損保ジャパン、SBIトレーサビリティの相互連携による日本産食品の輸出促進スキームの構築について
SBIトレーサビリティ株式会社
損害保険ジャパン株式会社(代表取締役社長:白川 儀一、以下「損保ジャパン」)とSBIトレーサビリティ株式会社(代表取締役:輪島 智仁、以下「SBIトレーサビリティ」)は、日本産食品のさらなる輸出促進への貢献を目的として、両社の基幹システムを相互連携し、輸出者の利便性を向上させる新たなスキームを、2023年中を目途に展開することで合意しました。損保ジャパンは、SBIトレーサビリティが新たに立ち上げた、サプライチェーンの透明化を実現させるプラットフォーム「SHIMENAWA(しめなわ)」上に専用保険を提供し、輸送途上での万が一の事故を補償することで、安心・安全な物流をサポートし、日本産食品の輸出促進を図ります。
1. 相互連携の背景
近年、SDGsの浸透や、国内外での産地偽装などが社会問題化していることに伴い、食品の生産環境や流通経路なども消費者の購買決定要因の一つとなっています。企業においては「責任あるサプライチェーン」の構築が重要性を増しています。また、「農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律※1」の施行など、日本産食品の輸出促進についても、わが国における大きな課題として取り組みが強化されています。
損保ジャパンとSBIトレーサビリティは、API連携を通じた新しいスキームの構築による協業で、これらの社会的課題の解決に向け検討してきました。これにより、日本産食品のブランドそのものの信用・信頼を高めることに貢献し、生産者にとってはより輸出しやすく、消費者にとってはより安心で安全な食品を購買することができる社会の実現を目指していきます。
※1 日本で生産された農林水産物・食品の輸出の促進を図るため、輸出に取り組む事業者の支援等を行うことにより、農林水産業・食品産業の持続的な発展に寄与することを目的とした法律。
2. 相互連携の概要
SBIトレーサビリティの「SHIMENAWA(しめなわ)」と、損保ジャパンの「MARINE My Page※2」の連携により、従来それぞれに必要であったトレーサビリティサービスと保険の申込手続きをデジタルで一気通貫に完結する仕組みを提供します。
「SHIMENAWA(しめなわ)」のトレーサビリティサービスを利用する輸出者(生産者)が外航貨物海上保険の手配を希望される場合に、同プラットフォーム上の情報を「MARINE My Page」にAPI連携することで、トレーサビリティサービスと保険の申込みがシームレスに完結します。
これにより、輸出者(生産者)は申込みに関する煩雑な手続きが省略されるとともに、輸入者は対象品目に合致した補償が付帯された食品をスムーズに入手することが可能になります。両社は、今後の本サービス拡大による食品品目ごとの専用保険の拡充のほか、食品以外の製品やこれらの国内物流についても、専用保険の開発を検討しています。また外航貨物海上保険以外の、生産物賠償責任やリコールリスクに対応する専用保険の開発も見据えた協業を進めていきます。
※2 インターネットを通じて外航貨物海上保険のお申込み手続きと保険証券等の印刷ができるシステムです。
ご契約内容の確認や保険事務に関する各種照会等も本サイト内で行うことができます。
【概要イメージ】
3. 今後について
損保ジャパンは、「“安心・安全・健康のテーマパーク”により、あらゆる人が自分らしい人生を健康で豊かに楽しむことのできる社会を実現する」というSOMPOのパーパス実現に向けて、ブランドスローガン「Innovation for Wellbeing」に即した独自色のある商品の開発を通じ、今後も社会の健全な発展に資する新たな保険・サービスの提供により、サステナブルな社会の実現に貢献していきます。
SBIトレーサビリティは「ブロックチェーン※3を活用してグローバルで最も透明なサプライチェーンプラットフォームとなる」というミッションの実現に向け、ブロックチェーン技術を活用したトレーサビリティサービスの提供を通じて、産地、生産者のブランドを守り、安心・安全な商品を消費者にお届けし、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
※3 ブロックチェーンとは、電子署名とハッシュポインタという耐改ざん性のあるデータ構造を利用し、データの変更履歴をネットワーク上で共有することで、価値の保存を可能とした技術をいい、物理的資産の真正性や品質証明を取引者間で行うことで、信頼性の高いエンド・ツー・エンドのトレーサビリティの実現を可能とします。
参考:「SHIMENAWA(しめなわ)」の概要
「しめ縄」には、日本古来より神の領域と現世を分け隔てる結界として、不純なものが入るのを防ぐ役目を担うという意味があります。この「しめ縄」と同じように情報の改ざん(不純なものが入るの)を防ぎ、常に真の情報をお届けする大切な役目を担いたいという想いが込められ、「SHIMENAWA(しめなわ)」と名付けられました。
「SHIMENAWA(しめなわ)」は、ブロックチェーンを活用し、ユニークIDが記録された厚さ0.1ミリのICタグやQRコードを商品に張り付けることで、消費者はスマートフォンを商品にかざすだけで、商品の開封有無だけでなく、生産者や商品に込められた想い(ストーリー)、流通履歴や産地を「見える化」することができます。商品の安全性だけでなく、真贋証明およびサプライヤーのブランドや新たな信用を創造することにも繋がります。