NZXTの「H7 Flow RGB White」と「H9 Elite White」で超白いBTOPCが爆誕!
人気のNZXTケースで“白”を極めたBTOPCのコダワリを聞いた、白ケース人気は日本特有?
2023年07月28日 11時00分更新
日本市場は白色モデルが好まれる?
──NZXTにおける日本市場はどのような認識ですか?
須藤氏:今年の第一四半期、つまり1月~3月の弊社における出荷額ベースでの話になるのですが、日本市場向けは3.6%で、これは全世界で6番目の位置となります。APAC、つまりアジア太平洋地域ですと、日本市場は17~18%を占めていまして、これは中国に次ぐ2位という形になっています。市場規模としては、日本は1位のアメリカに10倍程度の差が開いているのですが、ただ4年前のデータと比較すると、日本はAPACでも4位程度でしたので、弊社にとっては近年伸びている市場という認識です。
──日本市場でNZXTの市場は増えてきているんですね。
須藤氏:マーケットシェアでみるとおおむねCPUクーラーのみでしか強い存在感を出せていないAPAC各国の中で、とくに日本市場がユニークな点は、PCケースでCPUクーラーと同等に高いシェアを持っているところです。したがって、PCケースとCPUクーラーの両輪で安定的にビジネスを伸ばしていける市場ではないかと考えています。そんな日本市場においては、H5シリーズが非常に好調です。次いでH9シリーズもランクインしてまして、比較的コンパクトかハイエンドかといった両極端なモデルが人気です。これが、アメリカやドイツですとH7シリーズが上位に食い込んできますので、日本市場はかなり独特ですね。ちなみにクーラーは、「Base 280」や「Base 240」といったハイエンドに次ぐモデルが好調です。
──そんな日本市場における“白色”モデルはどのような感触ですか。
須藤氏:たとえば、ドイツですと黒色モデルが非常に人気で、どのシリーズでも白色より黒色のほうが圧倒的にシェア率が高いです。アメリカ市場でも、H7シリーズの白色モデルが健闘しているものの、同じ傾向が見られます。ですが、日本市場になると、「H5 Flow White」が最も売れていまして、ほかにもH9 Flow Whiteや今回のH9 Elite Whiteも好調で、白色モデルの存在感が強いです。
──白色モデルが人気なのは、日本市場の特徴なんですか?
須藤氏:日本市場におけるH5シリーズの販売実績を見てみると、黒色モデルと白色モデルの比は44.9:55.1と、白色モデルが上回っています。これがH7 Flowシリーズになると42.7:57.3、H7 Eliteシリーズでは28.9:33.7で、このシリーズに関しては外部が白色で内部が黒色のモデルが37.4%ともっとも好調です。この白色と黒色のモデルが好まれるという傾向は、アメリカやドイツ、中国市場では見られないですので、日本市場はなかなかおもしろい存在です。
──面白い傾向ですね。
須藤氏:なお、白色モデルが人気なのは、H9シリーズがもっとも顕著で、黒色モデルは35.6%ですが、白色モデルは64.4%も選ばれています。ちなみにアメリカと日本では、先ほども触れましたが市場規模がまったく異なるのですが、白色モデルだけに絞るとあまり出荷数は変わりません。それでけ、日本市場では多くの方に白色モデルが好まれています。ちなみにCPUクーラーのKRAKENシリーズも、日本市場では黒色モデルが40.1%、白色モデルが59.9%と、やはり白色モデルのほうが高い人気を誇っています。
──なぜ日本市場では白色モデルに人気が集まるのでしょうか?
石渡 悠一氏(以下、石渡氏):日本だと、NZXTさんのケースデザインに白色のイメージを持つ方が多いように思われます。もう10年以上も前の話になりますが、アイボリーや黒色のケースが全盛の中、外部も内部が白色の「Phantom」シリーズが登場し、物珍しさも手伝ってかかなり好調でした。その後も「H440」や「S340」といった後継機種でも白色モデルをバリエーションとして用意し続け、しかもただ白色というわけでなく、ブラッシュアップしてきたという歴史があります。その後、「Manta」というモデルが登場し、白色でもピュアなホワイトである“マットホワイト”に注目が集まりました。Mantaはmini-ITX専用ケースでしたので、それほど広がりを見せませんでしたが、その後、「H500」や「H700」が登場し、そのデザインがヒットし、マットホワイトのカラーリングが広く受け入れられました。この経緯から、NZXTさんのケースに対するユーザーさんのイメージが定着したのではというのが、私の考えです。
中嶋氏:Phantomは懐かしいですね。私が入社する前の話になってしまいますが、弊社でも奇抜で丸い非対称のデザインが受け、かなり人気を博したそうです。日本よりもヨーロッパのほうが白色モデルの人気が高いのかなと思っていましたが、日本市場のほうが好まれるというのは、壁紙が白色の部屋が多いという点も関係しているようにも思います。
──H5、H7、H9と上位モデルになるにつれて、白色モデルが占める割合が増えていく理由はなんでしょうか?
