KDDIが24日に「αUサービス説明会」を開催した。「αU(アルファユー)」は、同社が今年3月に開始したメタバース・ウェブサービスの総称。説明会では、これまでの実績を振り返り、同日から新たに提供が開始されるサービスが紹介された。
説明会には、まずKDDI 事業創造本部 副本部長の中馬和彦氏が登壇。αUのこれまでの展開を振り返った。一部では「盛り上がっていない」とも言われるメタバースだが、αUでは「イベントの開催時には賑わいを見せている」とのこと。ただし、平常時の利用者がまだ少ないのが現状。中馬氏はその原因として「コンテンツ不足」を指摘。コンテンツを増やしていくために、メタバースをよりオープンにし、クリエイターを支援していく必要があることを強調した。
◆3D音楽ライブ配信サービス「αU live」がスタート
αUは、これまで「αU metaverse」「αU market」「αU wallet」の3サービスが提供されていたが、10月24日から2つのサービスが追加される。
1つは「αU live」。360度の自由な視点で楽しめる3D音楽ライブ配信サービスだ。Google Cloudのクラウドレンダリング技術を用いることで、スマホやタブレットなど幅広いデバイスで手軽に楽しめることが特徴。デモ会場で実際にライブを視聴してみたが、スマホの画面をなぞるだけで自由な視点でアーティストが見られて、ピンチ操作でアップにすることもできた。
「αU live」の開始に合わせて、KDDIがアーティストに代行し世界の音楽配信サービスに配信するディストリビューション事業を開始することも発表された。インディーズおよび新人アーティストの音楽活動を支援する「エッグス」とのパートナーシップによるもので、11月以降に開始予定。配信先は170ヵ国以上の音楽配信ストア・サービス。バーチャルやリアルのアーティスト、個人やインディーズで活動するアーティストが対象で、「αU live」に登場するアーティストも対象となる。
実店舗に近い感覚でショッピングを楽しめる「αU place」
10月24日から新たに始まった、もう1つのサービスは「αU place」。実店舗を空間再現したバーチャル店舗でショピングができるサービスだ。まずは「無印良品 銀座」「Lui’s/EX/store」「ポケユニ ハラジュク」「2G POPUP STUDIO」「ヒュウベイ」「au Style SHIBUYA MODI(au Style バーチャル店)」の6店舗がオープンする(「ポケユニ ハラジュク」は11月以降公開)。
「αU place」はバーチャル空間だけに存在する店舗ではなく、リアルの店舗をそのまま再現し、実際に訪店した場合と同じように買い物ができることが特徴。店内を回遊しながら欲しい商品を探して、気になる商品を見つけてタップすると詳細情報を確認でき、各店のオンラインショップに遷移して購入できる仕組みだ。リアルとバーチャルの長所を融合させた店舗とも言えよう。
一部の店舗では、店員とのビデオチャットによって接客を受けられるサービスも提供される。たとえば「au Style SHIBUYA MODI」では、実店舗の店員にスマホに機種選びやプラン変更を相談したりもできる。
「αU place」の利用には専用アプリが必要になる。店側はスマホで店内をスキャンするだけで、バーチャル店舗の商品展示を最新の状態にアップデートできることが利点。利用客は季節やトレンドに合わせた展示を楽しめて、最新のアイテムを購入できる。なお、店員と会話できる機能は11月以降に提供が開始される予定だ。