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AWSによる自治体・教育・医療分野の生成AI活用ユースケース

大阪市、Amazon Kendraを用いて生成AIのハルシネーション対策を検証

2023年11月07日 10時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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激務である教師、医療従事者の負担を軽減するユースケース

 自治体に加えて、教育分野と医療分野でのユースケースも紹介された。

 教育分野においては、テストの自動採点・添削のユースケースが紹介された。こちらもRAGの手法を利用して、必要な情報をKendraが抽出、生成AIが採点・添削を補助するという仕組みで実現する。生成AIを用いることで、採点に時間がかかる記述式の問題であっても、模範解答と比べて自動採点することができ、問題のポイントや解説なども加えることが可能だ。

 また、テスト問題の自動生成も、Kendraが過去の問題や教材を参照することで実現する。「先生は教育現場において、授業や部活、生徒指導などさまざまな業務を抱えている、生成AIにより業務を効率化し、学生と触れ合う時間などを増やすことで、質の高い教育環境を作れるのではないか」と瀧澤氏は説明する。

生徒の解答を生成AIにより自動で採点・添削

テストの問題を生成AIにより自動で生成

 医療分野においては、病院における文章作成のユースケースが紹介された。医療機関における文章作成業務はカルテの作成や、診療の記録、看護師によるメモなど多岐にわたる。これらの業務の負担を減らせるよう、電子カルテのアプリケーションに生成AIを組み込むことで、フォーマットに合わせた文章の自動生成や、データから症例を推測するといった支援が可能になる。

 また、院内外の情報を利用して、医療従事者の業務をサポートするユースケースでは、Kendraを通じて診療ガイドラインや外部情報を参照し、患者の疾患に対する適切な意思決定を支援するという。

病院内の文書作成を生成AIがサポート

院内外の情報を利用し、医療従事者の業務を生成AIがサポート

 また、直接的に患者の待ち時間を減らして、病院の診療効率を上げる生成AIサービスとして「AWS HealthScribe」を提供している(現時点で英語のみのプレビュー版)。臨床の生産性を向上させるサービスとなり、自動的に問診の内容を文字起こしし、医者と患者どちらの言葉なのかを区別した上で、電子カルテに必要なデータを自動生成する。会話の中から、過去のデータベースを参照して該当する病気を判断したり、その病気に紐づく治療方法を案内することもできる。

AWS HealthScribeの利用イメージ(現在は英語のみに対応)

 「HealthScribeは、患者との対話を重視することは変えずに、それに付随する業務を自動化させることで、患者を待たせる時間を減らすことができる」と瀧澤氏は指摘し、海外においては、医療産業向けのソフトウェアを提供する3M Health Information Systemsでの実績があるという。さらには、HealthScribeなどで蓄積した医療現場のデータは、治療方法の研究にもつながっていくという。

 AWSは、公共領域を含む、これまで蓄積した生成AI活用のユースケースを「AIユースケースエクスプローラー」にて公開している。

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