KDDI、医療スタートアップ、初代デジタル大臣、神戸市長、浜松市長など多彩なゲスト
4年ぶりのリアルAWS Summit 基調講演は生成系AIとパブリックセクター
2023年04月21日 09時00分更新
デジタル田園都市構想のリファレンスシティに浜松市はなる
最後に登壇したのはAWSとの連携協定を結んだ浜松市の鈴木康友市長だ。
浜松市について鈴木氏は、「全国の市町村の抱える課題を凝縮した政令指定都市」と説明する。2005年に12市町村が合併してできた今の浜松市は、全国2位の広大な市域、全国1位の道路総延長というマンモス自治体だ。山、川、湖、海のすべてがあり、市域面積の半分が過疎の指定を受けているという点でも「日本を小さくしたような街」だという。鈴木氏は、「全国の市町村が抱えている課題を全部抱えているということ。浜松でデジタルが活用し、持続可能な都市モデルを確立できれば、日本全体のモデルとなる」と鈴木氏はアピールする。
浜松市は、2019年10月に都市づくり、市民サービス、自治体運営などでデジタル化をデジタルファースト宣言を行なった。また、データ連携基盤を用いたさまざまなアイデアを全国から募り、浜松で実証実験を進めるHamamatsu ORI-Projectも2020年にスタート。2021年3月にはデジタルスマートシティ構想、2022年7月にはデジタルを活用したまちづくり推進条例を制定した。
浜松市は、データ連携基盤を活用すべく、関係人口やスタートアップ、シビックテック、NPOなどさまざまなレイヤーの活性化を図っている。そのため、Code for JapanのMake Our Cityプロジェクトと連携しつつ、AWSともデジタルスマートシティにおけるエコシステム形成に関する連携協定を結んだ。昨年は、AWSとともにスタートアップの支援を強化。さらにAWS上のデータ連携基盤のSaaSとしての利用を開始し、3月にはポータルサイトも公開した。
昨年はHamamatsu Ori-Projectでのアイデアを補助金でサービス化し、さらに実装まで一気通貫で支援するスキームを構築。また、行政手続きのオンライン化、コンビニ交付などのほか、ガバメントクラウドを活用した「書かない窓口の推進」も導入し、市民の利便性の向上と業務の効率化を両立していきたいという。
浜松市は、暮らしやすさと幸福感を実感できるWell-Beingの指標を活用。健康寿命が長いという特徴を活かした「ウェルネス」、自動車産業が盛んという特徴を活かした「交通/モビリティ」、再エネ導入量が多いという「カーボンニュートラルエネルギー」、新産業の創出を推進する「スタートアップ」の4分野に注力し、シナリオを公開。つべこべ言わずにやる「やらまいか」という浜松ならではの気性を発揮し、デジタル田園都市構想のリファレンスシティになっていきたいと抱負を語った。
最後に壇上に戻った長崎氏はDXを支援するパッケージを「ITXパッケージ2023ファミリー」として新発表。クラウド移行やクラウドネイティブ化、マネージドサービスの活用、中小企業の導入などを支援する。「クラウドと人が揃ったときに初めて大きな変革が実現できる」と語る長崎氏は、人への投資をアピール。最後は「クラウドはテクノロジー。でも、クラウドはテクノロジー以上の価値をお客さまに提供できると信じています」とまとめ、4年ぶりのリアルなAWS Summitを見て、触れて、楽しんでほしいとアピールした。