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NASEF JAPANの2人に、eスポーツ国際教育サミットについて聞いてきた

“eスポーツ×教育ってどうなの?”“ゲームへの依存って? ”が、わかる「eスポーツ国際教育サミット」

2023年06月19日 11時00分更新

文● 八尋 編集●ASCII

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eスポーツ部で活動すれば、長時間のゲームプレイが減る傾向にある? eスポーツをしらない親御さんに伝えたい

──どれも気になりますが、まずはeスポーツとゲーム依存症の関係について教えて下さい。

坪山氏:eスポーツ部がある学校とやりとりし、部ができたことで自宅でもゲームに熱中しすぎる生徒さんの有無を、適宜伺っています。しかし、そういった親御さんからのクレームはほぼないそうです。

──そうなんですね。理由はどのあたりにあるのでしょうか?

岡田氏:部活としてしっかりと活動の時間を決められていることもありますが、仲間とコミュニケーションをとりながら、毎回フィードバックもおこなう活動にはかなり体力を使うようで、家に帰ってもそこまでゲームをしないという生徒さんが多いそうです。しっかりと部として活動されている学校であればあるほど、チームプレイが重要だということは理解されていて、部活動中にパフォーマンスが落ちるほど個人練習をする人が少ないということもあると思います。

「暴言といった悪いコミュニケーションの部分が世間では話題になりがちですけど、一緒に目標を立てて取り組む部活動では、生徒の皆さんはそれが勝利には繋がらないと理解している場合が多いそうです。私もゲームが好きでずっとプレイしてきましたが、競技系のタイトルは、コミュニケーション能力がかなり必要で鍛えられますよね」と語る岡田氏

──確かに、仲間がいたら迷惑かけられないという思いが出てくるというのは、わかります。ただ、動画の中で、アンケート結果としてゲームやeスポーツの教育への効果にまったく期待していないという方が半分弱とまだまだ多いのも事実だと思います。これについて、今後どのように改善させていきたいですか?

eスポーツの認知・理解はまだまだ足りていないという

eスポーツの教育への効果にまったく期待していないという方も多い

坪山氏:これは確かに根強い課題だと思っています。私たちができることは継続的にeスポーツが教育として利用することができるコンテンツだということを発信していくことだと考えています。

岡田氏:まだまだeスポーツというものがどういったものかわからないという方もいらっしゃいますが、「全国高校eスポーツ選手権」「STAGE:0」といった高校生向けの大会や我々が主催している「NASEF MAJOR」で、友達と一緒に目標を掲げて練習したり、大会に出場して戦ったりする姿を見て、eスポーツの認識がガラッと変わる親御さんも多くいらっしゃいます。そういったところからでも、親御さんの持たれている悪いイメージも改善していけるかなと思っています。

さまざまな取り組みをつうじて、eスポーツを理解してもらうことが大事とのこと

──確かに、eスポーツに触れたことがある人とそうでない人では、結構認識が違うと思います。

坪山氏:そうですね。そのため、eスポーツ国際教育サミットの視聴者の方が途中で参加できるコンテンツというのも今後は行ってみたいですね。教員の方もそうですが、eスポーツに疑問をお持ちの親御さんが飛び入りで参加できるものがあれば、ちょっと面白そうですよね。皆さんがしてほしいコンテンツというのも、アンケートで募集していますので、ぜひ投稿いただきたいです。

先生同士の架け橋に
わからないことはなんでも聞いてほしい

──eスポーツ国際教育サミットとして、NASEF JAPANとして今後取り組みたいことはほかにありますか?

岡田氏:全国にNASEF JAPANに賛同いただいている加盟校が450校(取材当時)ほどあります。その中でもフェロー教員ということで昨年度は20名の先生方と密に連絡を取り合ってきました。eスポーツや我々の取り組みに対して参加したい、疑問があるといった教員の方に、フェロー教員の方を紹介して、どういった環境で実施されているのかを話していただくといったことはしたいですね。

坪山氏:実際にeスポーツ部ができて7年目くらいという教員の方もいらっしゃいます。そういった方にこれまでにぶつかった壁や課題点、魅力といった部分を伝えていただく機会も作れればいいなと思います。

──実際に取り組みをされている教員の方にお話が聞けるというのは、直接的でいいですね。

岡田氏:450校近くの学校と繋がれているというのは、我々の強みの1つだと考えています。今後はさらに学校同士が繋がり、一緒に取り組みをしていきたいと思っています。

坪山氏:eスポーツと教育を掛け合わせてみたいけど、どうしたらいいかわからない、また、親御さんで子供がeスポーツに取り組みたいと言っているけど、わからないから不安という方は、ぜひ第4回 eスポーツ国際教育サミットをご覧になって疑問点があればいつでもご相談ください。我々もどんどん知見が溜まってきていますので、そういったこともeスポーツ国際教育サミットをつうじて、皆さまに発表したいと考えています。もちろん、いいことばかりではなく、課題点や悪い部分も研究で出てくると思いますが、そういったところもどう改善できるのか、どうすれば問題ないのかということを並行して研究していくつもりです。ご期待ください。そして、悪い面を凌駕するくらいに良いところがあるということも伝えていきたいですね。より多くの学校の方々と取り組みをしていきたいです。部の創設、活動、家庭でのeスポーツに関する疑問など、お気軽にお問合せいただければと思います。

──ありがとうございました。

 eスポーツ国際教育サミットを見て感じたのは、NASEF JAPANがeスポーツを教育に導入するということをメインで実施しているわけではなく、教育をよりよいものにしていくための選択肢として、eスポーツやゲーム。デジタルコンテンツを採用しているという点だ。

 とくに今後の教育では、STEAM教育といったように、子供が自分で課題を見つけて、解決するといったことは、考え方として重要になっていくんだろうなと、社会人になって改めて感じる部分もある。

 また、これを私は今パソコンで書いているわけだが、社会人になる以前から、人並み以上にタイピングが速く、効率よく文章が作成できているのは、若いころからPCゲームに触れていて、文字入力でオンラインの人たちと文字入力でコミュニケーションをとっていたからというのもある。そういった、大人になっても役に立つスキルや考え方というのは、eスポーツに詰まっている部分でもあるなと感じる。

 eスポーツを使った教育ってどういったことをしているんだろう、STEAM教育ってどういったものなんだろう、NASEF JAPANって何をしているところなんだろう? といった疑問がある人は、ぜひeスポーツ国際教育サミットを視聴して、直接問い合わせてみてほしい。

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