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モーダル小嶋のTOKYO男子めし 第79回

「なかなかだな」以上の何かが、あってほしかった:

松屋のボロネーゼハンバーグ “ひき肉×バーグ”でごはんに合うけどちょっと高いかも?

2023年01月25日 16時00分更新

文● モーダル小嶋 編集●ASCII

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「ボロネーゼソースハンバーグライスセット」
松屋
770円
https://www.matsuyafoods.co.jp/whatsnew/menu/46291.html

え!! ボロネーゼでハンバーグを!?

 2023年も1ヵ月が経とうとしていますが、いかがお過ごしでしょうか。筆者は1月、スカーフを持ったサーフゴーに殴られたり、カイリューを攻略できずジリ貧になったり、キョジオーン相手にしょっぱい試合を展開したり、コノヨザルに文字通りボコボコにされたりしていました。

 そんな苦しい時には、肉をたくさん食べてパワーをつけたいものです。そこで、松屋。1月24日から「ボロネーゼソースハンバーグ」各種を発売しています。ライスセット770円〜、定食830円〜。

 松屋の人気ハンバーグに「ボロネーゼ」味が登場。ひき肉とトマト、玉ねぎなどの野菜を煮込んだ松屋特製ボロネーゼソースを、ジューシーなハンバーグにかけたメニューに仕上げています。

 なお、ボロネーゼソースは、以前の「チーズボロネーゼ牛めし」よりもごはんに合うよう改良したとのこと。

 さらに目玉焼きをのせた「ボロネーゼソースエッグハンバーグ」も登場。黄身を崩して、ハンバーグ・ソース・玉子の三重奏を楽しめます。いずれも持ち帰り可能。持ち帰りの場合はみそ汁がつきません(別途60円)。

 ボロネーゼ(bolognese)は「ボローニャ風」ということで、焼いた肉とワイン、刻んだ玉ねぎやセロリなどの香味野菜を合わせたソース。ポローニャはイタリアの北にあり、お隣のフランスの食文化に影響を受けているのだそうです。

 イタリアでは、伝統的にタリアテッレと和えたり、ラザニア(ラザーニャ)として調理されたりします。日本でやるようなスパゲッティにかける食べ方は現地ではやらないことなのですが、近年ではイタリアでもそうして食べることもあるのだとか。

 しかし、ハンバーグにかけるというのは(たぶん)あまりない食べ方のはず。一体、どのような作りになっているのでしょうか。

ごはんとの相性はよいが、価格が気になる

定食ではなくライスセットをチョイス

 ハンバーグがいつものものである以上、ポイントはソースになりますよね。松屋のこの手のメニューは、味が濃い目になりがち。しかし今回のボロネーゼソースは、野菜の甘味が活きている。塩味が強すぎるとは感じませんでした。

さて、どこが肉でしょうか

 ひき肉のごろごろとした食感も、食べごたえがあってよい感じです。ただ、我々がいつも食べる(パスタの)ボロネーゼは、パスタの歯ごたえとひき肉の食感でコントラストが付いているのですが、これはハンバーグなので、口の中がだいぶ「肉〜!」という雰囲気になります。あまりない体験でした。

ひき肉と香味野菜がごろごろ入っています

 付け合せはマッシュポテト。なめらかな舌触りはもちろんハンバーグと好相性なのですが、しっかりした味付けのボロネーゼソースとのマリアージュも見事。ソースと一緒に口に運べば、なかなかのおいしさ。名脇役になっています。

ポテトがけっこういい感じ

 ひき肉多めのソースがかかったハンバーグなので、当然、白米との相性は悪かろうはずがありません。ごはんのおかずとしても成立するバランスになっています。

 ひき肉をやや大きめにしたことによる食感の良さ、塩味と甘味を両立させたソースの味わいなどは、「ごはんに合うよう改良した」とうたうだけのことはあります。ハンバーグのソースとしてだけでなく、ごはんにもしっかり合うように仕上げているのですね。

白米にもピッタリ

 というわけで、ハンバーグとしての完成度はなかなかのものです。ただ、強いて言うなら、ライスセット770円、定食830円という価格が気にはなります。高いとまでは言いませんが、チェーン店のメニューと考えると、安くはない。

 「松屋ビーフカレー」並盛が680円、「牛焼肉定食」が690円という価格ですから、ボロネーゼソースハンバーグはそれほど高くはないのですが、そもそも松屋のメニューが全体的に値上がりしているような気もします。そう考えると、「牛めし」並盛380円が飛び抜けて安いようにさえ思える。

 松屋は2021年に「ボロネーゼ&マスカルポーネ風Wソースのハンバーグ」を発売していますが、それは定食が690円、ライスセットが630円でした。もちろん、今回のハンバーグとまったく同じものではないでしょうが、100円以上の値上げがされているような印象もあります。

ボロネーゼ&マスカルポーネ風Wソースのハンバーグ(2021年10月発売)

 松屋というと、2023年になって最初の新メニューが「ごろごろチキンの濃厚カルボナーラ」で、その次が今回のボロネーゼソースハンバーグと、イタリア料理風のメニューが次々と登場しています(参考:「松屋のカルボナーラはごはんで食べる “シュクメルリ”路線の第2弾と考えよう」)。

 2022年の年末に長友佑都選手の「ブラボー!」が流行ったことに触発されて、急いでイタリアに目を向けた可能性もありますが。ないかな。

どんなにイタリアンなメニューでも、みそ汁は付いてきます

 松屋らしい雰囲気を持った、独創的なメニューが開発されるのは喜ばしいことです。一方で、メニューの価格が全体的に上がっているようにも思えます。

 松屋でこの価格帯(定食で800円超え)なら、「おお!」と思いたい……というのはぜいたくなのでしょうか。ボリュームや味に、うならせてほしい何かがあってほしいというか。あるいは、もうすこし安いと嬉しいのですが。

 何でも値上げの時代ですから、松屋のハンバーグが800円前後であること自体には、異議を唱えるほどではない。ただ、ボロネーゼソースハンバーグに対しては、「なかなかだな」以上の感動を覚える要素が薄かったと感じたのも、正直なところでした。厳しい評価でしょうか……。

モーダル小嶋

1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。一人めし連載「モーダル小嶋のTOKYO男子めし」もよろしくお願い申し上げます。

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