北九州市、ものづくり企業とスタートアップをマッチングする共創プログラム
北九州市のものづくりアイデアコンテスト「Maker‘s Project」が地元企業との共創チャレンジプログラム「Maker’s Open Innovation Trial」へリニューアル
提供: 北九州市
北九州市は、オープンイノベーションの一歩手前のチャレンジプログラムとして、トライアル版の共創プログラム「Maker’s Open Innovation Trial(通称:MIT-K)」を開催。参加者を2023年10月3日まで全国から募集中だ。「Maker’s Open Innovation Trial」は、2022年まで実施していたIoT事業アイデアコンテスト「Maker’s Project」の後継としてプログラムをリニューアルし、ものづくりに興味のある学生やスタートアップと市内のものづくり企業との共創トライアルを支援するもの。
採択者には共創企業と専任のサポートチームが伴走支援し、試作品開発や旅費交通費に使える協業支援金(各社最低100万円~)が用意される。プログラムの概要と事業刷新の背景について北九州市スタートアップ推進課の渡辺泰三氏にお話を伺った。
「日本一起業家に優しいまち」を目指す北九州市では、強みである環境からロボット、DX分野を中心にテック系スタートアップのエコシステムの形成を目指し、スタートアップ支援事業として、創業期から成長段階に応じて5つのスタートアップ支援プログラムを展開している。2023年度は、創業前のチャレンジ支援プログラムとして、従来の「Maker's Project」から「Maker’s Open Innovation Trial」へと生まれ変わった。
「Maker's Project」は、2014年にビジネスコンテスト「北九州でIoT」としてスタート。市内からのハードウェアスタートアップ創出を目的として2022年度まで実施してきた。新たにスタートする「Maker’s Open Innovation Trial」は、尖ったアイデアや技術を持つスタートアップと、北九州市内のものづくり事業との共創によって新たなイノベーションを起こすことを狙うものだ。
渡辺氏はプログラム刷新の背景について、「『Maker's Project』を始めた当時は、テクノロジー系のビジネスコンテストが少なく、ハードウェアスタートアップ創出の機運を作っていくものとして面白い事業でした。今は全国的にも一定の機運が高まってきたことから、次は地元企業の生産性向上やイノベーションの創出を重視する内容にプログラムをバージョンアップした形です。共創企業側が持つハードウェアの技術とソフトウェアをつなげるサービスやソリューションもあり得ます。プロトタイプの制作だけでなく、社会実装できるサービスづくりへのトライアルとしていきたい」と説明する。
「Maker's Project」までは、採択者のアイデアを形にするために支援が中心で、大手企業が協賛金を提供し、市内から多くのスタートアップを生み出すことを意識していた。しかし、エコシステムの形成には、中堅・中小を含む地域の企業を巻き込むことが重要だ。「Maker’s Open Innovation Trial」では、スタートアップだけでなく、共創企業とお互いにイノベーションの創出を目指す。