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ソニー、NC搭載で最軽量ヘッドホン「WH-CH720N」と小型エントリーの「WH-CH520」

2023年02月22日 10時00分更新

文● ASCII

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 ソニーは2月22日、ヘッドバンド型のワイヤレスヘッドホン「WH-CH720N」「WH-CH520」を発表した。WH-CH720Nはオーバーイヤー型、WH-CH520はオンイヤー型のイヤーパッドを採用。それぞれ約192g/約147gと軽い。WH-CH720Nはデュアルノイズキャンセル対応で実売2万2000円前後、WH-CH520Nは実売7700円前後になる見込み。

WH-CH720N

WH-CH520

WH-CH720N

 WH-CH720Nはソニーのノイズキャンセル対応ヘッドホンとしては最軽量モデル。2020年発売の従来モデル「WH-CH710N」と比較して、ノイズキャンセリング性能、音質、通話品質、クイック充電機能などが進化した。また、専用アプリ「Headphones Connect」にも対応。イコライジング機能などが利用できるようになったほか、このアプリからの指定でマルチポイント接続もできる。

ソニーWH-CH520とWH-CH720N

WH-CH720N

 注目ポイントは1000Xシリーズが採用している「統合プロセッサーV1」を新たに搭載したことだ。チップが高性能化してノイズキャンセリング処理の精度が向上、特に高音域のノイズ除去性能が高まっている。ノイズキャンセル方式は、外側マイクを使用するフィードフォワード方式と内側マイクを使用するフィードバック方式を組み合わせたデュアルノイズキャンセリングとなっている。また、フィードフォワードマイクには、風ノイズ低減構造も新たに取り入れている。屋外で風が吹いている状況でも、クリアな音楽再生が可能になる。

 また、圧縮時に音源から失われる高域成分を再生時に補うDSEEにも対応。ストリーミングやMP3音源の再生品質をCDと同じ44.1kHz/16bit相当に上げられる。360 Reality Audioの認定も受けた。

 ドライバーサイズは30mmで、本体は約223gから15%近く軽量化。イヤーカップとヘッドバンドのジョイント部も改良し、クッション性なども改善。イヤーカップを水平方向に動かした際にシームレス感のある形状となったほか、装着時のノイズを低減するためにガタツキの少ないサイレントジョイントを採用している。また、側圧や耳まわりの空間を広く取るといった調整を加えて、長時間の使用でも疲れにくい工夫を施している。

ソニーWH-CH520とWH-CH720N

右は従来機種の「WH-CH710N」

ソニーWH-CH520とWH-CH720N

イヤーカップ部の比較

ソニーWH-CH520とWH-CH720N

ジョイント部の比較

ソニーWH-CH520とWH-CH720N

左右にチルトする機構のデザインが変更になっている。

ソニーWH-CH520とWH-CH720N

従来モデルは回転させるとハンガーとハウジングの接続部分に出っ張りが出ていた。

 マイクについては左ハウジングの外側マイクと、通話専用マイクを利用して声だけに焦点を当てた集音が可能(ボイスピックアップテクノロジー)。通話用マイクもひとつ増やし、2つのマイクが口元に対して直線的に並ぶためよりクリアな声になるという。

ソニーWH-CH520とWH-CH720N

3色のカラーバリエーションが選べる。

 連続再生時間はノイズキャンセリング機能オンの状態で約35時間、オフの状態で約50時間。たった3分の充電でも約1時間の再生ができる急速充電にも対応する。Bluetooth 5.2対応でSBCとAACコーデックの利用が可能。本体にはUSB Type-Cケーブルとオーディオケーブルが付属する。ブラック、ホワイト、ブルーの3色が選べる。

WH-CH520

 WH-CH520はノイズキャンセリング機能を持たないが小型軽量。WH-CH510からの強化ポイントとしては、DSEE、360 Reality Audio認定、Headphones Connectとマルチポイント接続への対応など。連続再生時間が約50時間と15時間も延びているほか、3分で約1.5時間使える急速充電機能も利用できる。

ソニーWH-CH520とWH-CH720N

右が新機種のWH-CH520、左は従来機種のWH-CH510。

ソニーWH-CH520とWH-CH720N

ハウジングには右のWH-CH510は表面にディンプルのような凹凸があったが、左のWH-CH520ではフラットで素材感を生かしたものに変わった。

 単に軽量なだけでなく、装着感の改善にも取り組んでいる。イヤーパッドを変更し、表面にしわが出にくく滑らかな質感になったほか、低反発ウレタンフォームを使った肉厚なタイプになった。同じ素材はヘッドクッションにも使用。可動部のガタツキを抑えるサイレントジョイントはこの機種も採用している。

ソニーWH-CH520とWH-CH720N

左が新製品のWH-CH520。イヤーパッドの厚みがかなり変わっているのが分かる。

ソニーWH-CH520とWH-CH720N

ヘッドバンド部分にもクッション材が使われるようになった。従来モデルはなかった。

 また、テレワーク向けの強化として、通話中に自分の声や周囲の音が聞ける“サイドトーン”機能を調整・最適化。騒がしい環境でクリアな声を届けるために周囲のノイズを抑えて集音する“ノイズサプレッション”機能も持つ。

ソニーWH-CH520とWH-CH720N

4色のカラーバリエーションが選べる。

 ドライバーユニットは30mm。Bluetooth 5.2対応でSBCとAACコーデックの利用が可能。本体にはUSB Type-Cケーブルが付属する。ベージュ、ブラック、ホワイト、ブルーの4色が選べる。

ノイズキャンセル性能の質をチェック

 短時間だが、WH-CH720Nのノイズキャンセリング性能を体験する機会があった。ノイズがある環境で使った場合、WH-CH710Nは低域のノイズは効果的に除去してくれるが、高域はかなり残っている。一方、WH-CH720Nはノイズを低減する周波数帯が広がり、効果が上がったことを実感できた。ノイズキャンセリングの適用には、ハウジング自体の密閉度やドライバーの性能、マイクの位置や数なども関係するため、同じチップを使えばWH-1000XM5と同じ性能になるというわけではないが、確実な進化を感じることができた。

 軽量であるため、日常使いにも適した機種と言えそうだ。なお、ノイズキャンセリング、外音取り込み(アンビエントサウンド)などを切り替えた際、従来は女性の声で選択したモードが読み上げられていたが、これは信号音のみに変わった。外音をすぐに聞きたいとき、声が入って邪魔になることを避けるための仕様変更だという。慣れるまでは若干分かりにくいが、コンビニのレジなどでモード変更したものの、店員の声とアナウンス音声がかぶってしまってうまく聞き取れなかったというよくある失敗を避けられる合理的な変更と言えそうだ。

 また、WH-CH520はイヤーパッドが厚くなったことにより、耳のフィット感が上質となった。密閉性の高さは、音質にダイレクトに効く部分でもあるのでこの改善も大きいだろう。

訂正とお詫び:製品名や機能の説明について正しくない表記があったため、内容を修正しました。(2月28日)

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