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高速化の次を見据えたプロダクト戦略 プライム・ストラテジー相原取締役が語る (2/2)

2023年02月07日 09時00分更新

文●大谷イビサ 編集●ASCII 写真●曽根田元

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KUSANAGIをクラウド版で提供するのは標準化という側面が大きい

大谷:相原さんとしては、今年進めていきたいことはなんでしょうか?

相原:直近ではKUSANAGIやWEXALを進化させながら日本だけではなく世界に拡げていくこと。世の中、ユーザーの課題が個別化してきて、ページのロードが速いのはすでに当たり前。GoogleのCore Web Vitalsは表示速度にプラスして閲覧の快適さというところまでを提案しているし、セキュリティの観点ではユーザーをきちんと保護できるのか? が問われています。こういうところが2023年以降もWebサイトの総合的な評価としてどんどんフィーチャーされてくると考えています。

大谷:ユーザー動向についてどうお考えでしょうか?

相原:クラウドへの移行や利用は引き続き多いと思います。為替の影響などもあり、オンプレ回帰というキーワードも聞こえてはきますが、オンプレを管理するにはそれなりの知識と体力が必要だと思います。個人的にはクラウドに移行しつつ、いろいろな工夫でコストを抑えていく方が現実的だと思います。

大谷:APIや自動化を前提とすれば、プライム・ストラテジーとしてはやはりお客さまがクラウドに移行してくれた方がやりやすいんですか?

相原:うーん。実は、KUSANAGIを標準化の技術として捉えると原理的にはクラウドでも、オンプレでも変わらない、という側面もあるんです。でも、クラウドそのものがある程度標準化された環境ですし、自動化やいろいろな連携も行ないやすいです。KUSANAGIをクラウドのみで提供しているのも「標準化」という意味合いが大きいんです。わたしたちのやりやすさ、ということももちろんありますが、お客さまにとってもメリットは大きいと思います。

パートナー連携でWEXALとKUSANAGIも次のステップへ

大谷:続いてプライム・ストラテジーのプロダクト戦略についても聞かせてください。

相原:まずはWEXALの技術を国内外のレンタルサーバー業者、CDN事業者、SaaS事業者などに提供していきたいと考えています。

というのも、WEXALのエンジンはいくつかのユニットに分離できる構造になっているので、いろんな形態で提供できるんです。多く利用いただいているのはKUSANAGIの上でオールインワン型のものなのですが、オリジナルのサーバから分離して外部から表示の最適化を行なうこともできます。これを応用すれば、CDNに画像最適化などの機能を埋め込んだり、SaaSやECなどのサービスに組み込むことも可能です。プラグイン化して、ユーザーに配布するという方法もあります。

大谷:KUSANAGIはどうするのでしょうか?

相原:世の中が進化して、速いサイトが当たり前になると、当然KUSANAGI自体も陳腐化する可能性があります。速いだけでは差別化していけなくなるときがきます。そこで、次のKUSANAGIをどうするのか?を今検討している最中です。より高速化を追求していくのか、CMSのプラットフォームとしての機能をもっと充実させていくべきなのか、などを考えています。

今年はパートナーとの連携もすごく重要になると考えています。KUSANAGIを提供してくださるプラットフォーマーとの連携も不可欠です。KUSANAGIの有償版はAWSやAzureなどのグローバルマーケットプレイスでしか販売していませんが、ローカルのプラットフォームからも提供できるようにしたいと考えています。

あとは先日のサイバーセキュリティクラウドさまとのインタビュー記事でWafCharm とKUSANAGIの連携の可能性の話が出ましたが、そのようなパートナーのプロダクトやサービスとの連携も実現できると、とても面白いなと考えています(関連記事:【対談】WafCharmとKUSANAGIでセキュリティ強化を目指す~WafCharm開発秘話)。

大谷:パートナーとの連携で実現できることを拡げて行くんですね。

相原:私たちが全部やろうとしても、限界があります。高速化や自動化といった、自分たちが得意なところにはとことんこだわり、それ以外の領域は他社とのパートナーシップを深めることで、大きな広がりが実現できると思っています。世の中の変化を先取りして、ユーザーに役立つ連携を進めていきたいです。

今回話を聞いたプライム・ストラテジーの3人の取締役、渡部直樹氏、相原知栄子氏、池宮紀昭氏

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