Silent-Master NEO Z790 Mini/D4をレビュー
Silent Master Graphicsは静音ゲーミングPCの新潮流? サイコム・Noctua・長尾製作所のコラボグラボ
2023年11月22日 11時00分更新
ストレステストで冷却性能と静音性をチェック
では、Silent Master Graphicsがどのくらい静音なのか、簡単にチェックしてみよう。試したソフトはビデオカードに負荷をかける「MSI Kombustor」。デフォルト設定のフルHD解像度のストレステストで、約1時間半ほど負荷をかけ続けた後の状態がこれだ。
結果は見ての通り、GPU温度で72度前後。最も温度が高い部分でも84.5度に抑えられており、冷却性能は十分と言える。では静音性はどうかというと、さすがに「まったく音が聞こえない」というわけにはいかなかった。
とはいえ、PC正面約40cmの距離で測ったアイドル時の騒音値約33.2dBに対し、MSI Kombustor実行中の騒音値は約37.2dB。音量的には会話に支障がないレベルで、音楽が流れていればほとんど気にならない程度だ。
ゲーム内では普通何らかのBGMが流れているはず。つまり、プレイ中に動作音が気にならないぐらいの静かさと言える。Silent-Masterシリーズの標準ビデオカードにふさわしい出来である。
ちなみに、ファンの回転数は最大2100rpm程度。1700rpmぐらいまではファンが回ってることに気づかないほど静かなので、描画負荷の低いゲームであればさらに快適にプレイできるだろう。
CPUクーラーやPCケースファンも静音性重視のNoctua製
もちろん、Silent Master Graphicsを採用しただけで静音PCになるわけではない。Silent-Master NEOならではの工夫があるからこその、静音性だ。というわけで、ここからはPCケース内を確認していこう。
Silent-Master NEO Z790 Mini/D4はミニタワーなので、本体サイズは小さめ。そのため、ないぶはわりとみっちり入っているように見える。そしてすぐ目に入ってきたPCパーツはやはり、Noctua製のPCケースファンとCPUクーラーだ。
Noctuaファンは静音にこだわるのであれば必ず選んでおきたいPCパーツだが、ビデオカードにSilent Master Graphicsを採用したことで、電源ユニット以外のファンはすべてNoctua製になった点が興味深い。
空冷PCで重要となるエアフローもしっかり考えられている。裏配線を徹底し、PCケース内のケーブルは必要最小限でレイアウト。その裏側も見ていただきたい。
用途やケーブルの方向を考慮した束ね方で、整然とまとめられている。こういった細部までこだわった組み立てがサイコムのいいところだ。
PCケースはCooler Masterの「Silencio S400」を採用。サイドパネルの内側に遮音材が貼られている静音仕様のPCケースで、動作音が外に漏れづらい構造になっている。もちろん、フロントパネルの内側にも吸音材を装備。吸気口にはラクに着脱できるフィルターを備え、メンテナンスもしやすい。