須藤氏:YoutubeやSNSなどを見ると、ありがたいことにH9シリーズの白色モデルで組んでくださっている方が非常に多いです。そういった方は、H9シリーズのガラスによる透明感と白色による見栄えのよさを重要視してくださっているようで、そこからほかのユーザーさんにも波及していってるのではないでしょうか。
中嶋氏:白色のケースは、NZXTさん以外にもいくつかのメーカーさんが手掛けてらっしゃいますが、H9シリーズのようなサイズ感で白色にこだわったモデルはNZXTさんしかないように思います。
石渡氏:H9 Eliteに関しては、比較的高価なうえ、サイズも大きめなので、日本の住宅事情には合わないと思っていました。ですが、蓋を開けると非常に好調な売れ行きを見せました。
内部のパーツの配色もこだわった
GIGABYTE「GeForce RTX 4070 Ti AERO OC 12G」を採用
──ZEFT G43WHは御社においてどのような位置づけになりますか?
中嶋氏:H9 Elite Whiteは、結構価格が高いハイエンドケースになりますので、内部構成も必然的に高いグレードのものになります。
──ビデオカードがGeForce RTX 4090やRTX 4080ではなく、は4070Tiなんですね?
中嶋氏:ZEFT G41WHで採用しましたRTX 4070を搭載したGALAKURO「GK-RTX4070-E12GB/WHITE/TP」ですが、これが非常に好調でして、BTOでこのモデルに変更するお客様が非常に多いです。そこで、白いビデオカードのラインナップを増やそうと考え、ZEFT G43WHにも搭載していますGIGABYTEさんの「GeForce RTX 4070 Ti AERO OC 12G」を新たに手掛けることになりました。とくに大切にしたのは、H9 Elite Whiteのイメージを損なわないという点で、できる限り角張った形状ということで、このカードを選んでいます。弊社では、RTX 4070 Ti搭載モデルは非常に人気が高く、このカードにも期待をしています。
──今回、H5シリーズのモデルは用意しないのですか?
中嶋氏:NZXTさんの話では、H5シリーズは人気のようですが、弊社ではH9 Elite Whiteを中心にハイエンドモデルの需要が高いです。弊社ではCore i9などは、360mmサイズのラジエーターの簡易水冷クーラーしか組み合わせないようにしていますので、280mmのサイズまでしか搭載できないH5シリーズはどうしても選択肢から外れてしまいます。確かにH510は弊社でも好調でしたが、H5シリーズとH7シリーズの世代になると、サイズが大きくて内部もよく冷えるという理由から、H7シリーズが大きく伸びています。そういった理由から、今回はH9 Elite WhiteとH7 Flow RGB Whiteの2モデルということになりました。
白い補助電源ケーブルがない!
LIANLI「STRIMER PLUS V2」を白く光らせて代用!
──今回のモデルで苦労した点はありますか?
中嶋氏:電源ユニットは、どちらもケーブルまで白いCoolerMasterさんの「V850 GOLD-V2 WHITE EDITION」を採用しています。ただ、この電源ユニットは12VHPWRに対応しておらず、黒色の8ピン→16ピン変換コネクタを使わざるをえなくなります。そこで、ZEFT G43WHでは補助電源ケーブルにLIANLIさんの「STRIMER PLUS V2」を用いて、白色に光らせることで統一感を図っています。
──どのような方に向けたパソコンになるとお考えですか?
真重 翔氏:H9 Elite Whiteは、すごくLEDが映えるケースだなという印象です。今回のZEFT G41WHやZEFT G43WHは、ケースだけでなくパーツもでき得る限り白色モデルで揃えていますので、真っ白が好きなお客様の心に刺さるモデルだと自負しています。最近ですと、ケース内部にフィギュアなどを飾る方もいらっしゃいますが、H9 Elite WhiteやH7 Flow RGB Whiteでは、そうした内部もかなり見栄えよくライトアップすることが可能です。
H9 Elite White、H7 Flow RGB Whiteで外観にコダワリまくったBTOパソコンがほしい人は要注目!
実際にZEFT G41WHとZEFT G43WHに電源を入れてみると、かなりLEDのイルミネーションが際立つ印象だ。取材時はLEDを白色に点灯させていたが、色を変更するとさらにユニークな趣になることは間違いない。いまやゲームプレー中にPCを光らせることはめずらしくなく、より好みにライティングさせたいと考えている人にとって、これらのPCはかなり魅力的な存在ではないだろうか。
(提供:セブンアールジャパン)