ラジオで多言語発信、生成AI見破り、農業の病害虫対策など広がるAIソリューション

　ASCII STARTUPが2023年3月3日に赤坂インターシティコンファレンス（東京都港区）で開催した「JAPAN INNOVATION DAY 2023」。先端技術やイノベーションに関わる企業、団体が集い、80社以上のスタートアップ、テクノロジー企業の展示と1日かけて複数のセッション（トークステージ）が行われた。

　今回は、「スタートアップ ショーケース Vol.01 ～AI編～」と題したセッションの模様を紹介する。本セッションではブース出展企業の中から、AI、人工知能のプロダクト、ソリューションをもつ企業から5社が登壇して、プレゼンテーションで事業やプロダクトを披露した。

独自の方式で検索のあり方をアップデートする
株式会社エイ・オー・テクノロジーズ

株式会社エイ・オー・テクノロジーズ 代表取締役
井上克己氏

　エイ・オー・テクノロジーズが手がけるメモリズムプロセッサは、情報検索のさまざまな問題を解決するアクセラレータプロセッサだという。その中でTSPというプロセッサは全文検索用のプロセッサで、従来方式と異なり、インデックスが不要であるので検索できるまでの待ち時間が短時間で、しかも高速な全文検索を可能とする。専門性の高い人材も不要になるのでコストパフォーマンスにも優れる。

　特許情報や論文などの高機能、高精度の全文検索や、従来方式と組み合わせてSNSなどのコメント監視などに応用したり、オンプレミス運用で官公庁や医療機関などプライバシーや機密情報を扱う場面でも活用することが期待される。

機械翻訳と合成音声で多言語による情報発信を提供
横濱ベイサイドギターワークス合同会社

横濱ベイサイドギターワークス合同会社 代表社員
鶴淵忠成氏

　横濱ベイサイドギターワークス合同会社は、日本語で用意された下原稿を、複数の外国語に翻訳して合成音声で放送する「バーチャルトーキングヘッド」という、ラジオ放送向けのクラウドサービスを展開している。

　2019年の台風上陸の際、刻々と変化する状況に対して外国語での情報発信が追いつかなかった経験をきっかけに開発され、AIによる機械翻訳と音声合成によって、多言語での情報発信が提供できるようになったという。パブリッククラウドのAIサービスを活用し、安価でクオリティの高いサービスの提供を実現する。

　ユーザーインタフェースの設計に重きを置き、ユーザーが使いやすいUI/UXを目指している。これにより、「AIアナウンサー」による多言語同時翻訳放送が、ワンオペで実現できるとしている。

ユーザーに寄り添いコーチングで習慣化を支援
株式会社WizWe

株式会社WizWe 執行役員
Saasプラットフォームカンパニー CS Development部 部長
小暮正利氏

　株式会社WizWeは、3日坊主を防止する寄り添うコーチングの仕組みを提供するソリューションを提供する。定着率70%以上の実績を持ち、1名で3000名以上をケアできる仕組みで高いコストパフォーマンスを発揮するという。

　英会話などの学習や、フィットネスなどのトレーニングなど習慣化する内容は問わないのも特徴。行動定着率は8割以上に達するという。

　習慣化、定着率が高いということは、途中退会など離脱率も低いことになり、導入した企業、サービスの収益化にも貢献する。