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富士24時間を走り切った似て非なる2台のシビック TYPE Rを徹底解説

2023年06月11日 15時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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富士スピードウェイにはマモノではなくケモノが棲んでいた

ズラリと並ぶブリヂストンのトランスポート

 レースウィークは好天に恵まれ、雨予報はナシ。ですが3月12日に発生した、ハンコックタイヤ大田工場で大規模火災により、タイヤサプライヤーがブリヂストンへと変更(ウェットタイヤはハンコック)。よくぞまぁ、短期間で大量のタイヤが用意できたなぁと感心しきり。いや、ブリヂストンがタイヤを用意できなければ、レースそのものがなかったかもしれません。大感謝です!

 テストは水曜日から行なわれていたのですが、事件は木曜日の夕方に発生しました。HRDCの柿沼さんがドライブしている時のこと。メインストレートのピット出口付近から狸が出没! 柿沼さんは避けることができず200km/hオーバーで追突してしまったのです。このケモノ騒ぎは、ほかのチームでも発生。ウサギやら猫やらで、この日だけで5件も発生しました。さらに決勝レースの夜間に3回、小動物との衝突事故が発生し、1台はマシンが炎上する騒ぎに。このケモノ騒ぎは過去の富士24時間にはなかったこと。来年への課題となりました。

エンジンの乗せ換え作業をするチームスタッフ。手前のカゴにあるのは予備のエンジン

エンジンを取り外そうとするメカニックたち

ドライバーでジャーナリストの桂さんが、自らすすんでステッカー貼り作業をお手伝い

狸と衝突して壊れたバンパーから部品を取り外し、新しいバンパーを作成するスタッフたち

 さて、狸と衝突したHRDCのマシン。フロントバンパーはもちろんのこと、その奥にあるインタークーラーも破損する大事故に。吸気系が壊れたことからエンジン内部に異物が混入してしまったかもしれないため、チームは大事をとってエンジン交換を決定。スペアのエンジンはあったのですが、現在生産が追い付かないほどのシビック TYPE Rは、一部パーツに予備がない状態であったため、栃木にある開発車両のパーツを取り外して富士に持ってくることに。結果、残念ながら予選はキャンセル。予選中、桂さんはバンパーにステッカーを貼るなど、お手伝いをされていました。

予選を走るHRCのマシン

 HRCはというと、ラップタイムが思ったより上がらない様子。それでも武藤英紀選手と伊沢拓也選手が頑張りをみせて、ST-Qクラス3番手をマーク。まずは一安心といったところです。

平和に見えた24時間レース
順調にラップを重ねる2台のシビックだが

 土曜日の午後3時に決勝レースの幕が切って落とされました。2台は順調にラップを重ねていきます。

富士24時間レースの名物、花火は19時30分ごろから打ちあがる

ナイトセッションを走るHRDCのシビック TYPE R

ダンロップコーナーを走るHRCのシビック TYPE R

GRスープラコーナーを立ち上がるHRDCのシビック TYPE R

 あっという間に陽は落ち、24時間レース名物の花火が打ちあがってナイトセッションへ。スタートから8時間が経過した夜の10時の時点で、HRDC、HRCともに順調にラップを重ねて、HRDCは220周走って総合32位(クラス5位)、HRCは209周を走って総合41番手(クラス5位)といったところ。

夜が明けて快走を続けるHRDCのシビック TYPE R

HRCのシビック TYPE Rも魔の夜を走り切った!

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