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Premium-Line Z790FD/D5をレビュー

Core i7-14700KFを搭載したプレミアムPC、20コア/28スレッドのパワーを見よ!

2023年10月17日 22時00分更新

文● 宮里圭介 編集●ジサトライッペイ/ASCII

提供: サイコム

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気になるCPU性能をPL設定別にチェック!

 さて、ここからはCore i7-14700KFの実力をチェックしていこう。その前に、試用機の電力設定がどうなっているのか、モニタリングツール「HWiNFO64 Pro」で確認してみた。「PL1 Power Limit(Static)」が長時間高負荷が続く場合の電力制限(以下、PL1)、「PL2 Power Limit(Static)」が短時間での電力制限(以下、PL2)を示す。

Core i7-14700KFを搭載したプレミアムPC、20コア/28スレッドのパワーを見よ!

PL1もPL2も「4095W」

 設定はどちらも4095Wと、事実上の無制限設定だった。UEFIの設定画面でも確認してみると「Auto」だったので、マザーボードの標準設定となっているようだ。インテルの推奨設定(PL1=125W、PL2=253W)よりも高性能になる公算が高いものの、温度がやや心配になる設定とも言える。

 では、「CINEBENCH R23」を試してみよう。こちらはCGレンダリングにかかる時間から、CPUの性能を測ってくれるベンチマークソフトだ。結果は独自スコアーの「pts」という単位で表示し、数値が高ければ高いほど高性能となる。

Core i7-14700KFを搭載したプレミアムPC、20コア/28スレッドのパワーを見よ!

CINEBENCH R23の結果(PL1=4095W、PL2=4095Wの場合)

 全コアを使うMulti Coreテストで32193pts、1コアしか使わないSingle Coreテストが2202ptsだった。参考までに過去のCore i7-13700Kのデータを探ってみると、Multi Coreテストは31000pts未満、Single Coreテストは2100pts未満という結果が多かった。

 つまり、1世代前よりもきっちり性能が向上していることがわかった。ただし、CPU温度は早々に100度に達し、サーマルスロットリング(CPUを保護するために、強制的に動作クロックが下がる状況)に入っていた。これは電力制限なしで動かすには、冷却性能が足りないことを示している。

 なお、HWiNFO64 ProでCPUの消費電力をチェックしてみると、ピークで約254W、平均で約189Wだった。過去にレビューしたPremium-Lineシリーズを振り返ってみると、その多くはPL1の設定が無制限ではなく、160Wになっていた。そこで、今回の試用機でもPL1を160Wに設定して、CINEBENCH R23を回してみることにした。

Core i7-14700KFを搭載したプレミアムPC、20コア/28スレッドのパワーを見よ!

PL1を160Wに変更して再テスト

Core i7-14700KFを搭載したプレミアムPC、20コア/28スレッドのパワーを見よ!

CINEBENCH R23の結果(PL1=160W、PL2=4095Wの場合)

 Multi Coreテストが31434pts、Single Coreテストは2196ptsと、無制限時と比べると若干下がった。しかし、CPU温度はテスト開始直後は100度まで上昇するものの、その後は89度前後で安定。CPUクーラーの冷却性能が十分間に合っている状態になっていた。

 Multi Coreテストのスコアーこそ2%ちょっと下がっているものの、CPU温度が100度から下がらないという不安定な状態から解放されているぶん、安定性の面では安心だ。もちろん、常に全コアを使う用途は限られているだろうが、配慮するに越したことはない。

 なお、今回の試用機はPL1が無制限設定だったが、実際出荷される製品版では、過去の設定と同じく160Wになっているだろう。もしなっていなければ安定性を優先し、160Wに設定を変更して使うことをオススメしたい。それでも、インテル推奨設定よりは高性能で運用できるからだ。

 なお、比較対象のデータが揃っていないためあくまで参考だが、最新版にあたる「CINEBENCH 2024」のスコアーも紹介しておこう。PL1、PL2ともに無制限(今回試した試用機の初期値)で試した結果だ。

Core i7-14700KFを搭載したプレミアムPC、20コア/28スレッドのパワーを見よ!

CINEBENCH 2024の結果

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