2ヵ月連続で記録更新、上半期合計も最多に
6月の大谷選手は二刀流で記録的な活躍を見せましたが、国内のフィッシング詐欺も悪い意味で新記録を連発しています。
フィッシング対策協議会が発表した「2023年6月のフィッシング報告件数」は、前月から3万5925件増加して14万9714件。前月記録した最多報告件数をあっさり抜いて2ヵ月連続の記録更新となりました。
報告件数は今年初めから一貫して増加を続けており、そのペースも前月からの増加分と今年1月の報告件数がほぼ同じという、激しいものとなっています。
なお、これで2023年上半期の報告件数は合計53万804件となり、これまで最多だった2022年下半期の51万8750件を超えてしまいました。このままの勢いで進んだ場合、年間100万件を大きく超えることは避けられないでしょう。
フィッシングメールの誘導先にあたる「フィッシングサイト(偽のWebサイト)のURL件数」も増加して3万3420件。昨今はURLを使いまわす傾向にあるようで、増えてはいるものの、報告件数ほど極端な増加はしていません。
「フィッシング詐欺に悪用されたブランド件数」は107。詐欺では“騙しやすい企業・団体名”を騙るため、URL件数同様、派手な増減はないようです。
フィッシング詐欺のトレンドは「アフターコロナ」か
6月の“騙られた側”のトップはヤマト運輸で、報告数全体の約18.1%を占めました。また、1万件以上の報告があったのはイオンカード、Amazon、セゾンカード、ジャックスで、ヤマト運輸と合わせて全体の約60.2%に達した模様です。
前回はAmazonを騙るフィッシング詐欺の減少をお知らせしましたが、6月は旅行会社や航空会社を騙るものが目立ったとのこと。アフターコロナで活動を再開する人々の心情を狙ったものといえるでしょう。
そして企業・団体が送信するメールマガジンのリンク部分のみを偽Webサイトに差し替えたものも多数報告があったようです。
今後も怪しいメールやSMSを受け取ったら、可能ならばフィッシング対策協議会に報告すると良いでしょう。