新旧の世代で出会う機会に 粋なイベント開催の理由
今回の卒業イベントは、発表直後の年末に河野真一郎さん、吉江瞬さんなどのJAWS-UGメンバーから打診を受けていたものの、亀田さん自身はずっと断っていたという。しかし、昨年末のラスベガスのAWS re:Inventに参加し、久しぶりにリアルで同僚や参加者と交流したことで、考えが変わった。自らの卒業イベントで、コロナ禍で断絶したJAWS-UGの交流を再開できないかと考えたのだ。
クラウドコミュニティであるJAWS-UGは、設立してからすでに12年近く経つ。その間、1000人規模の大型イベントを何度も成功させ、全国津々浦々に地方支部、都内には専門支部が生まれ、今も積極的に勉強会を続けている。この12年間、JAWS-UGはコミュニティとしてのアイデンティティを保ちつつ、何回かの世代交代を行ない、絶え間なく成長してきた。
一方でJAWS-UGができる以前からAWSを使っていた多くのレジェンドは、今流行の「老害な人」にならないよう、身を引く潔さを持ち合わせていた。ドンがなかなか辞めないため、コミュニティが刷新しないといったどこぞのスポーツ協会のようなことはJAWS-UGにはなかったのだ。だが、クラウドビジネスの最前線で活躍し、えらくなった人も多いため、レジェンドたちが世代交代したコミュニティに参加しにくかったのも事実だった。
しかし、今回は特にコロナ禍でコミュニティ活動を続けてきた最近のメンバーと、クラウド黎明期に真っ先にAWSを使い始めたいわば古参メンバーが出会うきっかけになればと思い、亀田さん自らイベントにベテランを呼び込んだ。その結果、久しぶりにレジェンドたちが勢揃いし、まさに同窓会のような様相になったわけだ。参加者にとっては、亀田さんに感謝の言葉を伝えられるだけでなく、ともにクラウドの時代を切り拓いてきた同士と再開できるイベントでもあった。まさに卒業する亀田さんからのプレゼントだ。
2014年のJAWS DAYSでデビューした私にとっても、これはとてもありがたい機会だった(関連記事:1000人規模の大勉強会「JAWS DAYS 2014」の納得と驚き)。久しぶりに多くの人たちと会うことができた。特に昨年末のre:inventでグローバルで最優秀のSIerに選ばれたクラスメソッドの横田聡代表に直接おめでとうを言えたのはなによりうれしかった。ここまで多くの人が参加したリアルイベントが久しぶりだったため、距離感がつかめず、話せなかった人もいっぱいいたが、次のイベントでは声をかけたいと思う。
亀田ファンたちがひたすら愛に溢れたLTを披露する
亀田さんの基調講演のあとは、JAWS-UGのメンバーによるLT大会が行なわれた。「亀田治伸という男」のタイトルで思い出語りする同僚あり、亀田さんが大好きなガンダムネタあり(しかも2つも)、地方勉強会での活躍レポートあり、亀田さんが語り続けたawsbasicsへのラブコールしかり。共通しているのは、みんな亀田さん愛にあふれていたこと。数年前の亀田さんの問いかけに答えて、社内コミュニティが成功した話、JAWS-UGのような会社を作ったという話もあった。亀田さんのアウトプットやその知見は、単にクラウド利用や知識だけでなく、コミュニティ作りや運営をも後押ししていたわけだ。