「ネクストベース」が運営する「NEXT BASE ATHLETES LAB」は、最先端の分析システムでアスリートをサポートする「スポーツ科学R&Dセンター」だ。プロはもちろんアマチュアでも利用でき、日本全国から測定に訪れるほど、利用者が増加している。パフォーマンス向上に科学的な分析を取り入れるアスリートが増えている中、国内外で大きな注目を集めている「NEXT BASE ATHLETES LAB(ネクストベース・アスリートラボ)」を紹介する。
「NEXT BASE ATHLETES LAB」は、千葉県市川市に2022年8月にオープンしたスポーツ科学R&Dセンターだ。国立スポーツ科学センターや体育・スポーツ系大学の研究機関にも、専用の測定機器を備えた施設はあるが、民間施設としては「NEXT BASE ATHLETES LAB」が初となる。
民間初のスポーツ科学R&D施設
「NEXT BASE ATHLETES LAB」は、千葉県市川市に2022年8月にオープンしたスポーツ科学R&Dセンターだ。国立スポーツ科学センターや体育・スポーツ系大学の研究機関にも、専用の測定機器を備えた施設はあるが、民間施設としては「NEXT BASE ATHLETES LAB」が初となる。
同施設には、モーションキャプチャーシステムの「VICON」(専用カメラは14台設置)や、フォースプレート(動作をする際にかかる力量を測定する機器)3台を設置。さらにハイスピードカメラ、弾道測定器など、国内の研究施設に引けを取らない、あるいはそれを超える設備を備えている。
計測したデータは、専門の研究員、アナリストによって解析、評価され、その結果を基にストレングストレーニングや理学療法などで改善していく形だ。トレーニング施設も併設されており、指導内容をすぐに試すことも可能。つまり、測定から評価、トレーニングというスポーツ指導における一連のサイクルを、ひとつの施設で回すことができるのだ。
近年のテクノロジー発展が設立の要因
同施設を設立した背景について、ネクストベース上級主席研究員の神事努氏は「アメリカのASMI(アメリカスポーツ医学研究所)を見学して、日本にもこんな施設があればいいなと思ったのがきっかけ」と話す。
ASMIは1987年に設立された、病院、トレーニングジム、動作解析をワンストップで行える施設。2000年代に入り、同様の施設がアメリカでも増えており、多くのMLB選手が専門施設に通い能力向上に励んでいる。
日本では、金銭的な問題や専門施設を求める声が少ないなど、世の中の流れ的に設立が難しいこともあり、なかなか実現しなかった。また、大学の研究施設などで解析はできたものの、どうしてもサービスではなく「研究」が目的となる。そのため、そもそも解析が受けられない、受けられたとしてもトレーニングに結びつかないなど、十分なフィードバックが得られないのが現状だった。
しかし「昨今のテクノロジーの進歩で、スポーツにおけるデータの活用が高く注目されるようになった。風潮も変わり、多くの人にスポーツを科学的に分析するサービスを提供したいとい思いから設立に至った」という。
1年で大きな成果を残す
2023年8月でオープンからすでに利用者は1,000人を超えており、プロ野球選手も80人近く利用と、順調にユーザーは増えている。リピーターも多く、北海道から沖縄まで日本全国から測定に訪れており、最近では海外からも問い合わせが増えるなど、国内外で注目されている。
「従来のスポーツ指導は画一的なものであったが、自分の目の状態に合わせたメガネを作るように、1人1人に合わせたテーラーメイド型のトレーニングを求めている人が潜在的に多くいたのだと感じている」と、神事氏も手ごたえを口にする。
利用者の半数は高校生というのも特徴で、「NEXT BASE ATHLETES LAB」を利用した高校のうち、仙台育英高校や慶應義塾高校など7校が甲子園に出場(慶應は107年ぶりに優勝)。開設から1年で大きな成果を残している。
神事氏は「データを使ったトレーニング効果が高いことを、多くの人に知ってもらういい機会になっている。科学の力でトレーニングをサポートすることが当たり前になっていけばうれしい」と話す。
注目度の高さゆえに、現在は予約が取りづらい状況だが、より短時間で効果的な測定・解析が行えるようになるなど、より多くの人に利用できる環境を目指している。
プロアマチュア問わずパフォーマンスが向上できるようになれば、競技能力の底上げやスポーツ人口の増加につながる。またスポーツ業界、スポーツ産業も発展するだろう。民間初のスポーツ科学R&Dセンターである「NEXT BASE ATHLETES LAB」には、その旗手としての活躍が期待される。