■シャオミのEVは2024年にもリリース予定
■社運を賭けての取り組みで店頭はEV一色になるかもしれない
シャオミなどスマートフォンショップが店を構えるショッピングモールの地上階でよく見るようになった店がある。「NIO(蔚来)」「XPeng(小鵬)」「Ideal(理想)」といった新興EVメーカーのショップだ。さらにEVの基幹部品を開発するファーウェイのショップでも同社の技術が入った「AITO」のEVが、中央に広々と展示されている。この状況を見ると、シャオミは今まさにEVを開発中とは言え、すでに出遅れ感は否めない。
シャオミは先日、スマホと家と車を繋ぐ新OS「Xiaomi HyperOS」を発表した。同社はEVを2024年にもリリース予定で、つまり大体あと1年以内に出る。その下準備を着々と進めている最中だろう。EVに各種リソースを割き、社運をかけている。リアル店舗でもオンラインショップでもEVが中央に鎮座され、IoT製品は脇においやられるか、展示されなくなるだろう。また前述のとおりに、面白いIoT製品を出すメーカーは海外に視線を向けクラウドファンディングで販売していて、その傾向は強まることだろう。
中国は風呂敷を広げるのは早いが、しまうのも早い。一度しまい始めたら、あっという間に過去の記憶のものになりかねない。スマートテレビについてはテレビ事業を携帯電話部門に統合し、エアコン、冷蔵庫、洗濯機などを事業とする大手家電部門を新設したのでそれらがなくなることない。しかしそれ以外の様々なIoT製品が見て触れるのは、あと1年もないかもしれない。小米之家でIoT機器を実際見たいのなら早いほうがいい。
山谷剛史(やまやたけし)
フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で、一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。書籍では「中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立」、「中国のITは新型コロナウイルスにどのように反撃したのか? 中国式災害対策技術読本」(星海社新書)、「中国S級B級論 発展途上と最先端が混在する国」(さくら舎)などを執筆。最新著作は「移民時代の異国飯」(星海社新書、Amazon.co.jpへのリンク)

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