意外に知らないM.2 SSDの規格も解説
Steam DeckにType 2230対応M.2 SSD「Micron 2400」を換装してみた
SATA接続のように配線がいらず、マザーボードに直接取り付けられるPCIe接続のM.2 SSD。速度がSATA接続の数倍~十数倍と速いため、今ではノートPCはもちろん、デスクトップPCでもメインストレージとして広く使われている。
実は、このM.2 SSDには5つのサイズ規格があるのをご存じだろうか。
最もよく使われているのは、「Type 2280」という、幅22mm×長さ80mmのもの。一般的にM.2 SSDといえばこのサイズ、というくらい広く使われているものだ。なお、名称の数字はサイズを表している。
小型モデルとしてよく使われているのが「Type 2242」。長さ42mmとかなり短くなるため、小型PCや組み込み向け、一部のノートPCなど、物理的なスペースに余裕がない機器で利用される。速度が重視されない用途が多いためか、SATA接続のモデルを見かけることも多い。
あまり見かけない規格となるのが、「Type 2260」と「Type 22110」。前者は長さ60mmで、Type 2280とType 2242の中間といったサイズだが、中途半端となるためか製品がほとんどなく、まず使われることがない。後者は長さ1100mmという大型モデルで、一般向けではほぼ見かけないが、より大容量や高性能が必要となるサーバー用途など、エンタープライズ向けで利用されている。
最後は「Type 2230」で、長さ30mmとなる最小規格。昨年からジリジリと人気を集めているポータブルゲーム機型PC「Steam Deck」で採用されていることから、知っている人もいることだろう。ただし、あまり使われるサイズではないため、一般店舗でType 2230のSSDが売られることはほとんどなかった。
Steam Deckはストレージ容量などの違いで3モデルあるが、一番上のモデルでも512GBで、多数のゲームをインストールすると容量が圧迫されてしまいがちだ。microSDスロットを活用すれば多少は緩和されるが、速度が遅いこともあって、快適かと問われたら素直に「ハイ」とは言えないだろう。
そうなれば、メインストレージとなる内蔵SSDの容量を増やすのがシンプル、かつ最適な解決方法となる。ここで問題となるのが、換装用のType 2230のSSDが入手しづらいことだ。とくに大容量モデルはほとんどなく、換装したいのにできないという状況が続いていた。
しかし今年の2月末、MicronがこのType 2230に対応したSSDとして、「Micron 2400 SSD」を発売。小型ながらもPCIe 4.0×4に対応し、最大4500MB/秒(シーケンシャルリード)という高速性と、最大2TBという大容量を実現しており、まさに待ち望んだ換装用SSDが登場したのだ。
この「Micron 2400」を使い、Steam DeckのSSD換装にチャレンジしてみよう。
なお、SSDを換装すると保証の対象外となり、事故や故障といったトラブルに関して自己責任になる。チャレンジする場合は、この点を納得してから行なってほしい。