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サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)推進のパートナーに

世界一を目指す5つのキーテクノロジー 富士通が最新の研究成果を披露

2023年10月18日 10時30分更新

文● 大河原克行 編集● 福澤/TECH.ASCII.jp

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コンバージングテクノロジー分野の研究開発

 コンバージングテクノロジー分野での基本戦略については、社会課題解決のためのソーシャルデジタルツイン、企業活動に焦点をあてたエンタープライズメタバース、人や集団にフォーカスしたコンバージングテクノロジー基礎の3点に取り組んでいる。

コンバージングテクノロジーの研究開発戦略

 ソーシャルデジタルツインでは、行動経済学とAIを組み合わせ、実世界を高精度にデジタルツインに再現。認知心理学と実証経済学の活用で、質や効果が高い施策を実行するデジタルリハーサル技術により、社会課題の解決につなげているという。シェアドeスクーターや企業や市民の脱炭素活動推進など、現在、世界各地で10件の実証を推進しているという。

 また、エンタープライズメタバースでは、特定の業務において、もっとも効率的な仕事ができる空間を自動的に生成したり、熟練者と同じ視線や動作になるように身体を誘導したりといった技術を開発している。

ソーシャルデジタルツイン 技術・方針

 富士通 フェロー(コンバージングテクノロジー研究担当)兼コンバージングテクノロジー研究所長の増本大器氏は、「複雑な社会課題を解決するには、テクノロジーだけでなく、人文・社会科学を組み合わせる技術が必要であり、それが、Converging Technologiesの実現につながる」とし、「2030年に向けて、ソーシャルデジタルツインとエンタープライズメタバースをつないだフェデレーテッドデジタルツインの開発に取り組んでいる。これにより、社会課題解決と企業活動とを両立し、ネットポジティブを実現していく」と語った。

富士通 フェロー(コンバージングテクノロジー研究担当)兼コンバージングテクノロジー研究所長の増本大器氏

コンピューティング分野の研究開発

 コンピューティング分野での基本戦略については、富岳などで実証されている富士通が持つ世界一の大規模並列計算技術を活用したAIの進化のほか、コンピューティングにAIを加えることでの計算の高度化、複雑なコンピューティング技術をイノベーション開発者が簡単に使えるように解放する取り組みに挑んでいるという。

コンピューティングの研究開発戦略

 たとえば、従来技術では4000年かかっていた2万遺伝子間の大規模因果探索を、富岳によって1日で完了することが可能になり、肺がんの治療薬として知られる「ゲフィチニブ」の耐性獲得メカニズムの新たな仮説の抽出に貢献。また、最高精度の日本語自然言語モデルを開発し、ナレッジ活用や自動応答サービスなどに応用している例を挙げた。

コンピューティングにおける富士通の強み

 新たな取り組みでは、次世代アンモニア合成方法の開発を行なうアイスランドのAtmoniaとの共同研究により、新たな触媒材料の有力候補を発見し、ゼロエミッションの実現に貢献。また、コンピューティングと説明可能なAIを組み合わせることで、未知の遺伝子変異から病原性を推定し、データベースにはない病原性を発見することでオーダーメイド医療を実現する取り組みを紹介した。

 富士通 コンピューティング研究所長の中島耕太氏は、「富士通のコンピューティングを活用することで、世界初となる複数の遺伝子にまたがる構造異常の分析技術を新たに開発した。また、富士通では、HPCやGPU、量子といった複雑なコンピューティングから解放し、さまざまな分野の開発者が、簡単にコンピューティングを利用できるComputing Workload Brokerを提供しており、現在、CPUとGPUのハイブリッド計算技術も開発中である。さらに、富岳を活用した大規模言語モデル分散並列学習手法の開発を開始している。これは、世界的にみても有数のプレイヤーのみが活用できる膨大な計算資源であり、今後は業務特化型の生成AIを開発していくことになる」と述べた。

富士通 コンピューティング研究所長の中島耕太氏

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