いまならアルミでいい理由
これまで電動コンポはハイエンドユーザー向けで、高価なカーボンフレームと組み合わせるのが常識。そこをアルミフレームにするだけで、完成車価格は12〜13万円くらい下がる。ちょっとした手品のようなものですが「おお電動コンポなのに安い!」となるわけですな。
ちなみに105 Di2の小売価格は約20万円。あとはフレームとフォーク、ホイールとタイヤ、ハンドルとステム、サドルとシートピラー、それぞれエントリーグレードのパーツと考えれば妥当な線ですが、この組み合わせは今までなかった。
特に私のような年寄りには、引きの軽い油圧ディスクブレーキや、フロントディレイラーの変速に力がいらない電動コンポは魅力的ですが、別にハイエンドである必要はない。もちろんフレーム素材は軽くて剛性の高いカーボンの方がいいし、乗り心地も優しい。でも、いまならアルミでいいと思える理由がいくつかあります。
まず自転車の乗り心地や性能を決める一番大きな要素はタイヤです。今のロードバイクはディスクブレーキ化してタイヤの幅も太くなり、チューブレス化すれば空気圧も下げられる。それだけで乗り心地はグンと向上しますから、カーボンフレームが乗り心地に寄与する割合も昔ほどではないはず。
そしてカーボンとアルミの違いがはっきりしてくるのは、100kmを超えるような、ある程度の距離を走った後。でもこの歳になるとそんな距離は滅多に走れませんから、その恩恵にあずかる機会も少ない。実際、ドロミテを買って1000km近く走りましたが、そのうち最長不倒距離は60km程度。これくらいなら全然平気。
さらに言えば、あと20年もすればお迎えがやってきますから、残った者が自転車を処分しなければならない。その時、アルミであれば再資源化も容易。再生利用の難しいカーボンよりSDGsなんであります。
ま、そうは言っても、現世においては重い。完成車重量はペダルなし実測で9.31kgでした。似たようなパーツ構成でもカーボンなら8kg台半ばくらいでしょうから重い。ホイールその他の軽量化で7kg台後半までは落とせそうですが、かなりの投資が必要です。激しい山坂道をラクして走ろうってことなら、最初からカーボンフレームにした方がいいかも知れません。
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