もちろんGeForce RTX 4090も入ってます

ASUS「ROG Zephyrus Duo 16」実機レビュー = Ryzen 9 7945HXで爆速2画面ゲーマーPCだ!

文●写真 ジャイアン鈴木 編集● ASCII

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 ASUSが春モデル最高峰のマシンとして投入したのが「ROG Zephyrus Duo 16 (GX650PY)」だ。エンジンには最新世代&最上位の16コア32スレッド、最高5.4GHz動作CPU「AMD Ryzen 9 7945HX」と、dGPU「NVIDIA GeForce RTX 4090 Laptop GPU」を採用している。

 さらに、リフレッシュレート240Hzで、mini LEDバックライトを採用した16型メインディスプレーと、14型のセカンドディスプレーを搭載で、現状考えうる最高スペックをつぎ込んだゲーミングノートPCに仕上げられている。

 最高スペックのマシンを欲しているのなら、迷いようもないほどの1台なのだ。

ASUS JAPAN「ROG Zephyrus Duo 16」65万9000円

CPUとGPUは最高クラス
Dolby Vision&Atmos対応でAV機能も万全だ

 「ROG Zephyrus Duo 16」に用意されているのは1モデルのみ。OSは「Windows 11 Home 64ビット」、CPUは「AMD Ryzen 9 7945HX」(16コア32スレッド、最大5.4GHz、TDP55W、5nmプロセス)、ディスクリートGPUは「NVIDIA GeForce RTX 4090 Laptop GPU」を採用。

 メモリーは32GB(16GB×2、SODIMMスロット×2、最大64GB)、ストレージは2TB(PCIe Gen4 x4接続SSD)を搭載している。

 ディスプレーは、メインに16型TFTカラー液晶で2560×1600ドット、16:10、240Hz、1200cd/m²、1024ディミングゾーンmini LED、Pantone認証、Dolby Vision対応、タッチ非対応。

 セカンドに14型TFTカラー液晶で3840×1100ドット、60Hz、タッチ対応、ペン対応を搭載。

 メインディスプレー上部には207万画素赤外線(IR)カメラと3Dアレイマイクが内蔵されている。スピーカーは2W×6基構成で、Dolby Atmosに対応している。

 インターフェースは、USB 3.2 Gen2 Type-C(データ転送、映像出力、給電対応)、USB 3.2 Gen2 Type-C(データ転送、映像出力、給電非対応)、USB 3.2 Gen2 Type-A×2、HDMI 2.1、有線LAN(2.5GBASE-T)、microSDカード、コンボジャックを装備。ワイヤレス通信はWi-Fi 6E(11ax)とBluetooth 5.1をサポートしている。

 キーボードは82キーの英語配列で、オールキーRGBイルミネート仕様。タッチパッドにはテンキー用LEDが浮かび上がるASUS独自の「NumberPad」を採用している。

 本体サイズは355×265.9×30mm、重量は約2.69kg。90Whのリチウムポリマーバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間は約4.5時間、バッテリー充電時間は約1.8時間だ。

 現行ノートPC最高峰のパフォーマンスを実現し、デュアルディスプレーを搭載していることから大容量バッテリーをもってしてもバッテリー駆動時間は短め。しかし、USB Type-Cのひとつが本体へ給電可能なので、対応バッテリーを組み合わせれば屋外での長時間運用も可能となる。

本体天面はフラット。「ROG(Republic of Gamers)」のロゴが紫色と青色のグラデーションで刻まれている。角度によって色が変わって美しい

本体底面。大型の空冷ファンが透けて見える。

メインディスプレーは16型TFTカラー液晶2560×1600ドット、セカンドディスプレーは14型TFTカラー液晶3840×1100ドットとなった。

キーボードは82キー英語配列のオールキーRGBイルミネート仕様

本体背面には有線LAN(2.5GBASE-T)×1、USB 3.2 Gen2 Type-A、HDMI 2.1を用意

右側面にはUSB 3.2 Gen2 Type-C、左側面には電源端子、USB 3.2 Gen2 Type-A、USB 3.2 Gen2 Type-C、microSDメモリーカード、コンボジャックを配置

