2022年あたりから、PCパーツのショップ限定販売モデルが目立つようになってきました。ドスパラ限定、パソコン工房限定、ツクモ限定といったものがそれです。
このショップ限定モデルは通常モデルとなにが違うのかイマイチよくわからず、果たして買っていいものなのか悩む人がいるでしょう。結論から言うと、お買い得なので積極的に買う方向で大丈夫です。
■ベースモデルに機能を追加した付加価値モデル
たとえば、ツクモ限定販売のMSI製マザーボード「MAG B760M MASTER MAX WIFI」(発売当時3万6980円)は、全世界で販売されている「MAG B760M MORTAR WIFI」(発売当時3万5980円)をベースに付加価値を高めたモデルです。M.2スロットのヒートシンクとSATA 3.0ポート、さらにオーバークロック用回路を追加しながら、価格はわずか1000円増しというお買い得モデルです。
パソコン工房限定のMSI製マザーボード「PRO Z790-P WIFI DDR4」(実売価格3万3980円)は、ベースとなる「PRO Z790-P DDR4」(実売3万1980円)にWi-Fi 6Eを追加したモデルです。こちらもプラス2000円でWi-Fi 6Eモジュールが付いてくると考えればお買い得です(Wi-Fi 6Eモジュールを別途購入しようとすると2500~5000円かかります)。
同じくドスパラ限定のASRock製マザーボード「B760M Pro RS/D4 WiFi」(実売1万8800円)も「B760M Pro RS/D4」(実売1万6800円)にWi-Fi 6Eを追加したモデルで、こちらもプラス2000円でWi-Fi 6Eモジュールが付いてきます。
このように、ベースモデルにない機能を追加しておきながら、さほど価格を上げずに販売しているのがショップ限定モデルです。その付加価値は、だいたいのユーザーにとってありがたいものなのでお買い得といえるわけです。しかし、付加価値に魅力を感じない人にとっては、そうでない可能性も考えられます。
■ベースモデルから不要な機能を削除した廉価モデル
一方、ドスパラ限定のGIGABYTE製マザーボード「B760M DS3H DDR4」(1万2980円)は、ベースモデルの「B760M DS3H AX DDR4」(実売2万1980円)からWi-Fi 6Eを省いたモデルになります。Wi-Fi 6Eを省いただけで価格が約41%オフという驚きの値下げ率! 有線LANがあれば十分という人に向いています。
ツクモ専売の「B760 AORUS ELITE」もWi-Fi 6Eを省いただけでベースモデルから6180円安くなっています。
とにかく無駄を省きたい人、出費を抑えたい人、サブマシン用なのでシンプルな構成でいい人などは、これらの機能削減モデルを選ぶといいでしょう。
■ショップ限定カラーも!
お買い得というわけではないのですが、ショップ限定カラーというのもあります。珍しい色が好きな人にとってはショップ限定カラーを探してみると、お気に入りが見つかるかもしれません。
たとえば、Thermaltakeのタワー型Mini-ITX対応PCケース「The Tower 100」にはツクモ限定カラーのメタリックゴールドがあります。DeepcoolのミドルタワーPCケース「CH510」と「MACUBE110」、そしてCPUクーラーの「AK400」にはドスパラ限定カラーのブルーとパステルブルーがあります。
エレコムもAmazon限定カラーのマウス「エレコム “Slint”充電式Bluetoothモバイルマウス ガンメタリック」を販売しています。
■相場より少し高いのは機能追加、安いのは機能削減モデル
■どちらもベースモデルよりお買い得!
ショップ限定モデルは、ショップスタッフやユーザーの「こうであってほしい」という声を反映させた、かゆいところに手が届く仕様であることが多く、価格も良心的です。ショップの名前を前面に押し出して看板商品にしている以上、中途半端な仕様や利益重視の価格設定にはできません。したがって、ショップ限定モデルを見つけたら購入候補にしてもらって大丈夫です。
ただ、そのまま何も考えずに買ってしまうと、使わない機能が付いていたり、逆に欲しい機能が削られて使いにくかったりする可能性があります。念のため通常モデルとなにが違うのかを店員に尋ねて、自分の用途に合ったモデルかを確認してから買うようにすると完璧です。
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