ロイ・リキテンスタイン2つの作品を取り込んだ
「Swatch×MoMA スペシャルエディション」を衝動買い
「Swatch Art Journey 2023」は世界中の美術館の作品とコラボしたSwatchの新商品ラインナップだ。中でも「Swatch X MoMA スペシャルエディション」はMoMA(ニューヨーク近代美術館)とSwatchとのコラボ製品だ。特に筆者が惹かれたモデルは、ポップアート界の偉大なアーティストである「ロイ・リキテンスタイン(Roy Lichtenstein)」のアートワークとコラボしたSwatchだった。
衝動買いの範疇に入るかどうか自分でも疑問だが、今回も自分に言い訳して発売前に予約購入してしまった。ロイ・リキテンスタインは1923年10月にニューヨークで生まれ、画家と大学講師のパラレルワーカーとして生計を立てていた。その後、アンディ・ウォーホール、ジャスパー・ジョーンズらと共にポップアートのムーブメントを引率した世界的なアーティストだ。
1962年に故郷ニューヨークで開催された個展は、商業的にも大成功をおさめリキテンスタインの革新的な作品は世界中に知られることとなった。コミック(漫画)の1コマを印刷インクのドットイメージや強く太い線、単純化された色彩で表現したポップアートはロイ・リキテンスタインの代名詞となった。1997年9月に亡くなるまで多くのポップアートを製作し彼の残した作品は今も世界中の美術館で展示されている。
そんなロイ・リキテンスタインの1960年代のリトグラフ作品の2つを取り込んだSwatchとMoMAとのコラボレーション腕時計が「GIRL BY ROY LICHTENSTEIN, THE WATCH」(以降、Girl)だ。ウォッチフェイスにはロイ・リキテンスタインの傑作「Girl」(女性)を再現。そしてバックカバーとベルト背面を含む裏面全体にもう一つのロイ・リキテンスタインの作品である「スプレー缶」を配置した意欲的なSwatchだ。
パッケージの表面はSwatch本体ともシンクする「Girl」の特徴的な一部分を切り取った原寸大に近い絵柄のイメージだ。表面のアートワークは「Girl」の単純化された独特のカラーリングと黒く太い輪郭線、「ベンデイドット」(カラーハーフトーン)と呼ばれるドットは1960年代のコミック誌などのチープな印刷物に採用され普及したものだ。一方、両側面はSwatch×MoMAの文字を除けばカンバスのように真っ白だ。
そしてパッケージの背面にはロイ・リキテンスタインの簡単な紹介と今回のSwatchで採用した「Girl」と「スプレー缶」の2枚の縮小されたアートワークがプリントされている。いずれも背景の白、輪郭線の黒、のこりは赤、黄色、青、そしてそれら5色のベンデイドットからなるロイ・リキテンスタインのアートワークは極めてSwatch向きだ。
パッケージを開けて「GIRL BY ROY LICHTENSTEIN, THE WATCH」を取り出すと、33×26cmのリトグラフの「Girl」が凝縮されたようなウォッチフェイス(文字盤)が登場する。もちろん柔らかいシリコン製のベルトのカラーはお約束のブルーだ。遊革(好きな位置に移動することのできるベルトループ)もブルー地にお約束のホワイトカラーで、MoMAのロゴが象徴的に記されている。

パッケージから取り出すとブルーとイエローのコントラストの素晴らしい「Swatch×MoMA スペシャルエディション」が登場する。シンプルな色使いと「ベンデイドット」(カラーハーフトーン)が最大の特徴だ
Girlの表面は、中央にウォッチフェイスであるカラフルなGirlのリトグラフが鎮座している。そして長短の時針・分針や9時位置の背景もブルーで、表面のほとんどはブルーが占めているイメージだ。一方「Girl」の背面には、びっしりと全面に「Girl」と「スプレー缶」のリトグラフが上下に分割され印刷されている。
ブルーのプラ素材の尾錠から時計ケースのバックパネルまでは、赤いベンデイドットが中心の「Girl」のリトグラフ。バンドの剣先側はブルーのベンデイドット中心の「スプレー缶」と2分割されている。腕時計背面の「Girl」と「スプレー缶」の2分割印刷をパッケージ背面の2つのリトグラフのどの部分を切り取っているのかを比べて見るのもなかなか楽しい。
興味深いのは装着時にブルーがテーマとなる表面のバンドジョイント部分に、背面のカラフルな白地にブルーや白地に赤のベンデイドット面がまったく漏れ見えないこと。もちろん背面のベンデイドット柄のジョイント部分からも、べた塗りブルーの面が回り込まず見えないように表裏とも上手くきめ細かな色分けを実現していることだ。

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