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最先端 “エモ”ガジェット徹底レビュー 第4回

カセットテープ世代の全俺が泣いた 昭和風ラジカセ「SCR-B7」実機レビュー

2023年07月20日 18時00分更新

文● ジャイアン鈴木 編集●こーのス

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総合14W(7W+7W)の
2WAYステレオスピーカーは伊達じゃない!

 さて肝心の音質ですが、総合14W(7W+7W)のハイパワーデジタルアンプと12.5センチ+3センチのコーンツイーターを採用した2WAYステレオスピーカーを搭載しているだけに、音はかなりよいと感じました。今回は手持ちのカセットテープ3本で試聴してみましたが、7106円で購入した某超大手メーカーのCDラジオ(1.1W+1.1W)より断然音はよかったです。なんだかんだ、最後にはスピーカーの出力が物を言いますね。

今回視聴したカセットテープは、「Bohemian Rhapsody」、「天声ジングル」、「Guardians Of The Galaxy」の3本です

今回の3本は、ツメの内側に凹みがないので「ノーマル」テープ。そもそも「SCR-B7」は、より高性能な「ハイポジション」、「メタル」には対応していません

 なお、QUEENの「Bohemian Rhapsody」をカセットテープとMP3(160kbps)で再生し、それぞれの周波数特性を「Audio Frequency Analyzer」というスマホ用アプリで測定してみたのですが、MP3のほうが微妙に低域がよく出ているなぁというくらいで、「カセットテープって意外と音がいいんだな」という驚きのほうが大きかったです。

 ちなみに、カセットテープは映画「Bohemian Rhapsody」のアルバムに収録されていた「Bohemian Rhapsody (2011 Remaster)」、MP3はCD「Greatest Hits」に収録されていた「Bohemian Rhapsody (2011 Remaster)」を160kbpsで変換したものです。MP3はもっと高いビットレートで変換すれば音はよくなります。今回の結果はあくまでも参考に留めてください。

相対性理論の「天地創造SOS」を最大ボリュームで再生したときの音圧は実測97.4dBA。最大ボリュームにすると言い逃れできないレベルで近所迷惑になってしまう音圧ですね

「Bohemian Rhapsody」をカセットテープとMP3(160kbps)で再生したところ、MP3のほうが低域はよく出ていました。特にピアノの音には明確に違いがありました

 著作権上、音声トラックをミュートしていますが、「Bohemian Rhapsody」再生中の測定表示を比較しました。最初の「Is this~」でタイミングを合わせてYouTubeの公式動画「Queen – Bohemian Rhapsody (Official Video Remastered)」を再生すれば、それぞれの違いを細かく確認できます。ただし、再生速度が微妙に異なるのか、終盤でカセットテープのほうの波形が遅れているようです。こちらもあくまでも参考に留めてください。

 最後にUSBメモリーへのMP3録音を試してみました。MP3録音は、USBメモリーまたはmicroSDメモリーカードを装着した状態で、右側面の「PLAY /REC.」ボタンを長押しすれば、カセットテープ、ラジオ、本体内蔵マイク、AUX IN外部入力からいつでも録音可能。試しに先ほどのカセットテープやラジオ番組をMP3録音してみましたが、「SCR-B7」のスピーカーで聴いたかぎりはほぼ同じクオリティーで記録されていました。前述のとおり状態にもよりますが、カセットテープの音源のMP3化には十分利用できるはずです。

青春ラジカセ

「PLAY /REC.」ボタンを長押しすればいつでもMP3録音可能。タイマー機能がほしいところですが、シンプルなデザイン、操作性とどちらを優先させるか悩みどころですね

懐かしさに浸れるだけでなく
現代の音楽プレーヤーとしても活躍してくれる

 さて、恒例の主観的評価の出し惜しみはやめました。「エモ度」は100点満点中95点、「レトロ度」は100点満点中100点です!

 エモ度については、使い方や、聴く曲によって変わるかな。実家の押し入れから学生時代に作ったドライブデート用のテープが発掘されたら、悪い意味であまりのエモさに悶え、失神するかも。レトロ度は文句なしに満点。「SCR-B7」を箱から出して初めて見たときには、数十年ぶりに旧友と会ったような懐かしさを感じましたよ。

 ラジカセはこのあと怒濤の進化を遂げ、ダブルカセット、オートリバース、頭出し、倍速ダビングなどの便利機能が搭載されました。しかし、やはり「昭和レトロ」を代表するのは「SCR-B7」のデザインです。そして、MP3録音・再生、Bluetoothスピーカー機能も搭載されているので、懐かしさに浸れるだけでなく、現代の音楽プレーヤーとしても実用的に活用できるわけです。

学生時代に聴いた「コスモスに君と」(戸田恵子様)を「SCR-B7」から再生したら、ホントに泣いてしまいました

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この記事を書いた人──ジャイアン鈴木

 EYE-COM、TECH Win、TECH GIAN、PDA Magazine、DIGITAL CHOICE、ログイン、週刊アスキー、週アスPLUSと主にPC系メディアで勤務。2015年1月よりフリーの編集兼ライターとして活動を開始した。

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