京都フュージョニアリング、燃料排気用真空ポンプを開発
三國重工業と共同で
京都フュージョニアリングは12月18日、三國重工業とともに、フュージョンエネルギー(核融合)発電プラントに必要不可欠となる燃料排気用真空ポンプを共同開発した。
同社は、核融合反応を起こすため炉心を超高温に加熱するジャイロトロンシステムの開発や、核融合反応により発生するエネルギーから熱を取り出し発電につなげていく熱サイクルシステム、炉心プラズマへの安定かつ安全な燃料供給をする燃料サイクルシステムの開発を主軸に取り組んでいる。
燃料サイクルシステムは、トリチウム(三重水素)などの水素同位体ガスを炉心から排気・分離・循環させる技術と様々な関連装置によって構成され、真空ポンプはその中でも重水素・トリチウムを安全かつ安定して排気するという重要な機能を果たしている。
そこで、真空ポンプメーカーである三國重工業と連携し、京都フュージョニアリングが長年培ってきた真空ポンプの開発力と特殊な仕様への対応力に、同社が持つフュージョンエネルギーのノウハウを掛け合わせることで、今回発表するフュージョンエネルギーに適応した燃料排気用真空ポンプを共同開発したという。
共同開発したポンプの特徴としては、従来モデルと同じくポンプとしての高耐久性だけではなく、接ガス部分はオイルフリーであり、有機物の使用を最小限に抑えることで、放射性物質であるトリチウムに触れ続けても劣化しにくい高い耐久性を実現している。
また本ポンプはエアー・窒素等で高い排気性能を発揮するだけでなく、水素・重水素・トリチウム・ヘリウム等の軽元素でもほぼ同様の排気性能を発揮できる。
なお、燃料サイクルシステムには複数台の真空ポンプを設置するため、将来的な商用炉での需要が見込まれるが、設置箇所により求められる性能や設置可能なサイズが異なる。そのため、小型サイズも開発することで、適した箇所に適切なサイズの真空ポンプを設置することを可能にしているという。