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サイドパネルやフィルターの取り外しも簡単、メンテナンス性も向上

モダン設計で渋い、カッコいい! 機構も進化したLEVEL∞ミニタワーPCをじっくり見る

2023年04月20日 11時00分更新

文● 勝田有一朗 編集●八尋/ASCII

提供: ユニットコム

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長く付き合える! アッパーミドルで高性能な第13世代Coreプロセッサー

CPU-Z(左)とGPU-Z(右)の実行結果

 LEVEL-M77M-137-SAXに搭載されているCore i7-13700は、インテル第13世代Coreプロセッサーの、オーバークロック非対応メインストリーム向けモデルの中で、最上位の次に位置するアッパーミドルクラスのCPUだ。性能重視のPコアが8基、効率重視のEコアが8基搭載された計16コア/24スレッドのハイブリッドアーキテクチャーCPUで、最大ブースト時の動作クロックは5.2GHz。

 CPUコア数の多いCore i7-13700はマルチタスク処理に強く、ゲームしながらの実況配信や、画像/動画編集といったクリエイティブ用途でも活躍するだろう。昨今はゲームのマルチスレッド最適化もより進んでおり、多コアの恩恵は今後益々増えていくと考えられる。これからも長く第一線CPUとして付き合っていけるはずだ。

 システムメモリーは16GB(DDR5-4800 8GB×2)を標準搭載する。一般的なゲームプレイには必要十分なメモリー容量だ。ただし動画編集などのクリエイティブ用途だったり、ゲーム実況配信のようにゲーム+αのタスクを実行したりする場合は少々心許ない部分が出てくるかもしれない。

 LEVEL-M77M-137-SAXはメモリースロットが2基タイプなので、メモリー増設は全モジュール交換での対応となる。クリエイティブ用途も視野に入れているのであれば、注文時のカスタマイズで最初から32GB以上に変更しておくのもいいだろう。また昨今メモリー価格は下落傾向なので、16GBでしばらく様子見してみるのもありだと思われる。

 ゲーミングパソコンの最重要パーツといっても過言ではないGPUには、RTX 3060 Tiが採用されていた。RTX 30シリーズは1世代前のGPUだが、現在NVIDIAはRTX 40シリーズとRTX 30シリーズの併売で全体のモデルラインナップをそろえているので、RTX 3060 Tiは現行ミドルレンジに位置するモデルとなる。

 ビデオメモリーはGDDR6 8GBを搭載し、フルHDからWQHD解像度をメインターゲットとしている。1世代前のGPUではあるものの、最新ゲームも十分滑らかに動作し、人気FPS/TPSタイトルを高フレームレートでプレイできる性能を持ったGPUだ。

 では、これらのCPUとGPUを搭載するLEVEL-M77M-137-SAXの基礎性能を、いくつかの定番ベンチマークで測っていこう。

 まずは3DCGのレンダリング速度でCPUのマルチスレッド/シングルスレッド性能を計測する「CINEBENCH R23」の計測結果から。

CINEBENCH R23実行結果

 結果はマルチコアが17999pts、シングルコアが2030pts。シングルコアの2000pts越えはかなりの高スコアーで、シングルスレッド性能向上を謳った第13世代Coreプロセッサーの特徴がよく表れている。

 一方のマルチコアに関しても、前世代の同ランクモデル「Core i7-12700」の約15000ptsを大きく上回っている。ただ実はこれでもLEVEL-M77M-137-SAXはCore i7-13700の性能を緩めたセッティングで運用している。

 LEVEL-M77M-137-SAXでは、CPUの電力設定がMTP 135W/PBP 65Wとなっているのだが、Core i7-13700の定格は本来MTP 219W/PBP 65Wのはずなので、MTPにかなり余裕を持たせている格好だ。数十秒しか持続しないMTPの電力を盛ってもパフォーマンスに大きな差は出ないため、温度抑制や静音性に重きを置くというスタンスなのだろう。

