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Windows Info 第374回

Windows Insider ProgramにCanaryチャンネルが追加されたことで感じるWindows 12の気配

2023年04月09日 10時00分更新

文● 塩田紳二 編集● ASCII

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Canaryチャンネルでは大きな仕様変更が入ると考えられる
これはWindows 12に向けたテスト?

 Canaryチャンネルは、ユーザーのハードウェア上での動作や性能をテレメトリ機能などで、自動で調べるのが目的と考えるのが妥当だろう。これまでもプレビュー版の役割の半分は、多様なハードウェアにおける動作を評価(試験)するためのものだった。Windows のインストールや動作、エラーなどは、「テレメトリ」と呼ばれる仕組みを使って、インターネット経由でマイクロソフトに送信される。このテレメトリを有効にすることは、プレビュー版利用の条件でもある。

 マイクロソフトがいかに巨大企業であっても、世の中すべてのPCや自作機での多様な組み合わせやアップデートシナリオの違いを評価するわけにはいかない。これをするのがプレビューの1つの役目である。これまでもプレビュー版は必ずしも安定ではないとされていたが、ユーザーに機能を評価してもらい、そのフィードバックを得るためには、少なくとも評価できる程度には安定していなければならない。それゆえ、公開前に社内での利用や評価をして、一定レベル以上のものを公開してきた。しかし、Canaryチャンネルではこの部分が簡易化される。

 Windows 12では、おそらくはハードウェア条件の変更やカーネル、ドライバなどの大きな仕様変更が入るのだと考えられる。これを事前にテストし、テレメトリを使って評価するのがCanaryチャンネルの役目である。

 Canaryチャンネルには、Devチャンネルと異なる新機能が入る可能性はあるが、プレビューではユーザー別に機能配布の有無や配布内容を変え、複数の評価を同時にするA/Bテスト的な運用がなされている。そのほか、言語が限定された形での提供もあったので、必ずしも機能を評価できるとも限らない。

 Windows 11が動作可能な最近のPCを用意する必要があり、Windows 11に適合しないPCでは問題が起きるリスクも高まる。そういうわけで、一般ユーザーがCanaryチャンネルのプレビューを入れることには大きなメリットはなく、Devチャンネルにしておいたほうが無難だろう。

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