メインディスプレーの最大展開角度は実測130度、セカンドディスプレーの最大展開角度は実測165度

セカンドディスプレーと本体の間に大きなすき間を作る「Active Aerodynamic System Plus 2.0(AAS+ 2.0)」により、本体内部の発熱を効率的に発散している

パッケージには本体、ACアダプター、電源ケーブル、紙製スタンド、パームレスト、説明書類が同梱

ACアダプターのコード長は実測120cm、電源ケーブルの長さは実測180cm

ACアダプターの型番は「A22-330P1A」。仕様は入力100-240V~4.4A、出力20V 16.5A、容量330W

本体の実測重量は2677g

ACアダプターと電源ケーブルの合計重量は実測1128g

付属する紙製スタンド、パームレストを組み合わせると、ディスプレーを立てたスタイルで利用できる

メインとセカンドが一体化して見える
デュアルディスプレーの完成形

 本製品最大の特徴はなんと言ってもデュアルディスプレー。メインに16型TFTカラー液晶(2560×1600ドット)、セカンドに14型TFTカラー液晶(3840×1100ドット)が搭載されており、メインディスプレーを開くと同時にセカンドディスプレーもリフトアップする。

 セカンドディスプレーの上端がメインディスプレーの下ベゼルにかかり、まるで1枚の大きなディスプレーのように見えるのだ。また、リフレッシュレートが240HzでDolby Visionにも対応しているので、ゲーミングディスプレーとして滑らか、かつ臨場感豊かにグラフィックを表示できるのもポイントだ。

 ただし、メインディスプレーは「Nebula HDRディスプレイ」と名付けられており、バックライトはmini LEDで、輝度は1200cd/m²となっている。両方とも最大輝度に設定するとメインディスプレーのほうが明るく表示されるので、見た目を揃えたい場合にはある程度の調整が必要だ。

 なおメインディスプレーの色域についてカラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で実測したところ、sRGBカバー率は99.9%、AdobeRGBカバー率は92.3%、DCI-P3カバー率は99.4%となった。セカンドディスプレーについては色域を計測できなかった。

メインディスプレー、セカンドディスプレーともに最大輝度で同じ画像を表示すると、メインディスプレーのほうが明るく表示される

メインディスプレーで実測したsRGBカバー率は99.9%、sRGB比は142.2%、AdobeRGBカバー率は92.3%、AdobeRGB比は105.4%、DCI-P3カバー率は99.4%、DCI-P3比は104.9%

 なおメインディスプレーはタッチ非対応だが、セカンドディスプレーはタッチ操作に対応している。また「Surfaceペン」で筆記できることを確認できた。記事執筆時点のスペック表に記載はなかったが、Microsoft Pen Protocol対応のスタイラスペンであれば利用可能であると思われる。

セカンドディスプレーはタッチ対応。また「Surfaceペン」での筆記を確認できた

 キーボードのキーピッチは実測19mm、キーストロークは1.7mm。ボディー底面にゴム足があるおかげか、強く打鍵してもキーボード面全体が非常に安定しており、剛性感も高い。深めのキーストロークのおかげで打鍵感も良好だ。英語配列ということで人によっては慣れが必要だが、大量のテキスト入力も快適なキーボードと感じた。

キーピッチは実測19mm前後

キーストロークは1.7mm

 またASUSのノートPCではおなじみのテンキー表示をオンオフできるタッチパッド「NumberPad」を採用。表計算ソフトなどで大量に数字入力する際に重宝する。タッチパッドのクリック感も心地よかった。

左上のマークにタッチするとテンキーが表示されるタッチパッド「NumberPad」を採用。数字を素早く入力できる

 ウェブカメラは207万画素と高解像度であるだけでなく、RGBカメラとIRカメラが独立しており、室内灯下でも明るく、自然な発色で撮影できる。RGBとIRのハイブリットカメラとは雲泥の差だ。今回HDRをオンオフして撮影してみたが、「カメラ」アプリでHDRを有効にする必要性をまったく感じないほど、素の画質がよかった。

