「Cisco Live! 2023」基調講演で計画を明らかに。そのほか会議室向けの新デバイスなどを発表
シスコ、Webexを「Apple Vision Pro」で利用可能に
2023年06月08日 10時35分更新
シスコ(Cisco)は6月7日、米国ラスベガスで開催中の「Cisco Live! 2023」において、先日アップルが発表したヘッドセット「Apple Vision Pro」でWebexを提供することを明らかにした。具体的な機能や提供開始時期など詳細は明らかにしていない。
Vision ProでのWebex提供は、7日、Cisco Live!の基調講演でシスコのセキュリティ/コラボレーション事業担当EVP兼GMのジェチュ・パテル氏が明らかにした。パテル氏は「AppleのVision ProでWebex体験を実現する」と述べ、「没入体験だけでなく、それ以上のものになるだろう」と期待を語ったものの、具体的な機能、提供時期などは明らかにしなかった。
Webexはシスコが提供するビデオ会議アプリケーションだ。コロナ禍で需要が急増し、企業ユーザーを中心に使われている。
今年のCisco Live!では、ビデオ会議用の最新一体型デバイス「Room Bar Pro」を発表した。5~10人の会議室設置に適したもので、48メガピクセルのデュアルレンス(合計96メガピクセル)、3画面出力サポートなどを特徴とする。また、ビジョンAI技術により鮮明なビデオクオリティを実現する。
シスコは先に、Roomシリーズが搭載する「RoomOS」の最新機能として、特定の人のみを切り出して映す「Meeting Zones」(9月に提供予定)や「Cinematic Meeting」(12月に提供開始)も発表している。
RoomOSにおいて、シスコは競合でもあるマイクロソフトと提携し、「Microsoft Teams Rooms」の認定デバイスパートナーとなっている。今回発表したRoom Bar Proも、Cisco WebexとMicrosoft Teamsの両方で使えるようになる見込みだ。
パテル氏は「Webexはオープン」なサービスだと強調し、今後、Webexデバイスとズーム(Zoom)、グーグル、マイクロソフトなどのビデオ会議サービスとの相互運用性を高めていく方針を示した。「Microsoft Teamsは現在、Cisco Devicesでネイティブに動く」(パテル氏)。
このほかWebex関連では、コラボレーションスイート「Webex Suite」の新機能として、参加できなかった会議、チャット、音声通話などの「まとめ」を受け取る「Catch Me Up」や、音声を聞き直すことなく、会議からAIが重要なポイントを抜き出す「Intelligent meeting summaries」も発表した(12月に提供予定)。
またコンタクトセンター/顧客サポート向けソフトウェアの「Webex Contact Center」でも、顧客とのチャットのやり取りのサマリをAIが自動生成する機能などを披露した。