スマートフォンの海外のお供として、日本では空港などでモバイルルーターレンタルサービスが流行っていますが、海外用としてグローバルデータパッケージなどが利用できる購入型のモバイルルーターも存在します。2023年3月上旬、MWC Barcelona 2023の取材を終えた後、スイス・チューリッヒの空港へ立ち寄ったところ、全世界に対応したモバイルルーターの専門店を見つけました。
お店の名前はTravelWiFiで、自社ブランドでグローバル対応の各種モバイルルーターやプリペイドSIMを販売しています。一部の国ではAmazonでも購入が可能。世界各国向けに様々なデータプランが提供されており、海外旅行や出張に頻繁に行く人に便利な製品になっています。
日本人なら今ではahamoが海外でそのまま使えたりするのでそれほど必要性はないかもしれませんが、普段はMVNO契約でよく海外に行くなんて人や、楽天に加入しているけど海外2GBでは足りないなんて人は、検討するのもいいかもしれません。
この手の製品は日本でも様々な製品が販売されているので、気になったものを紹介します。まずは「Sapphire Power」。モバイルバッテリーが内蔵されたモバイルルーターで、最大10台のデバイスを4Gで接続可能。SIMカードスロットも1つ搭載しているので手持ちのSIMを入れて使えます。
バッテリー容量は7000mAh。本体背面にLightning、USB Type-C、microUSBの3つのケーブルが収納されているので、ケーブルを忘れてもスマートフォンの充電が可能です。価格は179ドル(約2万4000円)で、3GBのグローバルデータが付属します。
「Sapphire 5G」はその名の通り5G通信にも対応したモバイルルーター。こちらも10台のデバイスを5G回線に接続可能で、別途SIMカードスロットもあります。価格は399ドル(約5万4000円)と高くなりますが5GBのグローバルデータが付属します。
そして意外と使えそうな製品がタブレットにモバイルルーター機能を内蔵したタブレット「Sapphire Tablet」。OSはAndroid 11。チップセットはSnapdragon 662、メモリー8GB、ストレージ64GB。ディスプレーは10.1型(1920×1200ドット)、バッテリーは5000mAhで最大15時間の使用が可能です。価格は299ドル(約4万円)。
カメラは使うことはないでしょうが背面が800万画素、フロントが200万画素。本体サイズは245×168× 10mm、570g。このまま全世界で使えるタブレットとして使用してもいいですし、最大5台までの端末を接続することも可能です。単体でもSNSやYouTubeを見られるというのは便利かもしれません。
本体下部には謎の端子があり、キーボードがつながる設計なのかもしれません。現時点ではキーボードの別売はなく、ソフトカバーしか販売されていませんが、ちょっと気になります。
海外でのデータ料金はモバイルアプリ経由でしか見れないようで、代表例として日本が7日間定額で27ドル(約3600円)、ポーランドが1日4ドル(約530円)など。
なお、店内にはグローバルeSIM購入用のQRコードも掲示されていました。eSIM対応のスマートフォンなら、もはやプリペイドSIMを買ったり、モバイルルーターも不要になります。eSIMもモバイルルーターと料金は同じようで、ユースケースに応じてハードを買うかeSIMを選べるようにしているのは正しいやり方でしょう。今後は各国の空港に到着すると、壁面にQRコードが印刷されていて現地のeSIMをその場で安く買える、なんて時代になりそうです。
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