コンテンツによる成長、ライブ事業にも大規模投資
ライアン社長兼CEOは、「PS5の成長を支えたのはコンテンツの存在が大きい」と強調する。
「PS5は当社史上最高のゲームカタログとともに発売され、素晴らしいコンテンツの数々は、さらに勢いを加速している。革新的なインディーゲームからAAAタイトルの大ヒット作まで、プレイできるゲームは2500本以上にのぼっている。PS5の発売以来、多くの人が、PS5のゲームが壮大であり、クリエイティブなエンタテインメントであることを実感していると思う」として、最近では、「FINAL FANTASY XVI」や「ディアブロIV」、「STREET FIGHTER 6」などが発売になったことを紹介した。
その上で、2025年度には、PlayStation Studiosによるファーストパーティータイトルの売上げを倍増させるという計画を打ち出し、ライアン社長兼CEOは、その達成に自信をみせる。
ここではライブサービスへの投資を加速させる姿勢も打ち出しており、BungieやHaven、Firewalkといったソニーグループが買収したスタジオのノウハウを活用。さらに、大幅な投資と戦略的人材の獲得により、複数のライブサービスをリリースする予定を明らかにしている。2025年には投資の60%をライブサービスに集中させる計画だ。
周辺機器の拡充にも注力、人気IPの映画化も
また、PS5には様々な周辺機器が用意されている点もファンには魅力だ。
「DualSense ワイヤレスコントローラー」とPS5用カバーでは、幅広いカラーバリエーションを用意。個人の好みや自宅のインテリアに合ったカラーを選択できるようにし、ゲーマーの体験をカスタマイズしてきた。
「PS5はコミュニティを中心に据えて開発してきた。たとえば、DualSense ワイヤレスコントローラーは、コミュニティの声をもとに進化させ、アダプティブトリガーやハプティックフィードバックを採用した。また、『PlayStation VR2』などの新たなイノベーションも生んだ。PlayStation Studiosおよびソフトウェアメーカー各社が、これらのテクノロジーを活用して、今後も、これまでにないクリエイティブなゲーム体験を提供することを確信している」と述べる。
さらに、PS5は、PS4と比較しても、より多くのユーザーが高い頻度でゲームをプレイしていることがわかっているという。また、PlayStation PlusやPlayStation Storeの利用割合が高く、ユーザーあたりの支出がかつてないほどに高まっているという実績もある。
今後は、ゲームを起点にした映画やテレビドラマへの展開、テーマパークのアトラクションへの展開、グッズへの展開なども加速する考えであり、ソニーグループが持つコンテンツIPを活用したゲームの品揃えも強化されることになる。
ちなみに、PlayStationの人気ゲームタイルである「グランツーリスモ」がまもなく映画化される。日本でも2023年9月から上映される予定だ。
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