(前編はこちらから:Radeon RX 7600とのコスパ対決はいかに?GeForce RTX 4060レビュー【前編】)
RTX 40シリーズ最安となるフルHDゲーミング向けGPU「GeForce RTX 4060」が、日本国内では2023年6月29日22時より販売解禁となる。このRTX 4060の概要は前編で解説済みだが、本稿では前編で触れられなかったゲームでの検証をお届けしたい。
検証環境 | |
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CPU | AMD「Ryzen 7 7800X3D」 (8コア/16スレッド、最大5GHz) |
CPUクーラー | ASUS「ROG RYUJIN II 360」 (簡易水冷、360mmラジエーター) |
マザーボード | ASUS「ROG STRIX X670E-F GAMING WIFI」 (AMD X670E、ATX、BIOS 1415) |
メモリー | G.SKILL「F5-6000J3038F16GX2-TZ5N」 (16GB×2、DDR5-5200動作) |
ビデオカード | NVIDIA「GeForce RTX 4060 Ti (8GB) Founders Edition」、 MSI「GeForce RTX 4060 VENTUS 2X BLACK 8G OC」 (GeForce RTX 4060、8GB GDDR6)、 ZOTAC「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3060 Twin Edge OC」 (GeForce RTX 3060、12GB GDDR6)、 NVIDIA「GeForce RTX 2060 Founders Edition」、 AMD「Radeon RX 7600リファレンスカード」 |
ストレージ | Corsair「Force Series MP600 CSSD-F1000GBMP600」 (1TB M.2 SSD、PCIe 4.0、システムドライブ用)、 Silicon Power「PCIe Gen3x4 P34A80 SP002TBP34A80M28」 (2TB M.2 SSD、PCIe 3.0、データドライブ用) |
電源ユニット | Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」 (1000W、80 PLUS PLATINUM) |
OS | Microsoft「Windows 11 Pro」(22H2) |
今回の検証では、RTX 4060がフルHDゲーミング向けという点を踏まえ、解像度はすべてフルHDのみとした。また、DLSS/FSR 2が使えるゲームでは非使用時のフレームレートに加え、DLSS/FSR 2“バランス”設定でのフレームレートも合わせて計測する。さらにDLSS FG(Frame Generation)が利用できるゲームでは、DLSSと共に有効にしている。また、フレームレート測定はすべて「FrameView」を用いて計測している。
RTX 4060ならパストレーシングでも普通に動く
後編1発目の検証は、負荷が高くDLSS FGの恩恵が大きい「Cyberpunk 2077」から始めよう。画質“レイトレーシング:ウルトラ”をベースに、DLSS/FSR 2は無効にした設定と、DLSS/ FSR 2を有効化し、RTX 40シリーズではDLSS FGも有効化した設定でも検証。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。
アップスケーラーを使わなければどのGPUも平均60fpsすら遠い状態となるが、DLSSを使い負荷を下げ、さらにDLSS FGでフレーム生成を挟むことで、RTX 40シリーズは一挙にプレイアブルなフレームレートへと変化した。さすがにRTX 4060 Ti(8GB)には負けるが、平均110fpsは十分快適。期待されるDLC「仮初めの自由」が快適に遊べるGPUを探しているのであれば、RTX 4060は良い選択と言えるだろう。
なお、ワットパフォーマンスで見ると、DLSS FGを利用することでようやく1Wあたり1fps近辺といったところ。ワットパフォーマンスに優れるRTX 40シリーズとはいえ、アップスケーラーなしだとこのクラスのGPUではフレームレートが出ないため、伸びが良くない。
しかし、フレームレートはしっかり出ているので、ここではCyberpunk 2077に実装された“真のレイトレーシングモード”と言うべき「パストレーシング」を有効化した時にどう動くかも試してみたい。画質は“レイトレーシング:ウルトラ”設定をベースにパストレーシング設定を有効化。DLSSやFSR 2も当然併用している。
さすがに旧世代GeForceやレイトレーシングが弱めなRX 7600は厳しいが、RTX 4060でも平均60fpsはどうにかクリアーした。これはひとえにDLSS FGのフレーム生成によるものだ。ゲームの状況(周囲のNPCの数など)によっては50fps台に落ちるシーンもあるが、重くて動けないということはない。パストレーシング+画質盛りまくりでナイトシティ観光をしたいと考えているなら、RTX 4060を選ぶのも手といえる。
次に検証する「Microsoft Flight Simulator」もDLSS FGに対応し、かつ効果が絶大なゲームだ。APIはDirectX 12、画質は“ULTRA”とした。アンチエイリアスはTAAの場合と、DLSS/FSR 2を利用した場合の2通りで計測する。テストはランディングチャレンジ“シドニー”を開始し、一定の区間を飛行した際のフレームレートを計測した。
GeForce勢はRTX 4060 Ti(8GB)を筆頭に、GPUパワーが下がるに従いフレームレートも低下する。最低フレームレートについてもGPUパワーと連動している。RTX 4060 Ti(8GB)からRTX 4060への減り方が激しいのは、回路規模に見合った性能低下とみることができる。
DLSS/FSR 2を有効化すると、DLSS FGが利用できるRTX 4060 Ti(8GB)とRTX 4060はフレームレートが著しく上昇。DLSS非使用時では平均60fpsも難しいRTX 4060だが、80fps以上をキープできるようになっている。
ベンチマーク計測中のTBPで注目したいのは、RTX 4060とRTX 4060 Ti(8GB)の違い。RTX 4060はDLSS FGを使うと5W下がる程度だが、RTX 4060(8GB)は18Wも下がっている。DLSSで負荷を下げて、DLSS FGでフレーム生成をしてこの結果と考えると、RTX 4060 Ti(8GB)はこの計測条件では若干GPUがヒマを持て余し始めていることを示唆している。逆にRTX 4060はまだフル回転に近い感じのようだ。
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