている文字やマークを消したいといった用途に向いていないのも欠点です。
この場合は、エタノールやアセトンなどで消えることも多いので、試してみるのもいいでしょう。とはいえ、近くのプラスチックが白化してしまったり、なかなか落ちずに何度もこすってテカってしまう、といった失敗もありがちですけどね。
そんな面倒な塗装はがしをキレイに、簡単にしてくれるのが、アサヒペンの「強力塗料はがし液」(実売価格690円)。塗って待つだけで塗装が浮き、簡単にはがせるという便利アイテムです。
臭い抑えめと小瓶売りがうれしい
塗料をはがす薬品はいくつか売られていますが、「強力塗料はがし液」で一番気に入っているのが、100ml、300ml、1L(1000ml)と3サイズ用意されていること。壁のペンキをはがしたいといった広い面積に使う時は1L、イスや机などの家具なら300ml、小物に使うなら100mlと、目的に応じて無駄なく入手できるのがいいところ。
とくに100mlは、お試しで使うのに最適。1Lを買ってみたものの、はがれない塗装だった……なんて嫌ですからね。まずは100mlではがれるか確認して、いけそうだったら大きなサイズを買うというのがいいでしょう。
使用の際に注意することは、対象となる塗料が油性、合成樹脂系、水性、ラッカー系となること。焼付塗料などは、うまくはがれないことがあるようです。
また、下地は鉄、木材、コンクリートが対象。ゴムやプラスチックなどは溶ける可能性があるので、こういったものに塗られている塗料には使えません。どうしても使いたい場合は、同じ素材が使われているテスト用のものを用意する、もしくは、目立たない裏側で試してみるといいでしょう。なお、化学繊維のハケも溶ける可能性があるので、避けた方が無難です。
試しに近くにあったポリスチレン、プリプロピレン、ポリエチレン、PET、ポリカーボネート、ABS、ナイロンに塗り、5分後に拭き取ってみたところ、ポリスチレン、ポリカーボネート、ABSが溶けていました。
素材の表面にコーティングが施されている可能性もあるため、この結果はあくまで私が試した場合。結果は保証できません。プラスチックに使う場合は自己責任で、必ず見えない場所で試してからにしてください。
利用上のメリットは、塩素系ではないためツンとくる刺激臭がないことでしょう。といっても有機溶剤が使われており、シンナー系の臭いはするので、屋内で使う時は換気は必須。塗って5〜30分ほど反応を待つので、屋外で作業するほうが安全です。
はがした塗料はウエス、新聞紙、キッチンペーパーなどで拭き取って捨てられます。また、非塩素系、生分解性の成分で作られているため、使用後のハケや容器、塗料をはがした対象などは水洗いが可能。ゴミの処分や片付けに手間がかからないのも、魅力です。
(次ページ:缶の塗装をはがしてみた!)

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