プラグインの基本を知ろう
ChatGPTの有料プラン「ChatGPT Plus」には、「プラグイン(Plugin)」という、ChatGPTの機能を拡張するためのツールが多数用意されている。プラグインを導入することで無料版ではできなかった最新の情報へのアクセスや、サードパーティーのサービスを利用することができるようになるというのが売りだ。
プラグインの導入方法については第10回の記事を参照してほしい。
注:本記事はすべて筆者がChatGPT Plusでプロンプトを実行・検証している。
「結果はこちら(クリックで拡大表示)」のリンクをクリックすることで、すべてのプロンプトと生成されたChatGPTの回答を見ることができる。
なお、記事内で触れられていない質問や頓珍漢な回答も含まれているが、これはChatGPTとのリアルな対話記録であるため、そのあたりをお楽しみいただければと思う。
ChatGPTにSEOを手伝ってもらう
これまで「最新情報にアクセスするプラグイン」と「知識ベース情報を取得するプラグイン」を紹介してきたが、今回はChatGPT内でなんらかの処理(アクション)を実行できるプラグインを紹介する。
「アクション」といってもいろいろなものがあるが、今回は第9回で取り上げた「Code Interpretor」のように複雑なものではなく、極力簡単に試せるものをセレクトしてみた。
1. SEO.app
現在「Plugin Store」で検索すると、SEO(Search Engine Optimization)に関連するプラグインは20種近くラインナップされているが、中でも「SEO.app」は比較的よく取り上げられている。
基本的にはSEOに強い文章の生成が得意のようだが、既存サイトのSEOスコアを評価し、改善点を提案することもできるようだ。さっそく使ってみよう。
まずは以下のプロンプトで「ASCII.jp」のサイトを評価してもらうことにした。最後に「日本語で」と入れているのは、英語の回答が出力されるのを防ぐ目的であることは言うまでもないだろう。
回答はまずサイト全体の短評に続き、使用されている主なキーワードとエンティティ(検索エンジンが認識する独立した情報の単位や概念)が表示された。
ただ、「"Portable SSD with high durability"(高耐久のポータブルSSD)というキーフレーズが目立ちます」という指摘は、たまたま「ASCII.jp」のトップに該当の記事が掲載されていたからだろう。
続けて、「感情の分析」「記事の構造」「SEOのルール」といった評価が表示され、結論として「SEOの観点から見ても非常に優れています」との結果が出た。最後にメタキーワードとメタディスクリプションの候補も生成されている。ここでもポータブルSSDの記事に引っ張られている様子がうかがえる。
分析の次はメイン機能であるSEOに強い記事を書いてもらおう。
プロンプトは以下だ。さて、どの程度のものが出てくるだろうか。
SEOを意識した原稿のドラフトを作ってください
その後、原稿内でSEOを意識した部分を具体的に教えてください
無難ではあるがポイントはしっかり押さえた記事が生成された。
「SEOを意識した部分の説明」には、キーワードの配置や記事の長さなどが上げられている。もちろん生成された文章をそのまま使うわけにはいかないが、これを意識しつつドラフトを元に仕上げれば、短時間でSEOを意識した文章を生成することができそうだ。
結果はこちら(クリックで拡大表示)。
2. Bramework
SEO関連のプラグインをもう1点。「Bramework」はキーワードデータの取得、関連キーワードの特定、SEO分析の実行などができるとのことだ。
まずは「ChatGPT」というキーワードについて聞いてみよう。
「難易度」「SERP」「検索ボリューム」の3つの指標が表示され、結論として「非常に競争が激しいキーワード」であり「このキーワードで上位にランクインするのは難しいかもしれません」となった。
次に関連キーワードをリストアップしてもらおう。プロンプトは以下だ。
関連キーワードとして提示されたのは「chatgpt login」「 chatgpt app」「chatgpt 4」の3つ。これはちょっと使えないかな……。
最後に「ASCII.jp」のSEO適正を評価してもらうことにする。前回の反省を活かしトップページではなく、この連載の過去記事を提示してみた。
「SEO.app」と異なり、「良い点」と「改善点」が箇条書きで表示された。基本的ではあるが具体的なアドバイスで、初心者には十分役立ちそうだ。
以上SEO関連のプラグインを2つ紹介した。SEOのプロには物足りないだろうが、個人で運営しているサイトの分析などで気軽に利用できるだろう。
とは言え、8月30日には、グーグルが生成AIを使用した新しい検索方法「SGE(Search Generative Experience)」を発表するなど検索エンジンも大きな変化をむかえようとしている。来年にはこれまでのSEOノウハウが全く役に立たなくなるといった事態が起こったとしても不思議ではないだろう。
結果はこちら(クリックで拡大表示)。
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