シャープは10月17日から20日まで幕張メッセで開催している「CEATEC 2023」にブースを出展。カーボンニュートラルを実現するための最新製品やデジタルヘルスケアなど、幅広い展示を行なっていた。
1ヵ所で触れると押すが可能なディスプレー
同社が提案していた最新の「Click Display」は、同社調べで業界初となる静電容量タッチと高感度の圧力検知機能を併せ持つ独自の透明フレキシブルセンサーシートを用いた技術。触れるだけのタッチと、圧力をかけて押した時の2段階でディスプレーが認識し、1つのアイコンで2つの動作を持たせられる。
たとえば、物理ボタンのないタッチディスプレーのカーナビで、誤って触れて動作したら危険な操作は、圧力をかけた時に反応するようにすれば、事故などが防止に活用できるとしている。実際にデモ機を触ってみたところ、アイコンを押し込むと微振動があり、触れた時とは異なる動作をした。
フクロウを模したヒーリングファンを参考展示
同社はこれまで生物の「形状」を家電の部品に採用して性能アップを図る「ネイチャーテクノロジー」を15年取り組んできた。そんななか、初出展した「はねやすめ」は、フクロウの羽ばたきを手本に、心地よい自然の風を再現したヒーリングファン。
従来の「ネイチャーテクノロジー」と異なり、家電の部品ではなく、フクロウという生物そのものを模したユニークな形状が目を引いた。
本年度中に量産開始!?屋内光で高効率発電するデバイス
CEATEC AWARD 2022で経済産業大臣賞を受賞した屋内光発電デバイスの「LC-LH」も展示。LC-LH(Liquid and Crystal Light Harvesting) は、屋内での光発電に適した色素増感太陽電池と、同社がこれまで培ったディスプレー技術を融合させた高効率な発電デバイス。
電卓などの給電に使われるアモルファスシリコン型太陽電池の約2倍の効率で、小さな面積でも高い電力が得られるとしている。スマートフォンのようなデバイスを充電し続けるほどの発電は見込めないが、スーパーなどで商品名や製品情報を表示するデジタルタグのような小さいものなら賄える。テレビのリモコンなどであれば、電池なしで使い続けられるとしている。
さらに技術が進めば屋内光でワイヤレスマウスやキーボード、コントローラーなども給電し続けられるようになるのだろうか……。
このほかにもカラーで表示し、表示を切り替える時だけ電力を消費する電子ペーパーで電子ポスターを提案する展示や、ユーザーの睡眠に合わせて家電による最適な空間制御などを提案する睡眠環境ソリューションといった数多くの利便性や健康まで、人々の暮らしに役立つ展示が盛りだくさんの内容だった。