このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

iPadをもっと使いこなす!”驚”活用テク 第19回

WindowsとiPadの親和性を高めるコツ②

【活用提案】リモートデスクトップアプリを使ってiPadからWindowsパソコンをリモート操作する

2023年02月06日 14時00分更新

文● 岩渕 茂 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

マイクロソフト純正の「Microsoftリモートデスクトップ」

 マイクロソフトにも、Windowsパソコンをリモート操作できるアプリ、「Microsoftリモートデスクトップ」がある。マイクロソフトが提供するだけあって、準備は非常に簡単だ。

 ただし、Microspftリモートデスクトップを使うには、OSがWindows 10/11の「Pro」エディション以上でなければならない。多くの人が使っている「Home」エディションでは利用できない点には注意したい。これ以外にもいろいろと制約があるが、それは後述する。

 「Microsoftリモートデスクトップ」を使うのに必要なものは次のとおり。

【iPad】
「Microsoftリモートデスクトップ」
作者:Microsoft Corporation
価格:無料
https://apps.apple.com/jp/app/id714464092

【Windowsパソコン】
・Windows 10/11 Proエディション以上

●パソコン側で初期設定を行う

 ここでは、同じネットワークにあるパソコンにリモート操作する手順を紹介する。この場合の設定は、実に簡単。設定アプリから「リモートデスクトップ」をオンにするだけで準備は完了だ。

Windowsパソコンで設定アプリを開き、「システム」→「リモートデスクトップ」の順にクリック。「リモートデスクトップ」をオンにする。また、iPadの設定で必要になる「PC名」を確認しておこう。

●iPadからリモート操作する

 iPadから操作するには、「Microsoftリモートデスクトップ」アプリを開き、パソコンへの接続を作成し、ここから接続を行う。なお、このとき、パソコンへサインインする際に使うユーザー名とパスワードが必要。Microsoftアカウントでサインインしている場合は、そのユーザー名とパスワードとなる。

iPadで「Microsoftリモートデスクトップ」アプリを開き、「+」→「PCの追加」をタップ。「PC名」にWindowsの設定アプリに表示されていたPC名を入力し、「保存」をタップする。

作成された接続をタップし、パソコンにサインインする際のユーザー名とパスワードを入力して「続行」をタップする。接続が完了すると、パソコンの画面が表示される。

 基本操作は、タップがクリック、長押しが右クリックだ。注意したいのは、初期操作が「マウス」モードになっていること。このモードの場合、画面をトラックパッドのように使って、画面上のマウスポインターを操作することになり、ファイルを開く場合は、ポインターを合わせてからダブルタップをしなければならない。もちろん、ほかのリモートデスクトップアプリと同様のモードも選択できるので、使いづらいと思ったら変更するといいだろう。

モード変更は、iPadで画面上部中央のアイコンをタップし、表示された画面の左上にあるモードのアイコンで使いたいものをタップする。なお、リモート操作を中断する場合は、そのデスクトップの「×」をタップする。

●Microsoftリモートデスクトップの使い勝手は?

 マイクロソフトのアプリだけあって、動作もキビキビしており、使い勝手は悪くない。ただし、実際にはいくつかのハードルがある点を知っておきたい。

 まず、外出先から接続するには、グローバルIPアドレスが必要な点。ほかのリモートデスクトップアプリは、インターネット上にあるサーバーを経由して接続しているのだが、Microsoftリモートデスクトップは直接パソコンへ接続するため、グローバルIPなどの情報を設定しなければならない。さらに、宅内のルーターの設定も変更しなければならないため、かなりハードルが高い。

 また、Microsoftリモートデスクトップの認証にMicrosoftアカウントを使う場合、接続先のパソコンで、一度もそのMicrosoftアカウントのパスワードを入力してサインインしたことがないと、認証に失敗してしまう。これは、認証アプリの「Microsoft Authenticator」をスマホにインストールして、多要素認証を有効にした環境で起こりうる問題だが、解消するには、パソコンでWindows Hello(生体認証)やPIN認証をすべてオフにして、パスワードを入力してサインインする必要がある。これに気がつかないと、いつまでも接続できないことになってしまう。

 このように、やや難度の高いアプリのため、ある程度のスキルがある人に向いているアプリと言えるだろう。

 今回は、自宅にあるパソコンをiPadから操作するリモートデスクトップアプリについて紹介してきた。どのアプリを選ぶかは、目的や使い方によって異なるだろうが、手軽にリモート操作したいなら「Googleリモートデスクトップ」、本格的にリモート操作をしたいなら「Splashtop」がおすすめだ。

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

ASCII.jp RSS2.0 配信中