北九州市、ものづくり企業とスタートアップをマッチングする共創プログラム
北九州市のものづくりアイデアコンテスト「Maker‘s Project」が地元企業との共創チャレンジプログラム「Maker’s Open Innovation Trial」へリニューアル
提供: 北九州市
オープンイノベーションのトライアルで中堅・中小企業へと広げる
北九州市では、大企業だけでなく、中堅企業にも新規事業創出の動きは出ているが、協業経験の少なさから、何からオープンイノベーションをはじめたらよいか悩む、という声が多いという。「Maker’s Open Innovation Trial」では、半年間のトライアルとしてスタートアップとの共創を体験することで、スタートアップと市内企業の双方に、共創の勘どころをつかんでもらう目的がある。共創企業の役割も、従来の「Maker's Project」では、若者のアイデアに開発資金とリソースを提供する「支援」の側面が強かったが、今回は共に新規事業開発に取り組む共創のパートナーとしての立ち位置へと変わっている。
共創企業には、株式会社タカギ、株式会社ドーワテクノス、公益財団法人北九州産業学術推進機構、株式会社REIZ、松本工業株式会社、株式会社ユビキタスAI(※松本工業株式会社と株式会社ユビキタスAIは2社合同で募集)の6社が参加する。
共創企業ごとに関心のある領域やテーマが設定されているが、それに限らず、自由な発想で多彩なアイデアを提案してほしいそうだ。
渡辺氏は、「オープンイノベーションが注目されるなか、地元の中小企業の多くは物価高騰などへの対応もあってまだ新規事業開発に踏み出せていないのが現状です。このプログラムを通じて、スタートアップを縁遠いと感じていた中小企業の皆さんにも、スタートアップとの協業を通して従来のプロダクトアウト型ではない、マーケットインするような新規事業を作っていける、という意識を広げていければと思う。また、外部との協業プロジェクトという経験は人材育成にも役立つ。将来を期待する若手人材の成長の機会としてもご活用いただければ」と話す。
市内の中小企業に共創のメリットを知ってもらうため、取り組みの様子はウェブメディアなどに掲載、協業事例集の冊子を市内企業へ配布する計画だ。採択スタートアップはこうしたPRを通じて、共創先の企業だけでなく、市内のものづくり企業とつながりを持つことができる。
スタートアップ側は、企画力や開発力には強みがあるが、サプライチェーンや量産などに課題感を抱えている。北九州市の中堅・中小の製造業は、長く実業に携わってきた経験もあり、販路や量産・流通などのノウハウはある一方で、新しい企画や技術を求めており、お互いに補い合える部分が多く相性がいい。協業のノウハウが共有されれば、スタートアップと中小企業間での共創はもっと増えていくだろう。