PR TIMES、ソフトウェア開発企業を子会社化 企業のDX、受託開発までを支援
株式会社PR TIMESは2023年3月28日、INCLUSIVE株式会社から株式会社グルコースの全株式を取得して完全子会社化することを発表した。3月31日に予定する株式取得後、グルコースはPR TIMESの100%子会社となる。
グルコースは、Webやソーシャルメディア、モバイルアプリに関するソリューションの提供とプロトタイプ構築による開発支援、最新技術を取り入れたWebサービスのリニューアルや成長支援を手がけている。
PR TIMESグループでは今回の株式取得を機に、グルコースのプロトタイプ構築やサービス開発力と、PR TIMESが持つプレスリリース配信サービス「PR TIMES」やニュースメディア「BRIDGE」などの顧客基盤とネットワークを掛け合わせ、顧客の新規事業におけるプロダクト開発からPRまでトータルな支援を目指す。グルコースはAI活用研究を強化し、PR TIMESに蓄積されたデータを背景とした言語モデルの構築と、サービスへ適用を目標に検証を進めるという。
企業の課題解決に、受託開発で新規プロダクト開発を支援
今回のM&Aにより、PR TIMESは各サービスを利用する顧客企業に対して新規プロダクト開発を受託することで、PRまで一気通貫で支援が可能になった。3月28日にPR TIMES社で開かれた記者会見では、今回のM&Aの親和性の高さが説明された。背景には各企業の最新技術へのニーズが強いことをあげた。PR TIMESで配信されているリリースではメタバース、WEB3、ジェネレーティブAIといったキーワードが並び注目されるものはるが、多くの企業にとっては遠いものとされ、また技術力、エンジニアの不足がある。
その中でも地域企業などの最新技術の開発着手は難しいものの新規事業への高いニーズやスタートアップ企業では開発リソースの不足、行動する、挑戦者の想いをカタチにしたいとしたいと受託開発に乗り出し、今回のソフトウェア開発企業グルコースの子会社化の理由と説明した。株式会社PR TIMESの山口拓己代表取締役社長は会見で「システム開発を受託することを考えたことは1ミリもなかったが、行動者の想いをカタチにするという新たなミッションが発見できたのはよかった」と語った。
同時にPR TIMESが運営するSaaSの「Jooto」や「Tayori」といった複数のWebサービスの開発を外部委託からグループ内製化へと徐々に転換させ、開発実装のクオリティーとスピード向上を目指す。
また、PR TIMESとグルコースで双方向の出向を制度化し、グループ内の人的交流を促す。自社プロダクト開発と受託システム開発というエンジニアのキャリアの志向性変化による離職を防ぐとともに、相互の知識や技術が交換されることでイノベーションの機会が生まれることを期待しているという。