 このようにCPUの電力設定が抑え気味なところに加えて、今回の試用機は水冷CPUクーラーを搭載していたので、ベンチマーク中のCPU温度もMTP動作時で最大56度、PBP移行後は45度前後で推移と、かなり低い温度に抑えられていた(室温18度)。CPUの発熱でどうのこうのという事態とは無縁のゲーミングパソコンといえるだろう。

 次は、ゲーム以外のさまざまなジャンルの実アプリケーションと同様の負荷をかけてパソコン全体の性能を測る「PCMark 10」(Ver.2.1.2597)をチェックした。結果は以下のとおり。

PCMark 10実行結果

 総合スコアーは8486。その内訳は、アプリ起動速度、ビデオ会議、Webブラウジングの性能を測る「Essentials」が11315、表計算や文書作成のオフィスソフト性能を測る「Productivity」が11584、写真編集や動画編集、3DCG製作などのクリエイティブ性能を測る「Digital Content Creation(DCC)」が12651という結果になった。

 Essentials、Productivity、DCC、3つの項目がすべてて10000の大台を超えているということは、ゲーム以外の用途についても、あらゆる作業を快適にこなす性能を持っているということを表している。

 続いて、ゲーム向けの3Dグラフィックス性能を測るベンチマーク「3DMark」(Ver.2.25.8056)を計測した。

3DMarkのスコアー

 DirectX 11のテスト「Fire Strike」は、フルHD(1920×1080ドット)のFire Strikeが27297、4K(3840×2160ドット)のFire Strike Ultraが7328。DirectX 12のテスト「Time Spy」は、WQHD(2560×1440ドット)のTime Spyが11647、4KのTime Spy Extremeが5658となった。Direct X Raytracing(DXR)のテスト「Port Royal」は6821、DirectX 12 Ultimateに特化した性能テスト「Speed Way」は2821というスコアーだった。

 RTX 3060 Tiは、フルHD~WQHDをターゲットとしたGPUなので、それに則した結果が出たといえるだろう。ベンチマーク中のフレームレートを確認すると、Fire Strikeが約120~140fps、Time Spyが約60~75fps出ているのに対し、それぞれの4Kバージョンのベンチマークはいずれも約30fps前後で、フレームレートがあまり伸びていなかった。

 軽めのゲームならフルHDの高リフレッシュレートゲーミングディスプレーと相性がよく、リッチグラフィックスの3DアクションゲームならWQHDの60fpsプレイがぴったりといった傾向が見えてくる。

 最後の基礎ベンチマークは「CrystalDiskMark 8.0.4」でストレージの転送速度を計測する。事前に「CrystalDiskInfo 8.12.7」にて内蔵ストレージのモデルを確認したところ、試用機には「Intel SSD 670p Series」が搭載されていた。3D QLC NANDを採用する容量500GBのPCI Express Gen3接続M.2 NVMe SSDだ。

CrystalDiskMark 8.0.4の結果

 結果はシーケンシャルリード3029MB/s、シーケンシャルライト1669MB/s。PCI Express Gen3接続のM.2 NVMe SSDとしてはライト性能が少し遅いものの、リード性能は高速な部類で、ゲームの読み込みなどでもストレスなくスムーズに動作していた。

 標準の500GBという容量に関してはゲーミングパソコンとして必要最低限で、余裕はあまりないといわざるをえない。LEVEL-M77M-137-SAXには空きのM.2スロットが1基残っているが、わりと早々に追加SSD購入の必要性に迫られるのではないだろうか。

 もし増設作業が面倒と感じるのであれば、注文時のカスタマイズで1TB以上のSSDへ変更しておくのもオススメだ。

 またLEVEL-M77M-137-SAXはPCケース内部に3.5インチ/2.5インチ兼用×2と、2.5インチ×2のストレージ拡張ベイが設けられており、HDDやSSDの追加増設が可能だ。動画編集などをやりたくなった場合も、状況に応じて簡単にストレージを増設していけるだろう。

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