最新パーツ性能チェック 第421回
作業用のストレージとして装着したい
1TBモデルで1万円切りのWD Blue SN580 NVMe SSDが高コスパかどうかを実際に試した
2023年08月18日 09時00分更新
WD Blue SN580のパフォーマンスをチェック
さっそく、WD Blue SN580の1TBモデルの性能をチェクしてみた。比較対象として、従来モデルであるWD Blue SN570の1TBモデルも計測している。計測した環境は下記の通りだ。
| テスト環境 | |
|---|---|
| CPU | AMD「Ryzen 7 7700X」 |
| マザーボード | ASASRock「B650E Steel Legend WiFi」 |
| メモリー | DDR5-5600 32GB |
| グラフィック | ASRock「Radeon RX 6650 XT Steel Legend 8GB OC」 |
| ストレージ(起動) | Western Digital「WD_Black SN770」(1TB) |
| ストレージ(検証) | Western Digital「WD Blue SN580 NVMe SSD 1TB」 Western Digital「WD Blue SN570 NVMe SSD 1TB」 |
| 電源ユニット | CORSAIR「RM850 White」 |
| OS | Windows 11 64bit版 |
まずは、ストレージ性能を測る定番の「CrystalDiskMark 8.0.4」から。計測はデフォルトの状態で、設定を「NVMe」にして行なった。
結果は、シーケンシャルリードが約4194MB/秒、シーケンシャルライト4159MB/秒と公称値を上回っている。一方WD Blue SN570はシーケンシャルリードが約3561MB/秒、シーケンシャルライト3082MB/秒と、こちらも公称値を上回り、その差は約600MB/秒だ。ランダムアクセス時もWD Blue SN570を上回っており、全体的なパフォーマンスアップが確認できる。
続いて、I/Oサイズによってアクセス速度の変化が確認できる「ATTO Disk Benchmark 4.00.0f2」でも計測してみた。
結果は、I/Oサイズが512KBあたりからライトが3.85GB/秒前後で推移し、リードも512KBあたりから3.85GB/秒前後で、シーケンシャルアクセス性能が安定している。なお、CrystalDiskMarkと違い、1GB=1024MBで換算しているので、若干数値が下回って見える。
PCMark 10と3Dmarkのストレージ性能で大差
アプリ動作時の性能をチェックするPCMark 10で「PCMark 10 Full System Drive Benchmark」を実行。アプリを利用した時のストレージ評価をするもので、実際に作業する際に近いパフォーマンスが確認できる。
結果は、WD Blue SN580がスコア値で3093となり、WD Blue SN570に比べ1000以上の差を付けた。
もう1つ、3DCGの描画性能をチェックする3DMarkにある「Storage Benchmark」でも計測。ゲーム時の読み書きに特化したストレージテストを行なう。
結果は、WD Blue SN580がスコア値で3217とWD Blue SN570に800近い差を付けた。いずれの結果も、実際の作業で大きく貢献するだろうことが確認できた。
アクセス時の温度は従来モデルより上昇
最後に、アクセス時にどの程度の温度上昇が見られるのか確認した。温度の確認に使ったのは、Western Digitalが提供するツール「Western Digital Dashboard」。3秒ごとの温度推移が見られるので、CrystalDiskMarkを実行したときの温度変化を見てみた。
なお、WD Blue SN580もWD Blue SN570もヒートシンクは付いていないが、マザーボード側のヒートシンクにより冷却している。また、室温は27度でPCケースに装着した状態で計測している。
結果としては、WD Blue SN580のほうがWD Blue SN570より7度ぐらい温度が上昇することがわかった。アクセス後の温度低下もWD Blue SN570よりは鈍いものの、ゆるく低下していき、アイドル状態でだいたい47度前後。WD Blue SN570は43度前後まで下がるので、転送速度は上がったものの、そのぶん発する熱量も上がっているようだ。
サーマルスロットリングに入るまでの上昇は見られないものの、しっかり冷却できるヒートシンクの装着はほぼ必須と言える。
1TBモデルが9700円前後からという高コスパ
WD Blue SN580のパフォーマンスを検証してきたが、PCIe 4.0対応のNVMe SSDとしては正直それほど高速ではないものの、従来モデルより性能を向上させ、それでいて発売時の価格は従来モデルより安い。1TBモデルで実売価格9700円前後、2TBモデルでも2万円前後で手に入るため、かなりコスパがいいと言えよう。
ストレージ容量は、大いに越したことはないが、WD_BLACKシリーズのような転送速度が速い上位モデルだと、それなりの価格になってしまう。WD Blue SN580は、撮影した写真や動画を保存し、編集作業する際のストレージとして活用し、WD_BLACKシリーズのようなより性能が高いストレージはシステム用として利用するなど、使い分けが有効だろう。
マシンのストレージ構成を見直したい人なら、本製品を増設して作業効率アップを目指してほしい。

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