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富士24時間を走り切った似て非なる2台のシビック TYPE Rを徹底解説

2023年06月11日 15時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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チームの狙いは違えど、マシンは瓜二つ!

HRDCのレースクイーンを務める葵 成美さん

 このように、名前は似ていますが、チームの性格はまったく異なる2チーム。HRDCは和やかムードで、レースクイーンの葵 成美さんによると「私もスタッフさんをあだ名で呼んでいるんですよ。フレンドリーで明るい雰囲気のチームです」と居心地よさそう。通常レースクイーンはピットには常駐しないのですが、彼女はピットにいることが多く、スタッフと一緒に楽しいひと時を過ごされていました。

HRCのピットはGT500クラスそのもの!

 一方のHRCのピットにお邪魔すると、SUPER GTの雰囲気そのまんまで、常に張り詰めた空気が流れていました。この空気感は、ほかのワークス系、たとえばトヨタや日産(NISMO)、マツダとも違ったもので、まさにSUPER GTのGT500クラスそのもの! ちなみにレースクイーンさんはいませんでした……。

HRDCのフロントブレーキ。市販車ではブレンボのキャリパーが取り付けられているが、それをエンドレスのものへと交換。ブレーキローターもエンドレスのスリットローターだ

HRDCのリアウイング。カーボン製で角度調整が可能

HRCのフロントバンパー。夜間走行用の補助ライトの形状はHRDCとは異なるものの、フロントリップの形状はほぼ同一

HRCのフロントブレーキもエンドレスのものへと変更されていた

HRCのリアウイング。HRDCのものと酷似している

バックドアを開けたところ。ガソリン給油口の上にはカーボンプレートが置かれている

バックドアから車内を見た様子

車内の様子

ドライバーズシートはレカロのフルカーボン

 チームの雰囲気は真逆ですが、参戦する2台のマシンは、エアロパーツはおろか、エンドレスのブレーキ、BBSのホイールまで、かなり似ています。強いて言うなら夜間走行用に設けられたライトが違う程度。HRDCのマシンについては、別記事で細かく写真を撮っているので、ご覧ください(新型「シビック TYPE R」がレース初参戦! 耐久レースで2位表彰台を密着レポ)。

 HRCの内装を見せてもらうと、ステアリングホイールやモニターなどは異なりますが、ロールゲージの組み方であったり、シートをレカロのフルカーボン製を用いるのは同じような……。

HRDCのエンジン

HRCのエンジン

 HRCの方はバイオフューエルということで、エンジンルームを見せてもらったところ、エンジンカバーこそないものの、市販車とまったく同じ。ですが、目に見えない部分である燃調マップなどが異なります。

武藤英紀選手

 開幕戦でHRDCのステアリングを握った武藤英紀選手に、バイオフィーエル燃料のHRC車両について尋ねると、「ガソリンの方が上まで伸びますね。バイオフューエルは上まで伸びないけれど、トルクが太いという違いがあります」と、ディーゼルエンジンのような感じなのだそう。そして「色々な粘度のエンジンオイルを試しています」とのこと。事実かなりの数のMOTUL 300Vが持ち込まれていました。

伊沢選手(手前)

 ちなみに足回りについて伊沢選手に尋ねると「乗っていて楽しいのは市販車。このクルマは乗りやすいけれど、もう少し市販車のような刺激が欲しい」とのこと。そして最後に「なるようになりましょ」と笑いながら語りました。

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