東急と事業共創グランプリはクラダシ 5万品以上のフードロス削減
「東急アライアンスプラットフォーム 2022 Demo Day」レポート
NFTで新たな顧客体験を創出するSUSHI TOP MARKETING株式会社がSOIL賞を受賞
SUSHI TOP MARKETINGと東急電鉄はNFTを活用した新しい顧客体験の創出に取り組む。
東京電鉄の荒居氏は「SUSHI TOP MARKETINGのNFT配布ソリューションを活用し、NFTになじみのないお客様にもアカウントレスで手軽に簡単に受け取っていただき、お客様に新たな体験価値を提供していきたい」と述べた。
SUSHI TOP MARKETINGはNFTを活用するマーケティングに特化したスタートアップだ。独自技術のブラウザウォレットを用いればアプリやアカウントなしで手軽にNFTを受け取れる。
NFT業界では、スターバックスや資生堂イギリス支社などがNFTを活用したロイヤリティマーケティングを実施し、グローバルで注目を集めているという。
共創の背景には、東急電鉄が鉄道ファンに提供できる付加価値がポイントやクーポンなどに限られている課題がある。SUSHI TOP MARKETINGはオリジナルNFTの配布により、顧客と双方向のコミュニケーションを取れる手段を増やすことを目指す。
3月18日の新横浜線開業では、東横線9000系の復刻版NFTや、東急新横浜線開業記念電車カードNFTなど、4種類のNFTをリアルとオンラインで配布。利用客とのコミュニケーションを活性化した。
また、利用者が継続的に楽しめる仕掛けとして、NFT保有者が特設サイトにアクセスすると、3Dの東横線9000系を操作できたり、開業のアナウンスを聞けたりする特典も用意した。
今後はNFT保有者のウォレット情報をもとにしたマーケティング施策や、NFTと東急グループが所有するリアルアセットを掛け合わせたスタンプラリーイベントなども実施していく。
リアル謎解きで移動需要や沿線の消費拡大を目指すAXELL株式会社がSOIL賞を受賞
AXELLと東急はリアル謎解きを活用した移動需要の創出や、東急沿線における消費の活性化などに取り組む。
東急の溝渕氏は「2022年度の東急100周年イヤーでは、謎解きをフックに東急沿線の回遊を促進した。東急の歴史や町の新しい魅力を感じていただける企画や、アプリを通じた移動データ、謎解きをフックとした会員化の可能性など、新たな競争も見据えていきたい」と述べた。
AXELLはリアル謎解きブランド「TRIAD(トライアド)」を通じて、企業研修や地方創生などに取り組むスタートアップだ。
「TRIAD」は参加者が物語の主人公になり、謎を解き明かしていく体験型エンターテインメントだ。ARとIoTを掛け合わせた最新の謎解き(特許取得済み)であることや、レベニューシェアで導入ハードルが低いなどの特徴がある。
東急グループ100周年記念で開催された謎解きでは移動需要の創出に成功。東急沿線内外から利用者が訪れ、謎解きを通して東急グループ発展の歴史に触れてもらうことで、東急グループの魅力を伝えた。
今後はリアルとデジタルの融合によるさらなる顧客体験価値の提供を目指す。まずは謎解きによりサービス会員を獲得する。次にデジタル乗車券と連携し、ユーザーにひもづくエリアのイベント情報を発信することで周遊を促進する。さらに顧客データを活用し、ユーザーごとに最適なサービスを提案することでエリア内消費の最大化を目指す。
「励まし合いながら前に進めていきたい」――東急株式会社 取締役社長 髙橋和夫氏
「東急アライアンスプラットフォーム 2022 Demo Day」は東急株式会社取締役社長 髙橋和夫氏の総評で締めくくられた。
各社のピッチを受け、髙橋氏は「デジタルやAIが主流になる時代。これからのビジネスはリアルとオンラインの融合により幅を出していくことが重要となる。デジタル領域は失敗が当たり前であるため、励まし合いながら前に進めていきたい」と語った。