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「詳細な顧客プロファイルベースで成約確率を上げていく」

Arcserve Japan、新社長の公家氏が語る「高解像度な」営業戦略とは

2023年09月07日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 バックアップソリューションベンダーのArcserve Japanは2023年9月6日、8月に同社社長に就任した公家尊裕氏が出席する事業戦略発表会を開催した。

 公家氏は、新たな事業戦略として「ハイスピード・ハイレゾリューション(高速・高解像度)」という言葉を掲げ、従来よりも細分化された企業プロファイルに基づく提案/営業活動を展開していく方針を説明した。

Arcserve Japan 職務執行者 社長の公家尊裕(こうけ たかひろ)氏

日本市場における新たな事業戦略として「ハイスピード・ハイレゾリューション」の言葉を掲げた

「高解像度の」顧客プロファイルに基づくマーケティング/営業活動を展開

 Arcserveは、中堅および中小規模の企業、さらにマネージドサービスプロバイダー(MSP)を主要顧客とするバックアップソリューションベンダーだ。現在は、オンプレミス向けソフトウェア「Arcserve UDP」、オンプレミス向けハードウェア「Arcserve Appliances」、クラウドサービス「Arcserve UDP Cloud Hybrid」、そしてオンプレミス向けのイミュータブル(書き換え不能)なストレージハードウェア「Arcserve OneXafe(ワンセーフ)」といった製品/サービスをラインアップしており、これらはシームレスに統合されている。

 ビデオメッセージで発表を行ったArcserve マーケティング担当EVP、ヴィタリ・エドレンキン氏は「Arcserveは、市場で最もトータルコストの低いユニファイドデータのレジリエンスソリューションを提供するプロバイダー」だと紹介する。

 ちなみにグローバル売上のおよそ30%は日本市場が占めている。また今年の日本の売上は、前年比30%の増加を見込んでいるという。

Arcserveの製品/サービスポートフォリオ

 日本法人の社長に就任した公家氏は、これまで20年以上にわたり、サイバーセキュリティ、デジタルマーケティング、グリーンテック、DevOpsなど幅広い企業のカントリーマネージャーを務めてきた人物だ。カントリーマネージャー職を務めるのは、Arcserveで16社目になるという。

 公家氏は、Arcserve Japanが新たな事業戦略として掲げる「ハイスピード・ハイレゾリューション」という言葉の意味を説明した。

 日本のIT業界では、顧客ターゲット企業を会社規模(SMB=中小企業とエンタープライズ)とインダストリー(業種)で区分し、それぞれのセグメントに応じた営業/マーケティング活動を展開するのが一般的だ。

従来一般的な顧客ターゲット企業の分類方法

 しかし公家氏は、SaaSやデジタルマーケティングの企業での経験から、従来型のこうした「解像度の粗い」営業活動では不十分であることを指摘する。その代わりに、Arcserve Japanとして新たに取り入れるのが「ICP戦略」だ。ICPとは「理想的な顧客プロファイル(Ideal Customer Profile)」を意味する。

 公家氏はまず、顧客プロファイルを「高解像度で」持つことの意味を説明した。

 「この図では便宜的にSmall、Medium、Enterpriseの3つの企業規模に分けているが、実際はさらに細かく分ける。業種についても、たとえば『金融』という大きなくくりではなく、メガバンク、地方銀行、信用金庫、生命保険会社、証券会社……などと細かく分ける。また売り先(セールスの相手)も、IT/セキュリティ担当者、OTの担当者、開発部門の責任者……と細かく分類する。ほかにも顧客の地域、DX Readyな会社かどうか、といった分類も可能だろう。これが『ハイレゾリューション、高解像度』の意味だ」(公家氏)

 こうして「高解像度に」プロファイリングした顧客群の中から、Arcserveにとって理想的と考えられる顧客を選び、まずはその領域に対して試験的に営業リソースを投入する。この試行がうまく行けばその領域で本格的に営業展開を行い、うまくいかなければターゲットを次の領域に移す。こうした試行と結果判断を「ハイスピードで」実行していくのが、公家氏が考えるICP戦略だという。

 「こうした詳細な顧客プロファイリングを実現するためには、人海戦術ではなく“機械化”が必要。米国ではインテントセールス、インテントマーケティングなどと呼ばれているが、背後でAIなども活用しながら、ターゲットのプロファイルの方が最も反応するマーケティングコンテンツ、事例情報、ソリューション提案などを行っていく。アカウントベースではなく、プロファイルベースで“成約のパーセンテージ”を上げていく、そういうセールス活動、マーケティング活動になる」(公家氏)

Arcserve Japanが新たに取り組む「ICP(理想的な顧客プロファイル)戦略」。顧客プロファイルを細分化することで、異なる企業規模/業種であっても同じプロファイルに当てはまるケースも出てくる

 こうしたセールス/マーケティング戦略は、国内累計10万社以上の顧客を持つArcserve Japanだからこそ実現できることだと、公家氏は強調する。「(競合他社のような)数百社、数千社というレベル(の顧客規模)では、高解像度の顧客プロファイルを作ることはできない」(公家氏)。

 日本市場におけるArcserveの「強み」をどう考えているかという質問に、公家氏は、グローバルと比較して日本の企業は「ハードウェアアプライアンス」「オンプレミス環境」を好む傾向が強いため、クラウドよりもオンプレミスのソリューションやハードウェアアプライアンスの導入比率が高いArcserveは「日本のユーザーニーズに非常にマッチしている」と答えた。

 なお前述したとおり、Arcserveにとって日本市場は売り上げのおよそ30%を占める重要市場である。公家氏は日本市場の顧客ニーズをくんで、Arcserve OneXafeのローエンド/ミッドサイズ版の開発を本社にリクエストしたことを紹介した。この製品は日本で先行発売されることになっており、「9月中には製品のスペック、価格を発表する予定」だと語った。

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