ディスプレー上部には207万画素赤外線(IR)カメラと3Dアレイマイクが内蔵

「Windows 11」の「カメラ」アプリで撮影(HDRオフ)

「Windows 11」の「カメラ」アプリで撮影(HDR proオン)

Ryzen 9 6900HXの2.5倍速!!
ゲーミングノートPCとして最高クラスのパフォーマンスを発揮

 さてお待ちかねのベンチマーク結果を見てみよう。まずCPU性能だが、「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は34867pts、「CINEBENCH R20」のCPU(Multi Core)は13629ptsを記録した。

 「AMD Ryzen 9 6900HX」(8コア16スレッド、最大4.9HGz、TDP45W、6nmプロセス)と「NVIDIA GeForce RTX 3070 Ti Laptop GPU」を搭載する「ROG Strix G17 G713 G713RW-R96R3070T」(以下、ROG Strix G17)はR23が14320pts、R20が5594ptsだった。

 ROG Zephyrus Duo 16は約243%、約244%相当のスコアを記録したことになる。コア数スレッド数が倍に増え、最大ブーストクロックも4.9GHzから5.4GHzに向上しているので、その差がストレートに表われた結果だ。

「HWiNFO64 Pro」で取得したシステムの概要

ベンチマークは「Armoury Crate」で動作モードをTurbo、GPUモードをUltimateに設定して実施している

「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は34867pts、R20は13629pts

 3Dグラフィックス性能については、「3DMark」のTime Spyは18087、Fire Strikeは40462、Port Royalは12549となった。ROG Strix G17はTime Spyが10916、Fire Strikeが25842、Port Royalが6971だったので、ROG Zephyrus Duo 16は約166%、約157%、約180%相当のスコアを記録したことになる。

 ROG Strix G17がRTX 4090、ROG Zephyrus Duo 16がRTX 3070 Tiを搭載しているので当然の結果ではある。しかしRTX 4090搭載機がAAAタイトルを高画質設定で軽々動作させられる3Dグラフィックス性能を備えていることは証明できたわけだ。

「3DMark」のTime Spyは18087、Fire Strikeは40462、Wild Lifeは104517、Port Royalは12549

「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアは21470(非常に快適)

 ストレージ速度については「CrystalDiskMark 8.0.4」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は7403MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は6616MB/sとなった。ROG Zephyrus Duo 16にはノートPC用としては最高クラスのCPUとディスクリートGPUが搭載されているが、それにふさわしい速度のストレージが装備されていることになる。

試用機にはPCIe Gen4 x4接続SSD「HFS002TEJ9X101N」が搭載されていた

「CrystalDiskMark 8.0.4」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は7403MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は6616MB/s

 バッテリー駆動時間については、メインディスプレー、セカンドディスプレーともに輝度を40%に、ボリュームを40%に設定してYouTube動画を連続再生したところ、2時間41分動作した(動作モードはサイレント、GPUモードはスタンダード)。やはり最大パフォーマンスを発揮させるためにも、基本的にはACアダプターに接続して利用するマシンと考えたほうがよさそうだ。

ROG Zephyrus Duo 16は
パフォーマンス、使い勝手の両面で最高峰のマシンだ

 ROG Zephyrus Duo 16のCPU、GPU性能はゲーミングノートPCのなかでトップクラス。Dolby Visionに対応した240Hzメインディスプレー、Dolby Atmosをサポートした6スピーカーシステムのクオリティーも申しぶんない。

 そしてセカンドディスプレーには別アプリを表示させておくことで、どんな場所でもデュアルディスプレー環境の恩恵を受けられる。

 あえて不満を挙げるならバッテリー駆動時間だが、前述のとおり対応モバイルバッテリーなどと組み合わせればカバーできる。パフォーマンスにおいても、使い勝手においても最高のマシンを手に入れたいのなら、まさにROG Zephyrus Duo 16が筆頭の1台だ。

 

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