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「GET IN THE RING OSAKA 2023 -Health Tech-」ピッチバトルレポート
ミドル級ピッチバトル決勝
ミドル級の決勝バトルにノミネートされたのは、株式会社Liquid Mineと株式会社INOPASEの2社だ。
Liquid Mineは遺伝子解析技術を用いて白血病の再発モニタリングを行う検査システムの開発を行っている。白血病は再発するリスクが高く、再発後の死亡率も非常に高い疾病であることが知られている。しかしその発見のために用いられている骨髄検査は患者・医師への負担が大きく、検査を忌避される傾向があった。
そこでLiquid Mineは遺伝子フィルタリング技術を活用し、白血病に関する遺伝子変異を短時間で検出することを可能にした。骨髄液検査に代わる検査方法として社会実装を目指している。東京大学医科学研究所と非常に強いコネクションを持ち、共同研究を行うほか4つの特許を取得した。
既に2度の出資受け入れを実現したほか、シリーズAとして400万ドルの出資受け入れを検討している。この資金を用いて海外市場の調査や非臨床試験を実施していくとしている。また、医療用デバイス向けのソフトウェア開発も行っている。
INOPASEはワイヤレス給電とクローズドループ方式を用いた植込み型神経刺激装置の開発を行っている。日本には過活動膀胱に悩む患者が1000万人以上、てんかんを患っている人が100万人以上いるとされている。これらの患者に同社開発のデバイスを適用することにより、各患者に最適の個別化治療を実現しようとしている。
3人の創業メンバーは医療業界やデバイス開発に関する深い知見を持ち、東大・東工大を含む5つの大学との連携を確立している。また、台湾やドイツの組織とも製品開発や臨床試験において協力関係にある。
2021年の創業以来、日本医療研究開発機構による2つのナショナルプロジェクトに採択されており、プロトタイプの開発やその効果について検証を行ってきた。2023年にシード資金調達も実現し、今後はデバイスの製造に向けてシリーズAで300万ドルの調達を2024年前半に実施したいとしている。
特に歴史的に高度な医療技術を取り入れてきた欧州市場に注目しており、そこでの臨床ビジネスのパートナーや投資家とのネットワークを築いていきたいと考えている。そのために、まず2028年までに欧州で製品をローンチし、続いて2030年までに日本及び米国での製品ローンチの予定となっている。
2社によるピッチの結果、INOPASEが勝者となった。審査員からは欧州にフォーカスする戦略に高い評価が与えられていたことと、製材的な市場規模に対する期待も挙げられていた。