X3D対応済BIOSだから新規に組む方の心強い味方
Ryzen 7 7800X3DのゲーミングPC自作におすすめな価格抑えめのX670Eマザーボード
同じTOMAHAWKのX670EとB650のCPU電源回路で何が違うかと言うと、そもそも基板自体が違うというのが大きい。AMD B650のMAG B650 TOMAHAWK WIFIは6層。もちろんサーバーグレード(IT-150GS)のものを採用し、2オンス銅箔層を挟んでいる高スペックのものだ。対してMAG X670E TOMAHAWK WIFIは8層のサーバーグレード(IT-170GR)かつ2オンス銅箔層を挟んだものを採用している。まあ、流す信号の配線数もAMD X670Eのほうが多いはずなので妥当ではあるが、そこをしっかりとよいPCBで作り込んでいると言えるだろう。
ヒートシンクはMAGシリーズのデザインを踏襲している。ブロックタイプのアルミヒートシンクで、表面はフラットでも側面には大きな彫り込みを設けて放熱面積を拡大している。コストを抑えつつ(と言ってもヒートパイプを使わない程度で大型のぶん高価なはずだ)十分な冷却性能を発揮できる最適な設計と言えるだろう。MOSFETとの接触面にも7W/mkの高性能サーマルパッドを用いている。
それではRyzen 7 7800X3Dを組み合わせた際のMOSFET温度を見てみよう。
まずはCPU負荷中心のCINEBENCH R23。今回、組み合わせた簡易水冷CPUクーラーの調子が悪く、制御を行なうUSB接続が一定周期で切断・接続を繰り返す状態で、CPU温度はあまり参考にならない点に注意いただきたい。室温は27℃だった。肝心のMOSFET温度はスタート時37.5℃で最大46.5℃。ベンチマーク負荷が抜けた後は43℃まで低下した。バラック状態かつケースファンなしでの計測だが、VRM温度の上昇はゆるやかで、負荷が抜けた後はすぐに2℃ほど下がり、あとはゆるやかに冷却されていく印象だ。通電状態のままアイドルを続けると38.5±1℃あたりに落ち着いた。この結果から、VRMの発熱もまずまず小さく(変換効率もよい)抑えられ、ヒートシンクからの放熱も信頼に足ると考えてよいだろう。
一般的なCPU負荷のPCMark 10(Standard)では、VRM温度はまず気にしなくてよい。先と同様38℃からスタートしたが、おおむね40℃未満を行き来し、最後のスコア&ログ書き出し部分で最大41℃を記録したがそれは8カウント(≒8秒)程度だ。ベンチマーク負荷が抜ければここでも20カウント程度で1℃低下した。その後は39℃付近で落ち着いている。
もうひとつドラゴンクエストX ベンチマークソフト。設定は1920×1080ドット、低品質。こちらはゲームベンチマークで主に使われるのはGPUだが、フレームレートが高い分、CPUもそれなりに負荷がかかる。こちらはスタート時39℃で1分後には40℃に達した。ただしそこからは大きな温度上昇はなく最大でも40.5℃だった。
今回、ビデオカードを用意せずRyzen 7 7800X3Dの統合GPU機能を利用しているのであまり参考にはならないが、ベンチマークスコアも提示しておこう。まあ、Ryzen 7000シリーズの統合GPU性能を使ったベンチマークというのも少なく、ただしビデオカードにトラブルが生じた際などでは使うこともあると思われる。
PCMark 10 Standardは、Overallが6827。統合GPUではとくにDigital Content Creationシナリオが6288とふるわなかったが、Essentialsが12192。Productivityが11268と十分に高いスコアを得られた。ここに現行ビデオカードが加われば、たしかに高性能ゲーミングPCになるだろう。
CINEBENCH R23はMulti Coreが17701pts、Single Coreが1787pts。これは定格での計測だ。もうひとつCPUベンチマークとしてBlender Benchmarkを計測した。こちらはmonsterが125.706839、junkshopが80.176678、classroomが60.413791だった。なお、Blender BenchmarkではMOSFETの最大温度が39.5℃までにしかならなかった。
3DMarkはFire Strikeが2317、Night Raidが11248、Wild Lifeが5155。スコアからも明らかだが統合GPUなのでゲーム向きではない。ベンチマークの所要時間が短いためあまり参考にならないが、PhysicsテストがあるFire StrikeでのVRM温度は38.5℃スタートで最大40.5℃(ただし15秒程度と短時間)。Wild Lifeに至っては最大39.5℃で温度変化は小さかった。
ドラゴンクエストX ベンチマークソフトは、フルHDで統一しつつ高品質時が7493、標準品質時が9243、低品質時が11649。高品質時でも評価は「とても快適」で、低品質なら「すごく快適」にアップした。このくらい軽いタイトルなら十分にプレイ可能だ。
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