ジェネレーティブAIも動画エンコードも快適!水冷ノートPCの実力をチェック
空冷と水冷ではパフォーマンスは変化する?
ではDAIV N6-I9G90BK-Aのパフォーマンスをチェックしたい。今回のパフォーマンス検証においては、水冷ユニットを使わず空冷で運用した時と、水冷ユニットのファン回転数60%と40%(それぞれ“水冷60%”“水冷40%”と表記)にした時の3通りで比較する。空冷時は水冷時よりも冷却にハンデがあるため重い処理ではパフォーマンスが落ち、水冷時はファン回転数が大きいほどパフォーマンスが向上すると考えられる。
では手始めに定番「CINEBENCH R23」から始めよう。デフォルト設定である“10分回せるだけ回してからスコアー算出”をするモードで計測している。
Core™ i9-13900HXなので空冷運用でもCPUパフォーマンスは申し分ないが、水冷にするとさらにもうひと伸び、といった感じになる。そして水冷時はファン回転数の大きい方がより高いスコアーが出るが、その差は大きいとは言えない。CINEBENCH R23では水冷にすることでDAIV N6-I9G90BK-Aのポテンシャルがより引き出せるようになるが、ファン回転数の恩恵は小さい、といったところだろうか。
ではもう少し実践的な検証として「Stable Diffusion」と「Automatic1111」を導入し画像を生成するというベンチマークを実施した。学習モデルは「v2-1_768-ema-pruned」とし、さらにcuDNN v8.6.0を導入している。またStable Diffusionの起動には“--xformers”も引数に含めた。
テストに使用したプロンプトは以下の通りだ。サンプリングステップは50、出力解像度は768×767ドットとし、映像を2枚ずつ10回出力させている。これに要した時間から、1分あたり何枚の画像を生成できるか(img/min)を算出して比較した。
こちらもCINEBENCH R23と同様に空冷が一番遅いが、水冷60%と40%の差もそれなりに大きい。
続いては動画エンコーダー「Media Encoder 2023」で試す。再生時間約3分の4K動画を「Premiere Pro 2023」上で用意し、それをMedia Encoder 2023上で1本の4K動画に書き出す時間を測定した。ビットレートはVBR 50Mbps、1パスエンコードとし、コーデックはH.265のみとした。この検証ではさらにエンコーダーにソフトウェア(CPU)とハードウェア(GPU)を指定している。
ソフトウェアは空冷だと遅くなるのはこれまでの観測結果と合致するが、ハードウェアエンコードはは水冷化するとむしろ遅くなる傾向があることに驚く。実はこれは理由があるが、これは後ほど解説するとしよう。ただハードウェアで空冷が速いといっても本体は熱を持つしファンノイズも騒々しいため、安定運用を狙うのであれば水冷ユニットの利用を強くオススメしたい。
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