初期不良率を考えれば運が悪ければ引き当てる可能性はある
ある日、同僚のジサトライッペイに「ハッチさんが触ると、PCや電子機器がやたらと壊れませんか?」などと言われました。ハードウェア担当の編集者にとっては名誉棄損だぞ! と言ってやりたいのですが、実際に編集部では、私が借りたり買った製品の動作不良を目のあたりにし、同僚のつばさは自分のPCに触らないで欲しい、と言ってくる始末。いやいや、壊電波が出ているわけではないですからw
ただ、世の中にも自分の買った物がよく壊れる気がする、と思っている人はいるんじゃないかと思いました。実際にそんな発言をSNSで見たような気も……。PCの初期不良率は、で検索してみると2001年にMM総研が店頭販売店に調査した結果で1.69%、故障率は2.89%と公表しています。
これは、10年以上前の話ですが、どこかの店舗で取材中に初期不良率は大体2~3%くらいと聞いたことがあります。もちろん、メーカーによっても販売店によっても異なるので、一概にこの割合が正しいとは言えませんが、あくまで参考値として考えても100台中1~2台は初期不良になる訳です。
つまりは、100台買えば1~2台は初期不良に当たる可能性があります。運が悪いと引き当てることありそうではないですか。また、故障に関しては、使い方に問題がある場合は、より故障するリスクが高くなります。
たとえば、量販店や修理工場の取材で聞いた話だと、そもそも防水でない製品を風呂で使ったり、排熱部分を意図せず塞いでいたりと、自分では気づかないうちに故障しやすい状況で使っていて故障する人もいるとか。
そのため、どうも自分の買った製品が壊れやすいな、と思っている人は、一度使い方を確認したり、配置場所やたこ足配線だったりを見直してみるといいでしょう。ただ、単純に運が悪いということもなくはないかもしれませんが……。
あと、最近は物価が高いので中古やバルク品に手を出して、それが早く故障する原因ということも。もちろん、きちんと整備されたリユース品など、ある程度保証のきく製品もありますが、一度動作したというだけで店頭に並んでいる製品もあります。私もバルク品のビデオカードに手を出して、数時間で動作しなくなったこともあります。リスクが分かっていて一時しのぎでなら良いですが、新品同様に長く使う気なら避けるべきでしょう。
触る製品の数が多ければ、それだけ故障にあう確率も上がるはず
さて、私の話に戻すと、前述したのは一般の人の割合です。我々編集者は製品レビュー用に、とても多くの製品に触るので、さらに初期不良や故障率の高い製品に当たる可能性があるのではないでしょうか。
加えて、発売前の新製品は、バグを抱えたままだったり、まだドライバが不十分だったりすることもあるので、動作が不安定で起動しない、性能が十分に出ないということも重々あり得るのです。
さらに言うなら、職業柄一般的ではないソフトを入れてみたり、誰もやっていないような設定にしてみたりと、ややリスキーなことを試すので、ブルースクリーンが表示されて動かなくなるのも、一般の人より多くなるのは当たり前かもしれません。
私はかつて一時的に出版社ではなく、某社で無線LANルーターのマニュアルなどを作っていた経歴があるのですが、発売前の製品は、LEDランプの点灯の仕方がころころ変わったり、設定画面の文字化けやUIのレイアウトが崩れたり、数時間動かすと熱処理が間に合わずに落ちたりと、さまざまなトラブルがありました。
発売日は来月だよね、本当にこんな状態で発売するの? と何度思ったことか。まあ、私の所属していたメーカーが酷かったとか、ベンダーが悪かったとか、そんな理由もあるかもしれませんが、一部動作がオカシイくらいなど、あってしかるべき。
また、私はSNSであまり自分のことを語らないのですが、“人の不幸は蜜の味”とも言うので、自分の買った製品が初期不良だった、自分で手を滑らせて壊した、といった話ばかりをするので、よくモノを壊す人、という印象があるのかもしれません。
仮に私から微弱な電波が出ていて、電子機器が壊れやすいというなら、この原稿を書いているASRockのベアボーン「DeskMini」や搭載するAMD RyzenプロセッサーやマイクロンのSSD。
ここ最近ずっとプライベートで使用しているASUSのゲーミングスマホ「ROG Phone」やSteelSeriesのゲーミングマウス、ロジクールのヘッドセット、GIGABYTEのディスプレーといった私が長く使っていて、一度も動作不良を起こしていない製品は、高い安定性を持っていると言えることでしょう。(※一部メーカー様への配慮もありますが、あくまで事実です)
それでも、私が初期不良率を引き当てる割合が高い、触っているだけで故障する、という根拠のない耐久テストに挑戦したいというメーカー様がいらっしゃるなら、ぜひご連絡ください。少なくともアスキー編集部内では、高い安定性と耐久性を持った製品と認知されることでしょう。