「F1 22」でも3D V-Cacheの効果を確認
「F1 22」では画質“超低”、異方性フィルタリングは16x、アンチエイリアスは“TAA+FidelityFX”に設定。ゲーム内ベンチマーク(条件は“モナコ”+“ウエット”)再生中のフレームレートを計測した。
Ryzen 9 7950X3Dがトップ、そのすぐ下にRyzen 7 7800X3D、そしてRyzen 9 7900X3Dという着順に変わりはない。ここまで来るとRyzen 9 7900X3Dの存在がかなり微妙になるが、「ゲームとそれ以外の処理性能」のバランスをとったCPUであるとも言える。ゲーム中心で良い、という判断であればRyzen 7 7800X3Dの方が好適なのは言うまでもない。
ベンチマーク時のCPUが消費した電力を見ると、3D V-Cache搭載Ryzenではコア数が増えるほど消費電力も大きくなる。これまで観測した2本のベンチよりも綺麗に消費電力が増減している。
3D V-Cacheは効くが限定的だった「Forza Horizon 5」
「Forza Horizon 5」では画質“最低”、MSAAはx2に設定。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。
Forza Horizon 5は3D V-Cacheの効果は小さい、つまりインテル勢もフレームレートを伸ばしているゲームだ。今回の検証でもそれを再確認した訳だが、Ryzen 9 7950X3D~Ryzen 7 7800X3Dまでの平均フレームレートもほとんど差がついていない。ただ最低フレームレートに関してはRyzen 9 7900X3Dが1人負けといった状態である。
フレームレートはインテル勢も頑張っていたが、消費電力では相変わらず3D V-Cache搭載Ryzenが優秀。3D V-Cacheを持たないRyzen 7 7700Xの効率も、実はあまり良くないという印象すらある(ゲームでは3D V-Cacheの威力が強すぎる結果なのだが)。
「Cyberpunk 2077」では“ゲームから見たコア数”が重要か?
「Cyberpunk 2077」では画質“低”、FSR 2はオフに設定。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。
上位3CPUの着順はこれまでの検証と同じ。ゲームに優先的に割り当てられる(L3キャッシュの多い)コア数が少ないRyzen 9 7900X3Dが3D V-Cache勢の中では最下位、それより(ゲームから見た)コア数の多いRyzen 7 7800X3Dは2番手、コア数もクロックも高いRyzen 9 7950X3Dがトップという結果になった。
しかし最低フレームレートではRyzen 7 7800X3Dは下から2番目というやや残念な結果に終わっている。Cyberpunk 2077のCPU負荷の高さや同コア数のRyzen 7 7700Xの最低フレームレートも低いことを考えると、CPUが持つ純粋なコア数は何か重い処理が重なった時のバッファーになっていると考えられる。Ryzen 9 7900X3Dは負荷が重いシーンではRyzen 7 7800X3Dより優れていると言えるかもしれない。
消費電力の傾向はこれまでの観測結果と同じ。CPU負荷が高いせいかCore i9-13900Kの消費電力が飛び抜けて高いのが印象的だ。
フレームレートが接戦となった「HITMAN 3」
「HITMAN 3」では画質設定は全て最低、VRS(可変レートシェーディング)は“ウルトラパフォーマンス”に設定した。内蔵ベンチマークのうちCPUパフォーマンスの影響力が強い“Dartmoor”再生中のフレームレートを計測した。
Ryzen 9 7950X3Dレビュー時点よりもCore i9-13900Kがフレームレートを伸ばし、より接戦となったがRyzen 7 7800X3DはRyzen 9 7950X3Dに次ぐ2番手でフィニッシュ。Ryzen 9 7900X3DがCore i9-13900Kに抜かれるなど、ここではかなりの激戦になっている。
Core i9-13900KとRyzen 9 7950X3D (Auto)との落差に注目。Core i9-13900KはRyzen 9 7950X3Dの2倍以上の電力を消費して、なおかつフレームレートで下回っているという点は衝撃的だ。
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