FIXER cloud.config Tech Blog
放置気味のAWSアカウントでEC2が構築できない?vCPUの利用上限が原因かも
2023年08月30日 14時45分更新
本記事はFIXERが提供する「cloud.config Tech Blog」に掲載された「放置気味のAWSアカウントでEC2が構築できない?vCPUの利用上限が原因かもを再編集したものです。
何が起こったか?
AWS CDKv2でEC2インスタンスを複数台プロビジョニングするためにcdk deployを実行しました。すると、コンソール上にこのようなエラーが表示されました。
You have requested more vCPU capacity than your current vCPU limit of 5 allows for the instance bucket that the specified instance type belongs to. Please visit http://aws.amazon.com/contact-us/ec2-request to request an adjustment to this limit. (Service: AmazonEC2; Status Code: 400; Error Code: VcpuLimitExceeded;
あなたのAWSアカウントではこのリージョン内において、合計「5vCPU」までしか利用できません。
しばらく放置されたAWSアカウントでは、「このアカウントではvCPUが含まれるサービスは利用しない」とAWSが判断し、デフォルトの5vCPUまで自動で引き下げられるようです。
Q: これらの制限は時間経過とともに変わりますか?
はい。制限は時間の経過とともに変わる可能性があります。Amazon EC2は各リージョン内で使用状況を継続的に監視しており、EC2の使用に基づいて制限が自動的に引き上げられます。
AWSのデータセンター拡張の判断基準としてこの仕様にしたのでしょうか?(個人的な見解)
vCPUクォータの確認方法
このAWSアカウントでは いくつまでのvCPUが利用できるか確認します。
【AWS マネジメント コンソール で確認する方法】
(1)Service Quotasコンソール> Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) にアクセスします。
(2)サービスクォータの検索窓にAll Standard(A, C, D, H, I, M, R, T, Z)Spot Instance Requestsと入力します。
【AWS CLIv2 で確認する方法】
(1)aws service-quotas コマンドを実行します。
(2)実行結果
現在、利用可能なvCPU数はValueプロパティに表示されます。
クォータを引き上げる手順
個人的にクォータの引き上げ作業はGUI操作で行うことを推奨します!
(1)「クォータの引き上げをリクエスト」をクリックします。
(2)「クォータ値を変更」に希望するvCPU数を入力し、「リクエスト」をクリックします。
(3)リクエストしたvCPU数の引き上げ結果メールは、2~3分後にAWSアカウントで作成したメールアドレスに送信されます。
AWS側でリクエスト値(64vCPU)が変更され、512vCPUの利用許可が承認されていました。
伝播されて利用できるまで最大30分かかるようですので、念のため待機しました。
(4)Service Quotasコンソールに戻ると、新しくクォータ値が512vCPUまで引き上げられていることが確認できました。
最後に
久しぶりにAWSアカウントを利用するときは、リソースのクォータ制限に引っかかりやすいことが判明しました。
Amazon EC2の大規模障害ではなくてホッとしました(´∇`)
村上滉樹/FIXER
株式会社FIXER|名古屋事業者所属
2020年4月 新卒入社
職業:Cloud Solution Engineer(主にインフラ)
好きなAWS/Azureサービス:AWS Fargate/App Service
最近 Kubernetes学び始めました。
この連載の記事
-
TECH
責任ある生成AI利用のための「Guardrails for Amazon Bedrock」とは ― AWS re:Invent 2023 -
TECH
同世代エンジニアに刺激を受けた!JAWS-UG「若手エンジニア応援LT会」参加レポート -
TECH
AWS CDKでGuardDutyのRDS保護を有効化しよう(として詰みかけた話) -
TECH
ノーコードで生成AI連携! SlackからAmazon Bedrockのエージェントに質問 -
TECH
Terraform:変数の値が未代入でもインタラクティブな入力を回避する方法 -
TECH
Amazon SESでEメールの送信機能/受信機能を作る手順 -
TECH
Amazon BedrockからWeb上のコンテンツを参照する新機能「Web Crawler」 -
TECH
IAMユーザーのアクセスキーを使わず「IAMロール」を使うべき理由 -
TECH
CX視点で興味深かった「AWS Summit Japan 2024」のセッション -
TECH
AWS EC2でkubeadmを用いたKubernetesクラスターを作ってみたのでメモ -
TECH
AWSアカウントのサインインに「IAM Identity Center」をお勧めする理由 - この連載の一覧へ