Premium-Line Z790FD/D5をレビュー
Core i7-14700KFを搭載したプレミアムPC、20コア/28スレッドのパワーを見よ!
2023年10月17日 22時00分更新
高効率なエアフローを実現するためのこだわり
続いては、内部を見ていこう。サイコムはかなり組み立てにこだわっており、ほぼ最短ルートで裏配線が行われている。その結果、PCケース内に残る余分なケーブルはほとんどなく、驚くほどすっきりしている。
理論上、エアフローを妨げるケーブルが多ければ、PCケース内温度は上昇することになる。すると、CPUクーラーもビデオカードのクーラーも冷却性能が落ちてしまう。また、その落ちた冷却性能を取り戻そうとファンが高回転を始め、騒音まで大きくなってしまう。という悪循環に陥る場合がある。
もっとも、PCケース内部のスペースがここまで広ければ、多少ケーブルが露出していようと、エアフローが著しく悪化することはない。しかし、少しでもエアフローを阻害する要因は減らしておくに越したことはない。
また、表にケーブルが露出していないからと言って、裏に無理やり押し込んでいるわけではない。裏は裏でしっかりケーブルをまとめている。
これだけきちんと配線されているので、どれがどれにつながっているのかわかりやすい。あとからストレージやPCケースファンを増設したくなった時でも、迷わず作業できるだろう。
なお、PCケースファンを追加したい場合は、上部にあるファン増設用のコネクターが便利だ。マザーボードから引き回す必要がないため、ケーブル処理がラクになる。
CPU冷却の要は240mmラジエーターを採用した、Fractal Designの簡易水冷クーラー「Celsius S24」。AUTOとPWMという2つのモードで動作する。AUTOモードなら、クーラー自身でポンプとファンを制御し、最適な冷却性能になるよう調整してくれる。
PWMモードではPCから制御するので、自分でバランスを調整したいという人に向いている。好みに合わせて選ぶといいだろう。なお、デフォルトではAUTOモード設定だった。
冷却において、もう1つ重要なPCパーツがPCケースファンだ。フロントには吸気用のファンが2基、リアには排気用のファンを1基搭載している。
すべて140mmの大型ファンで、回転数は1000rpmと比較的低速なモデルだ。大きなファンはゆっくり回すことで、十分な風量を確保しながら騒音を抑えられるというメリットがある。
PCはいくら性能が高くても、騒音が大きければ使いづらい。逆に、いくら静かでも性能が犠牲になってしまっては意味がない。Premium-Line Z790FD/D5はそのバランスをうまくとっているPCと言える。